アニメーターの年収を担当別・会社別に解説!リアルな手取りと上げ方も紹介
アニメーターを目指しているけれど、給料が低いと聞いて踏み出せないでいる。そんな人が「実際いくらもらえるのか」を調べると、出てくるのは平均値だけです。
求人ボックスのアニメーター平均年収は493万円ですが、担当工程で大きく変わります。動画マンは年収263万円前後、作画監督になると575万円以上も珍しくなく、担当工程の違いだけで300万円以上の差が生じます。
この記事を読めば、平均値だけでなく担当別・会社別・雇用形態別の年収レンジが分かります。自分のキャリアで実際にいくら稼げるのか、見通しを立てて確認してみてください。
この記事の内容
アニメーターの平均年収はいくら?
求人ボックスのデータでアニメーターの平均年収は493万円、2026年4月時点。ただし動画マン263万円・原画マン399万円・作画監督575万円と、担当工程で300万円以上の開きがあります。
| 出典 | 平均年収 |
|---|---|
| 求人ボックス 2026年4月 | 493万円 |
この数字は正社員・契約社員・フリーランスを含む掲載求人ベースの集計です。3DCG・ゲーム案件が多く含まれるため、2Dアニメーション専業の実態より高めに出ます。担当工程ごとの実額は「担当・役職で年収はどう変わる?」で確認してください。
全体の平均年収(月収換算・手取り)
求人ボックスの493万円を月換算すると約41万円。これは求人票ベースの提示額であり、出来高制フリーランスの実際の受取額とは異なります。
JAniCA2023アンケート調査では中央値422.5万円、文化庁2026調査では中央値400万円。ボリュームゾーンは300〜500万円台で、監督クラスの上位層が平均を引き上げている分布です。
そのため、手取りは月収の70〜75%になります。月収35万円前後の場合、手取りは24〜26万円前後です。担当工程が何かを確認しない限り、単体の平均値は判断材料になりません。
年代別の年収推移
JAniCA2023調査によると、20代前半154〜196万円→50代前半614万円という分布で、若年層が極端に低い。出来高制の動画マンが20代に集中しており、月収数万円台の新人が平均を押し下げています。
30代前半で365〜446万円という幅があるのは、出来高制フリーランスと月給制社員が同じ年代に混在するためです。同じ年齢でも固定給の会社に入っているかどうかで、実際の手取りは大きく変わります。
担当・役職で年収はどう変わる?
担当工程によって年収は3倍以上開きます。動画263.2万円から始まり、原画399.8万円、作画監督574.9万円、監督クラスは787万円。同じアニメーターでも、どの工程を受け持つかで生活水準がまるで違ってきます。
動画と原画は1枚いくら・1カットいくらの出来高制が基本で、月の収入が描いた量で決まります。作画監督から先は1話単位の固定報酬や月給制が増え、収入のムラが小さくなります。
動画マン
動画マンの平均年収は263.2万円。アニメーターの中で最も低い水準です。
報酬は出来高制が基本。1枚200〜350円(2024年から350円に上昇)が現在の相場です。下請け会社所属だと管理費引かれて1枚150円のケースも残っています。
1日中描いて15枚で日給3,000円が一つの目安です。チェックやリテイクで時間が削られると、描いた枚数がそのまま収入に反映されません。
新人時代の月収は会社で大きく違います。月給5万円(制作会社・動画担当)、月給9万円、月給10万円+出来高、寮住みで家賃食費を引かれて手取り2万円。業界全般で言われる新卒動画マン月給20.87万円・年収150-200万円という数字は、こうした幅のある事例を平均したものに過ぎません。
一方で、スタジオマスケットの新卒月給22-25万円、アルボアニメーションの月給26.75万円のように、固定給制を採用する会社もあります。動画マン時代の年収を見て業界全体を判断するより、どの会社に入るかを調べた方が実態に近いです。
原画マン
動画マンから2-3年(以前は3-5年)で原画マンへ昇格すると、平均年収は399.8万円まで上がります。
仕事は1カット2,000-5,000円の単価ベース。月60カット程度が目安で、月収12-30万円のレンジに収まる人が多くなります。大手(東映アニメ・ボンズ・WIT STUDIO等)では新人月給23-27万円スタート、住宅手当・賞与ありの社員雇用枠もあります。一方、約90%がフリーランス契約・60%が完全請負制という調査もあり、同じ原画マンでも雇用形態の幅は大きく分かれたままです。
