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VTuber事務所ランキング!大手・中堅の規模別比較と契約条件で選ぶ18社

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VTuber事務所を探すとき、まず見るのがランキングの順位です。にじさんじ・ホロライブの二強を頂点に、大手・中堅・Vライバー特化の3層で18社が並んでいます。どこに応募するかを絞るなら、この規模の序列がまず手がかりになります。

ただし、ランキング順位が高い事務所がそのまま自分に合う事務所とはかぎりません。にじさんじとホロライブは常設オーディションを停止中で、未経験から応募できる窓口は中堅・Vライバー特化に偏っています。さらに、事務所ごとに収益分配率・配信ノルマ・退所時のアバター権利の条件が異なり、これらは規模の序列とは別の軸で手元に残るものを変えます。

18社を規模別のティアで並べ、契約条件の確認ポイントもあわせて掲載しています。応募先を1社に絞る判断材料として使ってください。

この記事の内容

VTuber事務所ランキング18社一覧

ランキングの上位は、規模がそのまま序列に出ます。所属タレント数・知名度・上場区分という三つの規模を総合すると、頂点はにじさんじとホロライブの2社でほぼ固定されます。一方で、規模が近い中堅は公開データだけで優劣を決めきれません。そこで本記事では、順位がはっきりつく上位は順位を示し、データが揃わない事務所は規模ティアでまとめる形で18社を並べます。

ランキングの基準は規模で決まる

順位は、知名度の体感ではなく事業の規模で決めています。比較記事の多くも所属数や上場区分といった規模で序列をつけており、体感より数字のほうが追いやすいためです。

たとえば上場区分は分かりやすい指標になります。にじさんじを運営するANYCOLORは2022年6月に東証グロースへ上場し、その後プライムへ市場変更しました。所属タレント数も序列に直結し、上位2社は数百名規模のタレントを抱えています。

下の表に18社を並べました。事務所ごとに規模ティア、運営会社、応募条件、オーディションの状況を横に置いています。

事務所規模ティア/ジャンル運営会社応募条件オーディション状況
にじさんじ大手・YouTube総合ANYCOLOR株式会社公開なし常設停止中・VTA候補生形式
ホロライブ大手・女性アイドルカバー株式会社18歳以上・日本居住者不定期開催
ホロスターズ大手・男性総合カバー株式会社公開なし不定期開催
ぶいすぽっ!中堅・FPS/eスポーツ株式会社バーチャルエンターテイメント公開なし不定期開催
ななしいんく中堅・音楽/バラエティ/ゲーム774 inc.公開なし公開情報なし
Neo-Porte中堅・ゲーム配信株式会社Neo-Porte公開なし約2年ぶりに再開
あおぎり高校中堅・学園系/ショート株式会社viviON公開なしREALITYと共同開催
のりプロ中堅・クリエイター主導株式会社のりプロ公開なし公開情報なし
.LIVE中堅・老舗総合株式会社アップランド公開なし公開情報なし
神椿中堅・音楽レーベル型株式会社THINKR公開なし公開情報なし
Re:AcT中堅・ゲーム配信株式会社mikai公開なし公開情報なし
RIOT MUSIC中堅・音楽特化/VSinger株式会社RIOT MUSIC公開なし公開情報なし
Palette Project中堅・バーチャルアイドルENILIS Inc. / jig.jp公開なし新体制移行直後
VOMS project中堅・個人プロデュースGYARI個人運営公開なし不定期開催
Balus中堅・XR/3Dライブ特化バルス株式会社公開なし公開情報なし
RazzプロダクションVライバー特化・IRIAM株式会社BET16歳以上・月10日以上・合計30時間以上常時応募可
Kalanプロダクション男性専門Vライバー・IRIAM株式会社BET16歳以上・月15日以上・月50時間以上常時応募可
Lapis LiveVライバー特化・IRIAM株式会社Lapis Live月40〜50時間以上・半年継続常時応募可

大手はにじさんじ・ホロライブとその男性グループ、中堅はジャンルで個性が立つ12社、IRIAM系は未経験の入口になるVライバー特化の3社です。応募先をどのティアから選ぶかで、最初に向き合う条件は変わってきます。

1位にじさんじ・2位ホロライブ(大手2社)

にじさんじとホロライブは、所属タレント数・知名度・資本力のどれでもほかを大きく引き離しています。順位をはっきりつけられるのもこの頂点までで、3位以下は規模が近く横並びになります。

