アニメ業界の職種一覧!制作側と製作側の違いや絵が描けなくても入れる仕事を解説
アニメ業界に入りたいが、アニメーターや声優以外にどんな職種があるかわからない。絵が描けない自分にどこから入れるのか、求人票を眺めていても入口を一本に絞れないままです。
業界の職種は制作側(スタジオ)と製作側(メーカー)の2種類に大別されます。どちら側を目指すかで求められる経験がまるで違い、制作スタジオには絵を描かない職種のほうが多いのも実態です。
絵が描けなくても制作進行・音響・ビジネス職など入れる職種は複数あります。この記事で制作側か製作側か・どの職種から入るかを絞れたら、次はエージェントへの相談に進んでみてください。
この記事の内容
制作側と製作側の違い
MAPPA、ufotable、Production I.G。作品のエンドロールで名前を見たことのあるスタジオです。一方でアニプレックス、東宝、KADOKAWAも、同じアニメに必ず名前が並びます。前者は映像を作る会社、後者はお金を出して権利を持つ会社です。
同じアニメ業界でも、作る会社と出資する会社は分かれています。この2層のどちらに入るかで、就く職種も求められる人も変わってきます。
アニメスタジオ(制作側)の仕事
制作側とは、作品の映像を実際に作る会社のことです。京都アニメーション、MAPPA、ufotable、Production I.G、ボンズ、CloverWorks、A-1 Pictures、WIT STUDIO。視聴者が作品名とセットで覚えているスタジオの多くが、この制作側にあたります。
会社の規模は数十人から数百人。主な職種はアニメーターと制作進行で、絵を動かす人と、その進行を回す人が現場の中心になります。
とはいえ、1社ですべてのカットを作りきる現場はまれです。大手スタジオでも、元請けが受けた仕事を2次請け・3次請けへ振り分ける多層の下請けが当たり前で、1本のアニメは複数のスタジオが分担して仕上げます。エンドロールに知らない会社名がいくつも並ぶのは、この分担があるためです。
アニメメーカー(製作側)の仕事
製作側は映像を作りません。企画を立て、出資し、権利を管理し、販売する会社です。アニプレックス(ソニー系)、東宝、KADOKAWA、東映アニメーション、バンダイナムコフィルムワークスがここに入ります。
たとえば複数の企業が資金を出し合う「製作委員会」というスキームでは、製作側がその委員会に参加して版権を押さえます。版権を持つ権利者なので、アニメが売れれば売れるほど収益が上がるのは制作側ではなく製作側のほうです。グッズ、配信、海外展開で作品が伸びるほど、出資した側に利益が戻ってきます。
その頂点にいるのがアニプレックスです。製作委員会の参加企業は「アニプレックスかそれ以外に二分される」とも評される最大手。もっとも、映像を作らずに作品の利益を最大限に受け取れる立場には、それ相応の狭き門が控えています。
どちらを目指すかの分かれ目
では、自分はどちらを目指せばいいのでしょうか。分け方はシンプルです。絵や映像づくりという、ものを作る現場に立ちたいなら制作側。企画やビジネスでアニメを動かしたいなら製作側になります。
好きなことが「作る」のか「売る・動かす」のかで、入る側が変わります。
もっとも、製作側は年収や安定で有利な反面、難関大学が前提になりやすい入口です。誰にでも開かれているわけではありません。このあと紹介する職種を、自分が制作側を見るのか製作側を見るのか、その目で読み進めてください。
プリプロダクションの職種
アニメは企画から放送まで2年半〜3年かかり、1クール12〜13話を作るのに数年単位の時間が動きます。その期間の前半、まだ絵が一枚も動いていない段階で作品の方向を決めているのがプリプロダクションの職種です。放送のずっと前に動き出し、どんな作品にするかという設計図を引く工程で、ここには絵を描かずに作品全体を動かす道が並びます。
脚本家・シリーズ構成
脚本家の仕事は、原作の漫画や小説をアニメの尺に合わせてシナリオに作り替えることです。原作の何話分を1話に収めるか、どの場面を削ってどの場面を膨らませるか、放送時間に合わせて物語を組み直していきます。原作のセリフをそのまま使えるわけではなく、映像で見せる前提で書き起こす作業です。