原画は受注先と作品で単価がはっきり分かれます。鬼滅の刃クラスの人気作では丸2日かかるカットでも単価4,000円というケースも報告されており、難度の高いカットを抱える時期は時給ベースで考えると動画マン時代より厳しいことも。どの制作会社のどのラインに入るかで月収が決まる工程です。
作画監督
2009年頃の作画監督1話30万円が、現在は80〜120万円に達しています。動画マンや原画マンと比べて単価の伸びが大きく、ここ数年で待遇改善が最も進んだポジションです。
平均年収は574.9万円。1話あたり25〜50万円が標準的な相場で、最近は80〜120万円の事例も目立ち、グロス案件では160万円超の報告もあります。年複数作品担当で600万円超に届きます。
Netflix案件は1話80万円以上の報酬例もあり、配信プラットフォーム発注の作品では水準が一段上がります。
ただし仕事内容は原画修正・全体の画質管理担当。1日に何枚描けるかではなく、複数の原画マンが上げてきた絵を統一感のある画面に揃える工程です。作画監督は個人の作画スピードより管理・判断力が問われる立場で、原画マンの延長線上ではなく、別の業務に移る節目になります。
演出
担当業務はカットの表現指示・カメラワーク設計・音響との調整で、絵を描く工程とは性質が違います。1話の構成や演出方針を決める立場で、作画スタッフへの指示書を作る役割です。単価は1話16-22万円が相場帯。
演出は監督への準備工程にあたるポジション。複数作品を演出助手として経験後、メイン演出・シリーズ構成へと進む流れが多くなります。作画監督より単価は下がります。その分、作画工程から離れ、長時間の手作業からは解放されます。
キャラクターデザイナー
キャラクターデザイナーの収入は正社員換算で年収350-500万円が目安です。雇用形態によって幅が大きいポジションです。
フリーランス案件では月額64万円超の単価例もあり、年収換算で776万円に届くケースも報告されています。1作品ごとに契約する形が多く、人気シリーズ担当でグッズロイヤリティが加わる場合も。ヒット作1本で次の指名が増え単価が引き上がるため、作画監督や演出と違って次の作品で年収が倍になる進み方もあり得ます。
3DCGアニメーター
3DCGアニメーターはエントリー年収240万円から始まり、経験者で351-600万円のレンジ。たとえばCygamesの求人で年収400万円、ドローンショー3DCG等の専門案件は480-780万円、ディレクター・マネジメント職になると700万円超まで届きます。
ゲーム業界の3DCGレンジは300-550万円。手描きアニメーターの動画マン263万円や原画マン399万円と比べて、エントリー段階の月給水準が高い求人が多く出ています。
さらに、3DCGは正社員雇用の求人が多く月給制が主流。手描き工程に多い出来高制と違って、月の収入が描いた量で上下しません。
アニメーターの給料が低いと言われる理由
アニメ産業の世界市場は3兆円規模に達しているのに、現場のアニメーターに届くお金は年収263.2万円から。市場の数字と現場の手取りに大きなギャップが生まれています。
このギャップを生んでいるのは、製作委員会方式・多重下請け・出来高制・買い手市場という慣行です。市場の収益が現場に届くまでに、複数の段階で差し引かれていく仕組みがあります。
製作委員会方式で制作費が現場に届きにくい
テレビアニメ1話あたりの制作費は1,500万〜3,000万円。Netflix制作費は1話5,000万〜1億円、Amazon Prime 4,000万〜8,000万円と配信プラットフォームの予算は数倍規模です。
この制作費は制作会社にそのまま入りません。日本アニメの大半は製作委員会方式で作られており、出資企業(出版社・テレビ局・配信プラットフォーム等)がDVD・配信・グッズ収益を優先取得する仕組みです。委員会方式はリスクを分散できる一方、制作会社は委託費の範囲でしか動けない立場に置かれます。
たとえばヒット作の版権収益が制作会社に戻らない、という問題が業界で長く語られてきました。作品が大ヒットしても、続編やグッズで儲けるのは出資側。制作会社は次の仕事を取り続けることで存続するしかなく、現場のアニメーター単価を上げる原資が手元に残りません。
アニメ制作会社の約30%が赤字経営という調査もあります。会社自体が黒字化に苦労している状況で、現場の人件費に回せる余力は限られてきます。