1位のにじさんじを運営するANYCOLORは東証プライム上場で、所属タレントは葛葉や壱百満天原サロメら238名を擁します。2位のホロライブを運営するカバーは東証グロース上場で、宝鐘マリンや星街すいせいら女性タレント68名に加え、男性グループのホロスターズ22名(2024年8月時点)を抱えます。国内で株式上場しているVTuber事務所はにじさんじ・ホロライブにとどまり、資本力でも頭一つ抜けています。

にじさんじ 公式サイト
にじさんじの基本情報
運営会社ANYCOLOR株式会社(東証プライム上場)
規模・ジャンル所属238名・YouTube総合
応募の入口常設停止・VTA候補生形式
公式サイトhttps://www.nijisanji.jp/
ホロライブ 公式サイト
ホロライブの基本情報
運営会社カバー株式会社(東証グロース上場)
規模・ジャンル所属68名・女性アイドル系
応募の入口不定期開催(18歳以上・日本居住者)
公式サイトhttps://hololive.hololivepro.com/

なお、ホロスターズはホロライブの姉妹グループで、夕刻ロベルやアステルらが在籍しています。男性で配信規模を広げたい場合、ホロライブ本体のリスナー層からの流入が見込める点が他の男性事務所との違いです。そうした規模とブランド力を背景に、志望者の間でまず名前が挙がるのがにじさんじとホロライブです。

ホロスターズ 公式サイト
ホロスターズの基本情報
運営会社カバー株式会社
規模・ジャンル所属22名・男性総合
応募の入口不定期開催
公式サイトhttps://holostars.hololivepro.com/

にじさんじを運営するANYCOLORへの就職・新卒採用の実態が気になる場合は、こちらに選考の詳細がまとまっています。

ANYCOLORの新卒就職難易度は高い?倍率・学歴・選考の実態と突破準備を解説

中堅12社は規模ティアでグループ化

中堅の12社は所属数や知名度が近く、公開データだけで厳密な優劣をつけられません。そこで順位ではなく、規模ティアのグループとして規模や知名度の大きい社から並べます。応募条件を公開していない社が多く、入口はオーディションのタイミング次第になります。

たとえば規模で先に来るのは、ぶいすぽっ!とNeo-Porteです。ぶいすぽっ!は株式会社バーチャルエンターテイメントが2020年に立ち上げ、2026年3月時点で25名が在籍しています。

橘ひなのや胡桃のあを看板に、FPS・バトルロイヤル系の配信が中心で、有明アリーナでの大型eスポーツイベント開催やVTuber最協決定戦での優勝経験があります。

ぶいすぽっ! 公式サイト
ぶいすぽっ!の基本情報
運営会社株式会社バーチャルエンターテイメント
規模・ジャンル所属25名・FPS/eスポーツ
応募の入口オーディション+研究生制度
公式サイトhttps://vspo.jp/

株式会社Neo-PorteはBrave groupとの統合を経て0期生から6期生まで21名を擁し、YouTube・Twitch合計の登録者は400万人を超え、約2年ぶりにオーディションを再開しました。Re:AcTは株式会社mikaiが直近で経営陣を交代し、新体制でTwitchのゲーム配信に注力しています。

Neo-Porte 公式サイト
Neo-Porteの基本情報
運営会社株式会社Neo-Porte(Brave group)
規模・ジャンル所属21名・ゲーム配信
応募の入口約2年ぶりに再開
公式サイトhttps://neo-porte.jp/
Re:AcT 公式サイト
Re:AcTの基本情報
運営会社株式会社mikai
規模・ジャンルゲーム配信(Twitch中心)
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://www.v-react.com/

ジャンルの色がはっきりしているのが、ななしいんく、あおぎり高校、のりプロです。774 inc.が2018年に立ち上げたななしいんくはミュージック・バラエティ・ゲーミングの3区分にタレントを配置し、応募時に自分の強みをどの枠に当てるかが見えやすい体制です。

ななしいんく 公式サイト
ななしいんくの基本情報
運営会社774 inc.
規模・ジャンル音楽/バラエティ/ゲームの3区分
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://www.774.ai/

株式会社viviONが運営するあおぎり高校は2025年10月にTOKYO MXで地上波冠番組を開始し、REALITYと共同オーディションも実施しました。学園設定とショート動画で再生数を伸ばしています。株式会社のりプロが運営するのりプロはプロデューサー自身がクリエイターという点が他社と異なり、イベント企画からグッズ・音楽制作まで内製しています。

あおぎり高校 公式サイト
あおぎり高校の基本情報
運営会社株式会社viviON
規模・ジャンル学園系/ショート動画
応募の入口REALITYと共同開催
公式サイトhttps://www.aogirihighschool.com/
のりプロ 公式サイト
のりプロの基本情報
運営会社株式会社のりプロ
規模・ジャンルクリエイター主導・内製型
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://noripro.jp/