ここで全話の脚本の方向をまとめる役割がシリーズ構成です。各話の脚本家がバラバラに書くと話のトーンや伏線がずれるため、最終話までの流れを設計して全体を統括します。入り方は二つあり、制作会社に就職して経験を積む道と、シナリオコンクールでデビューする道があります。一方で、どちらも作品の数が限られるため席は多くありません。
プロデューサー
プロデューサーと一括りにされがちですが、実際は企画プロデューサーと制作プロデューサーの2種に分かれます。肩書きは同じでも、立っている位置が違います。
まず企画プロデューサーは、出版社などの原作元と企画を交渉し、出資企業を取りまとめて作品を立ち上げる役割です。どの原作をアニメ化するか、誰がお金を出すかという、放送のはるか前の段階を仕切ります。
一方で、制作プロデューサーが見るのはスケジュールと予算です。決まった企画を実際に動かすため、納期と費用が破綻しないよう現場を回していきます。作品を立ち上げる人と、作品を完走させる人で、受け持つ仕事がはっきり分かれています。
演出
演出は、1話分の画づくりと芝居の設計を担当します。脚本で決まった内容を、どのカメラ位置で、どの間合いで、どう動かして見せるかを1話単位で組み立てる仕事です。
監督が作品全体を見るのに対し、演出は受け持った話数の中で判断を下します。担当範囲が1話に絞られるぶん、画づくりの判断を実地で積めます。そのため演出は監督への登竜門と位置づけられ、ここで実績を重ねた人が監督に上がっていきます。
美術監督
美術監督は、背景美術の全体を統括して作品の空気感を統一する責任者です。キャラクターではなく、背景に映る場所や建物、景色のほうを受け持ちます。
実際の動きとしては、作品の世界観に合う街並みや建築、自然環境の参考資料を集めるところから始まります。そのうえで美術ボードを描き、背景の色調や光の方向、雰囲気を監督に提案して方向を決めていきます。各話で背景を描く担当者が増えても、絵のトーンがぶれないよう基準を握っているのが美術監督です。世界観の見え方を背負う、背景側の基準を握る人です。
監督
監督の手元にあるのは絵コンテです。脚本から起こした絵コンテで、カットの割り方や画面の構成、芝居の流れまで作品全体を一枚一枚設計していきます。自分で完成画を描く職種ではなく、作品をどう見せるかを決める職種です。
作画の担当者や演出が出してきた画は、最後に監督が判断します。これでいくか、直すかを決める最終地点が監督の席です。もっとも、その席に座れるのはごく一部で、制作会社のキャリアの頂点に数えられるポジションです。
キャラクターデザイナー
キャラクターデザイナーは、担当作品のキャラクターの外見・表情・衣装を設計する職種です。原作にある絵を、アニメとして大量に動かせる形に落とし込みます。
たとえば実際の作業では、まず監督やプロデューサーと原作のイメージをすり合わせます。どの程度原作に寄せるか、線をどこまで簡略化するかを話し合い、そのうえで表情や角度を一覧にしたキャラクターシートを制作します。
このシートが、各話で絵を描く全スタッフの基準です。誰が描いても同じ顔・同じ衣装になるよう、判断の物差しを一人で作ります。絵を描く力が前面に出る職種ですが、求められるのは個人の作品ではなく、全員が共有できる設計図のほうです。
プロダクションの職種
30分アニメ1本で、原画は300枚ほど、動画になると3500〜4000枚が描かれます。この枚数を1本ごとに描き起こし、色をのせ、背景と合わせ、最後に1枚の映像へまとめる。プロダクションはその実制作のフェーズで、絵を描く人だけでなく、絵を描かない人にも入口が開いています。
撮影(コンポジット)
撮影は、描き上がった絵や背景、CGの素材を1枚の画面に重ね、色味や光、エフェクトを加えて映像として仕上げる工程です。フィルム時代の名残で撮影と呼ばれますが、いまはAdobe After Effectsなどのソフトでデジタル合成を行います。
絵を描く力は問われません。素材を受け取って画面を組み立てる役割なので、絵が描けなくてもアニメの制作現場に入れる職種の代表格です。ただし、光や色の見え方への感覚と、ソフトを使いこなす技術は問われます。
作画監督
作画監督は、複数のアニメーターが描いた原画の絵柄や動きを1本の作品として整える役割です。キャラクターの顔や体型が描き手ごとにぶれないよう、線を修正していきます。