多重下請けで中間マージンが差し引かれる
制作会社に届いた委託費も、そのまま現場のアニメーターには届きません。
日本のアニメ制作は元請け→1次下請け(グロス請け会社)→2次下請け→海外スタジオの多層的な発注で動いており、発注のたびに中間マージンが差し引かれます。元請けが受注した金額の何割かは、各層の会社の運営費・利益として留保されるため、末端の動画スタジオに届く金額は元の制作費から大幅に減ります。
そのため、この外注前提の発注形態は、各社にとって正社員雇用が難しく外注依存が常態化する原因にもなっています。固定の人件費を抱えるリスクを避けて、案件ごとに業務委託で動画マンを集める方が会社側にとって身軽だからです。
新人が安定した固定給で働きにくい環境は、業界全体の癖として根付いています。
出来高制で新人時代の収入が伸びにくい
動画単価は1枚200-350円(2024年から350円が標準に)。新人が描ける枚数は月300-400枚が目安と言われています。
たとえば、300枚×200円=月収6万円という計算になります。
下請け会社所属だと管理費が引かれて1枚150円まで下がるケースもあり、その場合は月収4万5,000円前後。固定給制を採用する一部スタジオに入れない限り、最初の数ヶ月は枚数が出ない上に単価も低い、という二重の壁にぶつかります。
描くスピードが上がるまで数年かかるため、新人時代はアルバイト併用も多いのが現実。出来高だけで暮らそうとすると最初の2〜3年が一番きつい時期です。
志望者が多く買い手市場になっている
大手制作会社の採用枠1つに、志望者からの応募が数十倍〜数百倍集まります。
専門学校・美術系大学から毎年大量輩出される新卒供給過多が続き、若手アニメーター候補は常に余っている買い手市場。そのため会社側は単価を上げなくても次の応募者が来ると計算でき、新卒で抜けてもすぐ補充できる環境では、現場側からの単価交渉が通りにくくなります。
もっとも、離職率が高く業界に残るのは一握り。新人の入れ替わりは激しくても、低い単価のまま新陳代謝が回るため、給料の底上げが起きにくい構図が残ります。
給料以外の労働環境の問題(長時間労働・休日・離職率)については、アニメ業界はやめとけと言われる理由で詳しく解説しています。
アニメーターの給料は改善している?
ここ2〜3年で、業界の待遇は確かに動いてきました。動画単価の引き上げ、社員雇用への切り替え、業界団体の発足。一方で、新人時代の収入が劇的に変わったかというと、まだ道の途中です。
JAniCAの2023年調査では、アニメーターの平均年収が前回調査から15万円ほど上昇し、全産業平均との差が縮まる動きが見えます。15年前の作画監督1話30万円・原画単価3,800円という相場と比べると、現在の作画監督1話80〜120万円、原画単価8,000円という水準は3〜5倍の伸び。中堅以上は確実に稼げる職種です。
新人動画マンの年収263.2万円という底は、あまり動いていません。
動画単価が2024年から1枚350円に上がったとはいえ、月300〜400枚を描き切れない新人時代は月収6万〜10万円台に沈むケースが多く、業界に残るかどうかの最初の関門は今も厳しいままです。
変化が見えやすいのは、大手スタジオと海外配信案件です。
Netflixの1話制作費は5,000万〜1億円、日本のテレビアニメは1話1,500万〜3,000万円と、海外配信プラットフォームの予算は数倍。この資金が現場に流れるルートでは、作画監督1話80万円超の事例も目につきます。もちろん、メーカー傘下の制作会社では契約社員化が進み、初任給25万円前後・福利厚生・交通費別途という条件で募集を出す会社もあります。
制度面の動きも具体化が進んでいます。
2023年4月に設立された一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)は、2024年11月に全国5都市でアニメータースキル検定の第1回試験を実施し、約350人が受検。
株式会社CloverWorksはスタッフの大半を正社員雇用に切り替え、完全出来高制を見直して22時退社可能な制作体制を整えました。サイバーエージェントグループの株式会社CA Soaは2025年1月に新設され、制作フローへのDX導入を掲げて始動しています。
新人時代の厳しさは今も残りますが、社員雇用と単価アップの動きで、これから業界に入る人が選べる会社の幅は広がりつつあります。
雇用形態で収入はどう違う?