原画の上に立つポジションのため、自分で高い水準の絵を描けることが応募の条件です。絵が描けるかどうかが入口を分ける職種で、業界でも数が少ない枠です。1話あたりの修正量は膨大で、納期前は手元の枚数が積み上がります。
アニメーター
アニメーターは、キャラクターや背景以外の動くものを線で描き起こす職種です。動きの起点と終点を決める原画と、その間をつなぐ動画に分かれ、多くは動画から始めます。
厚労省の職業情報(令和7年版)では平均年収497万円という数字が出ていますが、これは長く続けた人を含めた平均です。駆け出しの動画段階は枚数単価で報酬が決まる現場が多く、絵を描いて食べていく道は容易ではありません。
CG・3Dアニメーター
CG・3Dアニメーターは、MayaやBlenderといったソフトで立体のモデルを動かす職種です。メカや群衆、カメラワークなど、手描きでは枚数が膨れ上がる場面で使われます。
手描きの線ではなく3Dソフトの操作が中心になるため、入口は手描きアニメーターとは別です。ところが、動きを自然に見せる感覚は手描きと共通していて、コマごとのポーズを地道に詰める点は変わりません。映像系の専門学校やゲーム開発から流れてくる人も少なくありません。
色彩設計・仕上げ
色彩設計は作品全体の色のルールを決める役割で、仕上げはその指定に沿って1枚ずつのカットに色をのせていく工程です。デジタル化が進み、いまは専用ソフトで塗りと管理を行います。
仕上げは未経験から入りやすいポジションです。実際には、決められた色を膨大なカットに正確にのせ続ける集中力が要ります。色彩設計まで上がると、光や時間帯ごとの色の見え方を設計する判断が問われ、作品の印象を左右する位置です。
背景美術
背景美術は、キャラクターが立つ場所そのものを描く職種です。街並み、教室、空。1枚の絵としての完成度が求められ、絵を描く力が入口の条件です。
とはいえ、求められる絵の種類はアニメーターと違います。動きではなく、空間と質感を1枚に定着させる力です。動くキャラクターを描くのが好きな人と、風景を描き込むのが好きな人は、必ずしも重なりません。
制作進行
制作進行は、絵を描かずにアニメの制作現場へ入る最も広い入口です。各工程の素材が期日までに上がるよう動き、原画や背景、撮影の間を回って物理的に素材を運び、進み具合を管理します。求人は未経験可が多く、月給23〜28万円、年収300〜400万円あたりが一つの目安になります。
体力だけはある、という未経験者が応募する代表的な職種でもあります。もっとも、現場で効いてくるのは絵の技術より忍耐力です。やめていった人は数えきれないほど、というのが長く現場にいる人の実感です。
とはいえ、入れることと続けられることは別です。話題作に関われるのはごく一部で、大半は名前を聞いたこともない作品を必死に作り、それが人知れず消えていきます。キラキラしたイメージで入ると削られます。それでも制作進行は、絵が描けない人がアニメの制作現場に立てる、いちばん開かれた職種であり続けています。
ポストプロダクションの職種
映像が一通り出来上がってから、そこに音と声を載せる。ポストプロダクションは制作工程の最後に位置する作業です。絵が動くだけのフィルムに、セリフ・効果音・BGMが重なって、ようやく一本のアニメが仕上がります。ここで動くのは、絵を描く人ではありません。
編集(映像編集)
上がってきたカットを並べ、一本の流れにつなぐのが編集です。ただ素材を順番に置く作業ではなく、各カットの尺をコンマ秒単位で削り、テンポを作っていきます。
セリフが終わる間。次のカットに切り替わる瞬間。視聴者が感じる緊張感や間は、この尺の調整から生まれます。BGMや効果音、セリフのタイミングに合わせてカットをつなぐため、音の担当者とのやり取りも欠かせません。
たとえば同じ会話シーンでも、カットを切り替える位置を半秒ずらすだけで、間延びにも緊迫にも転びます。撮影(コンポジット)が映像にエフェクトや合成を加える工程なのに対し、編集はカットの順番と尺を決める工程です。同じポストプロでも、受け持つ素材がまったく異なります。
アニメだけでなくテレビ・CM・映画まで横断して活躍する映像編集者の仕事内容やキャリアは、以下で詳しく解説しています。
▶ 映像編集者とは?仕事内容・年収・なり方などくわしく解説!