雇用形態でアニメーターの年収は大きく変わります。正社員・契約社員なら年収180〜718万円、フリーランスなら229〜651万円。同じ仕事量でも、固定給か出来高制かで月の収入の安定度も上限もまるで違ってきます。
雇用(正社員・契約社員)の場合
正社員・契約社員のアニメーターの年収は180〜718万円で、出来高に固定給を組み合わせた給与設計が中心です。
新人クラスの月給は、東映アニメ・ボンズ・WIT STUDIO等の大手で23-27万円スタートが目安です。住宅手当や賞与も付くケースが多く、大手制作会社では新卒月給26万円の事例も。
そのため固定給で生活が安定し、社会保険は完備。会社側が研修や案件を回してくれるため、新人時代に収入がゼロになるリスクも避けられます。上限は決まっています。トップ層の年収だけ見れば、フリーランスのほうが上に伸びやすい数字が出ます。
フリーランス(業務委託)の場合
フリーランス(業務委託)のアニメーターの年収は229〜651万円で、純出来高制が中心です。
たとえば原画マンの約90%がフリーランス契約と言われ、そのうち約60%が完全請負制で働いています。1カット○円という単価で報酬が決まるため、描いた枚数がそのまま月の手取りに反映される働き方です。
新人時代は単価も処理スピードも上がらず、生活費を別途確保が必要になる水準にとどまる例があります。
実力がついて単価の高い作品に呼ばれるようになれば、年収1,000万円を超えることも可能です。スケジュール管理から営業まで自分で回せる凄腕アニメーターになると、年収1,000〜1,500万円のレンジに到達する例もあります。社会保険・年金は自己負担で、残業代や深夜手当という概念もありません。繁忙期にカットを大量にこなした翌月、閑散期に作業量が激減して収入のムラが大きく出る働き方です。
伸びしろは上に開いている代わりに、足元の収入は読めません。社会保険の自己負担と閑散期の収入減を自分で抱えられるかが、フリーで動く前に確認したいところです。
年収が高い制作会社はどこ?
制作会社別の年収は、東映アニメーションと他社で大きく分かれます。東映アニメーション全社員平均年収813万円(2024年3月期有価証券報告書)が突出しており、ufotable・京アニ・MAPPA・A-1 Picturesは口コミベースで東映の半分以下の水準が中心です。
数字の出方には注意があります。東映アニメーションは上場企業のため有価証券報告書で実数が公開されています。一方でufotable・京都アニメーション・MAPPA・A-1 Picturesの親会社アニプレックスは非上場で公的データがなく、OpenWork等の口コミ集計値しか参照できません。
5社はヒット作の制作実績と給与情報の参照可能性で選びました。有報で実数を確認できる東映アニメーションと、口コミ集計値しか参照できない4社を並べて比較します。
東映アニメーション
東映アニメーションは全社員平均年収813万円(2024年3月期有価証券報告書)。アニメ制作会社の中では群を抜いた水準です。
ドラゴンボール・ワンピースなど自社IPを保有しており、営業利益の7割が版権ビジネスから生まれている点が高年収の土台。業界全体が出来高制と多重下請けで現場の収入が伸びにくい中で、東映アニメーションは正社員採用枠を持ち、安定した雇用環境を維持しています。賞与・社会保険・住宅手当などの制度も整っており、新卒入社の動画マンの月給は業界大手水準でスタートします。
平均年収800万円超には総合職・管理職・プロデューサー職なども含まれている点には注意がいります。アニメーター職単体で見れば、新人時代は業界相場とそれほど大きく離れない水準でスタートし、原画・作画監督と昇格していく中で年収が積み上がっていく形です。それでも採用枠の競争率は高く、入口のハードルは厳しい部類に入ります。
ufotable
非上場のため、公的データがありません。鬼滅の刃やFate/stay night UBW等のヒット作を作り続けてきた看板スタジオですが、年収の実数は有報のような形で確認できません。
口コミでは年収250万円台〜中堅層という範囲の声が中心です。ヒット作の収益が現場のアニメーターの給与にどこまで反映されているかは外からは見えにくく、業界の中ではホワイト評価する声と低年収を訴える声が混在している会社です。たとえば鬼滅の刃クラスの人気作でも、丸2日かかるカットの単価が4,000円という証言があり、ヒット作=高収入とは限らない実態がうかがえます。
MAPPA
MAPPAはOpenWork平均約350万円(口コミ集計)で、内訳は基本給276-360万円・残業代0-60万円・賞与7-40万円という構成です。年1回賞与・年1回昇給という人事制度で、現場アニメーター職の年収は東映アニメーションのような大手と比べると見劣りします。
MAPPAはチェンソーマンで100%単独出資に挑戦するなど、自社IP戦略を進めている点が他のスタジオと異なる動きです。製作委員会方式に依存せず単独出資すれば、ヒット時の版権収益が直接スタジオに戻ります。これが現場の処遇改善につながるかどうかは、これからの数年の動き次第。
職種別ではプロデューサー職550-600万円程度といった求人例があり、OpenWork全社平均は300万円台にとどまります。新人時代の収入の厳しさは他の制作会社と共通する一方、プロデューサーや上位職に進めば伸びしろがあると言える会社です。
京都アニメーション
京都アニメーションは業界の中で最も早い時期に正社員月給制を導入したスタジオとして知られています。多くの制作会社が出来高制中心で運用されてきた中、月給制の導入は大きな選択でした。
口コミベースでは年収250〜380万円台が中心で、金額の絶対値だけ見れば突出して高いわけではありません。
一方で、不安定な歩合ではなく月給で生活設計が組める点、原画や作画に長期で集中できる環境が整っている点が、長期就業向けの会社として評価されてきた理由。新人時代に月収が読めない出来高制とは前提が違う働き方です。
A-1 Pictures
A-1 Picturesはアニプレックスの子会社で、ソニーミュージックグループ傘下に入る制作会社です。アニプレックスは非上場のため有価証券報告書はありませんが、ソニーミュージックグループ全体の給与水準は業界でも高い部類に入ります。
ただし、A-1 Pictures単体では制作職新卒年収300万円台が中心(口コミ)で、現場アニメーターの初年度年収は業界相場と大きくは変わりません。もっとも、正社員登用率が高めの採用方針で、固定給で生活が安定する設計。出来高制で月収が激しく上下するフリーランス契約と比べれば、新人〜中堅期の安定感は段違いです。
親会社アニプレックスとのグループ連携で、ヒット作の制作機会と版権周辺の収益が回ってきやすい立ち位置にある点も、長期で在籍するメリットになります。
アニメーターが年収を上げるには?