音響監督・効果音
「音響監督」と「効果音担当(SE)」は別の職種です。ひとくくりにされがちですが、現場での役割が分かれています。
実際に、音響監督は録音スタジオで声優の演技をディレクションします。セリフの言い回し、感情の出し方、しゃべるスピード。映像に合わせて演じる声優に、一つひとつ指示を出す。
声優のお芝居における監督と言える立場です。担当範囲はそれだけにとどまらず、キャスティングやスケジュール調整、音響予算の管理にまで及びます。
一方、効果音担当が作るのは、足音・扉の開閉・剣のぶつかる音といった作品内のあらゆる音。BGMと効果音を組み合わせ、場面ごとの感情を音で設計していきます。
絵は一切描きません。それでも作品が怖いか、温かいか、緊張するかは、この音の設計でほとんど決まります。声優以外にも、音に関わる入口がある。その代表がこの裏方の職種です。
声優
声優はアニメ業界でもっとも知名度の高い職種です。表に出るイメージと現場の実態は、かなり離れています。
もっとも、アフレコ現場で声優が立つのは画面の外。スタジオのマイクの前で、流れる映像を見ながら声だけを当てます。華やかな収録風景を想像して入ってくる人ほど、この地味さに面食らうことになります。
アニメ1作品への参加機会は狭く、ほとんどの場合は声優事務所への所属が必要です。事務所に入れず、入っても役が回ってこない人は珍しくありません。声優は、人気の高さと参加機会の狭さが極端に開いた狭き門です。
絵が描けなくても入れるビジネス職
絵が描けないのにアニメ業界へ入れるのか。制作スタジオの中を見ると、絵を描かない部署のほうが実は多いです。人事・経理・総務・技術・営業と、直接絵を描く部署よりそれ以外の部署のほうが数のうえでは多く、製作側に目を移すと、絵に触れない職種はさらに広がります。
ここで言うビジネス職とは、スタジオ側で作品を回す進行管理の仕事ではなく、製作側で作品をお金や商品に変える仕事を指します。プロデューサーという肩書きでも、現場を仕切る側と権利を動かす側では職域が分かれています。
宣伝・マーケティング
宣伝・マーケティングは、完成した作品をどう世の中に届けるかを設計する仕事です。放送前のPV公開、SNSでの情報解禁、書店や配信サービスとのタイアップ、声優イベントの告知まで、視聴者が作品に触れる入口をまとめて組み立てていきます。求められるのは絵心ではなく、どの層にどの順番で情報を出せば話題が広がるかという読みの感覚です。
実際に、配信や出版、グッズといった複数の窓口を同時に動かす場面が多く、社内外の調整がそのまま成果に直結します。アニメが好きでも絵は描けないという人にとって、作品との距離がもっとも近い入口になりやすい職種です。
ビジネスプロデューサー
ビジネスプロデューサーは、製作側で資金とリターンの設計を担当する仕事です。複数の企業が資金を出し合う製作委員会のスキームを動かし、どの企業がいくら出資し、配信・グッズ・海外展開の収益をどう分けるかを決めていきます。スタジオ側で原画や撮影の進行を回すプロデューサーとは、職域がまったく異なります。
出資判断は数字とリスクの世界であり、作品愛だけで動く仕事ではありません。アニメ製作の世界では、製作委員会に加わる企業はアニプレックスかそれ以外かで二分されると業界誌で語られるほど、出資の規模が会社の立ち位置に直結します。お金の流れを冷静に読める人に向いた職種です。
ライセンス営業
キャラクターをお菓子のパッケージに使いたい、アパレルとコラボしたい、コンビニのキャンペーンに登場させたいといった引き合いが来ると、使用範囲やロイヤリティの条件を詰めて契約をまとめていきます。それがライセンス営業の仕事です。絵を描く力ではなく、権利という見えない資産をいくらで、どこまで貸し出すかを判断する目が成果を分けます。
たとえば一本のヒット作が出ると、文具・食品・ゲーム・観光と引き合いが一気に増え、どの相手と組むかで作品のブランドそのものが変わっていきます。次に説明するグッズ・イベント担当が権利を使って自社で商品やイベントを作るのに対し、ライセンス営業は権利を社外へ貸し出す側に立ちます。同じ版権ビジネスでも、向いている方向がまるで逆です。
グッズ・イベント担当
フィギュアやアクリルスタンドの企画、原作再現の小物、展示会や上映イベントの設計。ファンが財布を開く接点をかたちにするのが、この職種の仕事です。グッドスマイルカンパニーやバンダイナムコ、ムービックといったメーカーが、この領域で動く代表的な企業です。
ライセンス営業が権利を外へ貸し出すのに対し、グッズ・イベント担当は権利を内側で使って売上に変えます。どの作品のどのキャラを、いつ、どんな形で出すかという判断が、そのまま会社の収益につながっていきます。絵を描く技術はいりません。問われるのは、ファンが何にお金を払うかを見抜く判断力です。
未経験からアニメ業界に入りやすいのはどの職種?