動画263.2万→原画399.8万→作画監督574.9万。同じアニメーターでも、担当工程・所属先・契約形態が変われば、年収は2倍以上の差になります。
担当工程を上げる、大手や配信系へ移る、ゲーム・広告など隣接業界へ移る、フリーランスとして単価を交渉する、キャリアフェーズで雇用形態を切り替える——それぞれ必要な準備も収入の伸び方も異なります。
作画監督・演出へキャリアアップする
動画から原画への昇格は、以前は3〜5年が目安でしたが、今は2〜3年で上がるケースも増えています。原画マンになると単価1カット2,000〜5,000円、月60カット程度こなせれば担当別セクションの原画マン水準が見えてきます。
その先に演出と作画監督。作画監督の単価は1話あたり25〜50万円が相場の目安です。最近は担当別解説で触れた通りグロス案件で大幅に上回る事例も増え、年複数作品を回せれば年収500〜700万円に届きます。
監督・プロデューサーへ進めば、年収700〜1,000万円超のレンジも視野に入ります。
社内で昇格枠が空かない場合は、作監クレジットが増えている制作会社への転職でキャリアアップを狙う方法もあります。
大手制作会社や配信系企業に転職する
中小と大手では、同じ原画マンでも年収100万円以上の差が出ます。Netflixをはじめとする配信系の案件は、外注単価も社員待遇も高めに設定されており、担当別セクションで触れた作画監督の高単価案件が特に目立ちます。
大手の採用はポートフォリオの完成度で決まります。得意な動きやキャラクター表現が一目で伝わる構成が前提です。
実際に面接まで進んだ人の話を読むと、提出物の枚数より「この人にこのカットを任せたい」と思わせる作品があるかどうかが問われています。志望先のテイストに寄せた1〜2作を厚めに見せる準備が効きます。
ゲーム・広告など関連業界に転職する
アニメ制作会社の外に出て関連業界へ転職すると、収入レンジは一気に広がります。
- ゲーム大手の2Dアニメ・モーションデザイナー: 年収400〜700万円
- Cygamesのアニメーター求人: 担当・役職セクションで示した3DCGアニメーターのエントリーレンジ内
- コンセプトラボの3DCGアニメーター: 300〜720万円
そのため応募の幅を広げたいなら、AfterEffectsや3DCGの操作を覚えるのが効きます。広告系の映像プロダクションへ転職する場合、短尺映像やモーショングラフィックスの需要があり、アニメーター出身者の動きの設計力が評価されやすい領域です。
フリーランスで単価交渉する
単価交渉の源泉になるのは、クレジット実績の積み重ね。有名作品の原画クレジットが履歴に並び始めると、次の発注で単価を上げる余地が生まれます。
スタジオ所属の段階から、外部のディレクターや別の制作会社との接点を作っておくのが効きます。社内の仕事だけで完結すると、独立後に取引先がゼロからになりがちです。
そうした準備を積んでから海外案件まで視野に入れると、1話100万円以上のギャラが提示される例もあります。担当別セクションで確認した配信系の高単価事例と同様で、実績と人脈が積み上がってから初めて届くレンジです。
キャリアフェーズで雇用形態を切り替える
新人〜2-3年目で安定を重視するなら、社員雇用・固定給制度の会社を選ぶのが堅い選択です。出来高制で収入が読めない時期は、社会保険や毎月決まった振込があるかどうかが、生活の土台を支えます。
そこで中堅以降、原画マンに昇格すると話が変わってきます。実績と人脈次第で、フリーランスへの移行が選択肢に入ります。クレジット実績10本以上、有名作の原画担当経験といったあたりが、独立を考えるタイミングの目安です。
社員雇用の拡大と契約社員化が同時に進んでおり、新人を社員で抱える会社は以前より増えています。社員のまま外部のディレクターや別スタジオとの接点を作っておき、独立後も発注が来る状態で移行するパターンが増えています。
アニメーターの転職で頼れるエージェントは?
年収を上げたいと思っても、求人サイトを開いては閉じてを繰り返すうちに時間だけが過ぎる。アニメ業界の求人は、表に出ている情報だけでは判断材料が不足しがちです。動画単価・固定給比率・残業実態といった現場の数字は、求人票には書かれていないことがほとんどです。
業界に強い転職エージェントを通せば、非公開求人と年収交渉の代行が一気に手に入ります。Netflix・配信系の作画監督案件や、東映アニメ・MAPPAなどの社員雇用枠は、エージェント経由でしか案内されない求人が含まれます。年収交渉は自分でやると遠慮してしまう人ほど、第三者を通したほうが本来の評価額に近づきます。
エージェントの選び方は、別記事で詳しく解説しています。
▶ 【2026年版】アニメ業界に強い転職エージェントおすすめ12選!職種別の選び方も解説
まとめ
アニメーターの年収は、担当工程・雇用形態・所属会社の3つが連動して決まります。動画マン263万円でも、大手スタジオに社員雇用で入れば300万円台に届き、作画監督に上がれば500万円超が見えてきます。どの要因から変えられるかによって、次の打ち手は変わります。
ひとりで判断材料を集めようとすると時間がかかります。アニメ業界に詳しい転職エージェントに無料で相談すれば、現在の自分が市場で評価される水準と、非公開の求人情報を一度に確かめられます。まず登録して、今の実績がどの求人レンジに届くかを確認してみてください。