制作進行は未経験OKの求人が複数出ています。一方、製作側のアニプレックスは早慶以外からは難しいと言われる難関で、同じアニメ業界でも入口の難易度はまるで違います。絵が描けるかどうかより、制作側と製作側のどちらを狙うかで、応募できる窓口の広さが変わってきます。
未経験から入りやすい職種
未経験の窓口が最も広く開いているのは制作進行です。求人サイトにはアニメーション制作会社の募集が複数並び、未経験可と明記された案件も見つかります。学歴や絵の技術ではなく、現場を回す体力とスケジュール感覚が見られる職種で、業界経験ゼロからの応募を受け付けている募集もあります。
一方で、制作進行のほかにも絵を描かずに入れる職種は広がっています。グッズの製造、聖地巡礼やコラボの企画、ファンコミュニティの運営といった間接職種は、アニメそのものを作るのではなく、作品を世の中に届ける側の仕事です。版権営業や宣伝、MD(マーチャンダイジング)も、絵の技術を入口の条件にしません。
そうはいっても制作進行は、入りやすさと続けやすさが一致しない職種でもあります。未経験で入れる代わりに離職も多く、話題作に関われるのはごく一部にとどまります。入口の広さとその先の長さは、まったく別の問題です。
専門スキルや下積みが要る職種
同じアニメ業界でも、入口の前に技術や下積みを求められる職種があります。原画マンや動画マンは、応募の段階で一定の作画力を見られます。3DモデラーやVFXアーティストは、BlenderやMaya、Adobe Creative Suiteといったツールを扱えることが前提で、未経験の肩書きだけでは窓口に届きません。
一方で、製作側の難関企業には、もう一段ちがう壁があります。版権ビジネスやプロデューサー職を抱えるアニプレックスのような会社は、早慶以上のレベルが目安と言われ、新卒採用でも狭き門です。出資側として作品の収益を受け取る立場にあるため、応募者が集まりやすく倍率も上がります。
アニメーターを夢に描く人は多くいます。とはいえ、絵だけで食べていける席はごくわずかで、未経験から短期間でたどり着ける入口ではありません。絵が描けないなら描けないなりに、むしろ選べる職種が多くなります。それがこの業界の逆説です。
職種を絞ったら情報収集を深める
入口の難易度がここまで違うと、闇雲に応募しても空回りします。制作側の制作進行から入るのか、製作側の版権や宣伝を狙うのか、まず狙いを1つに定めることが先決です。狙いが定まれば、見るべき求人も、磨くべき準備も自然と絞れてきます。
そこで頼りになるのが、業界に詳しい第三者の目です。アニメ業界は求人の出方も給与水準も独特で、総合求人サイトだけでは制作会社と製作会社の違いすら見えにくいです。狙う職種を決めたら、どのエージェントが自分の入口に合うかを確認しておくと、相談先の選択に迷わずに済みます。
▶ 【2026年版】アニメ業界に強い転職エージェントおすすめ8選!職種別の選び方も解説
まとめ
制作側と製作側では、入口準備の種類が根本的に異なります。制作スタジオは未経験OKの求人が出る一方、版権を持つ製作側の大手は難関大学卒が目安になる狭き門です。同じ「アニメ業界を目指す」でも、どちらを狙うかで必要な準備がまったく変わります。
アニメ業界の職種は、絵を描く制作側のスタジオから、版権やビジネスを受け持つ製作側のメーカーまで幅広くあります。アニメーターや声優だけが入口ではなく、制作進行や宣伝、グッズ・イベント担当など絵の技術を問わない職種も複数あります。
自分の志向が制作側か製作側かを先に絞ると、見るべき求人と磨くべき準備が自然と決まってきます。
よくある質問
アニメ業界は何業種に分類されますか?
映像情報制作・配給業に分類されます。
日本標準産業分類では、アニメ制作スタジオも版権・出資を受け持つメーカーも同じ映像情報制作・配給業の区分に収まりますが、企業によっては出版業や情報通信業に分類されることもあります。
絵が描けなくてもアニメ業界に就職できますか?
はい、絵を描かない職種のほうが数の上では多いほどです。
制作側では制作進行・撮影(コンポジット)・色彩設計の仕上げ工程が、製作側では宣伝・ライセンス営業・グッズ担当などが絵の技術を入口の条件にしていません。
制作進行は未経験でも続けられますか?
入れることと続けられることは別で、離職率が高い職種です。
ただし、素材の受け渡しや進行管理を現場で回す体力と段取り力が問われ、長期間働き続けるには、仕事への向き不向きを早めに確認しておく必要があります。
▶ アニメ業界はやめとけと言われる理由とは?向いている人の特徴など解説!
アニメの製作会社(メーカー)と制作会社(スタジオ)はどちらが年収が高いですか?
製作会社のほうが年収水準は高い傾向にあります。
版権を持ち作品の収益を受け取る側の製作会社は大手メディア系列が多く、賃金水準が上がりやすい一方、制作スタジオは中小規模が多く職種によって報酬の幅が開きます。