神椿とRIOT MUSICは音楽寄りの色が強い事務所です。株式会社THINKRが運営する神椿は花譜や理芽を看板にぴあアリーナMMでワンマンライブを開催し、事務所というより音楽レーベルに近い形で動いています。配信頻度より楽曲リリースとライブが軸で、ゲーム配信やバラエティは前提に入っていません。

神椿 公式サイト
神椿の基本情報
運営会社株式会社THINKR
規模・ジャンル音楽レーベル型(花譜・理芽)
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://kamitsubaki.jp/

RIOT MUSICは2022年7月にBrave groupからスピンオフして設立され、音楽活動に集中できる環境を整え、既存VTuber向けのサポートプロジェクトRIONECTIONも並行で展開しています。

RIOT MUSIC 公式サイト
RIOT MUSICの基本情報
運営会社株式会社RIOT MUSIC
規模・ジャンル音楽特化/VSinger
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://riot-music.com/

残る4社は運営の形が一社ずつ異なります。株式会社アップランドの.LIVEは電脳少女シロらVTuber黎明期からのタレントを抱える老舗で、ぶいぱいの合流を経て勢力を広げました。ENILIS Inc. / jig.jpが共同運営するPalette Projectは歌・ダンス中心のバーチャルアイドルで、共同運営体制への移行が直近で完了し、初期メンバーのポジションが空いている段階です。

.LIVE 公式サイト
.LIVEの基本情報
運営会社株式会社アップランド
規模・ジャンル老舗総合(電脳少女シロ ほか)
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://appland.co.jp/
Palette Project 公式サイト
Palette Projectの基本情報
運営会社ENILIS Inc. / jig.jp
規模・ジャンルバーチャルアイドル
応募の入口新体制移行直後
公式サイトhttps://paletteproject.jp/

VOMS projectはGYARI氏の個人プロデュースで2019年9月に発足し、法人ではないため楽曲提供やデザイン監修まで一人が関与しています。バルス株式会社が2017年に立ち上げたBalusは有料配信プラットフォームSPWNを自社で持ち、VR・AR・3DCGを使ったXRライブを内製しているため、3Dライブ志望者の選択肢では他社が並びにくい立ち位置です。

VOMS project 公式サイト
VOMS projectの基本情報
運営会社GYARI個人運営
規模・ジャンル個人プロデュース
応募の入口不定期開催
公式サイトhttps://voms.net/
Balus 公式サイト
Balusの基本情報
運営会社バルス株式会社
規模・ジャンルXR/3Dライブ特化(SPWN運営)
応募の入口公開情報なし
公式サイトhttps://balus.co/

中堅・新興のVTuber事務所(Neo-Porte、Brave group系も含む)への就職・転職難易度を確認したい場合は、こちらが参考になります。

株式会社STPRに入社するには?転職難易度・評判・やばいと言われる理由を解説!

Vライバー特化3社(IRIAM発)

スマホ配信アプリIRIAMを土台にしたVライバー特化の3社は、常時応募を受け付けている点で大手・中堅と立ち位置が違います。配信ノルマの下限が応募条件として明示されており、応募前に必要な配信時間が読めます。

株式会社BETが2021年2月に立ち上げたRazzプロダクションは累計1500名以上をサポートしてきたIRIAM最大手で、応募条件は16歳以上・月10日以上かつ合計30時間以上の配信です。デビュー時のイラスト無償提供、デビュー前講習会、配信ノウハウ資料、担当者との面談まで、オンラインのサポートが揃っています。

Razzプロダクション 公式サイト
Razzプロダクションの基本情報
運営会社株式会社BET
規模・ジャンルIRIAM最大手・累計1500名以上
応募の入口常時応募可(16歳以上から・IRIAM最大手)
公式サイトhttps://razz.jp/

同じ株式会社BETが2025年に発足させたKalanプロダクションは男性キャラクター専門で、応募条件は16歳以上・月15日以上かつ月合計50時間超です。配信時間の下限はRazzより厳しめですが、Razzの配信ノウハウを継承しています。

Kalanプロダクション 公式サイト
Kalanプロダクションの基本情報
運営会社株式会社BET
規模・ジャンル男性専門Vライバー
応募の入口常時応募可(Razzより配信時間の下限が重め)
公式サイトhttps://kalan.pro/

配信ノルマが最も重いのが株式会社Lapis Liveが運営するLapis Liveで、2025年3月時点で400名超が活動しています。応募条件は月40〜50時間以上の配信を半年間継続と置かれ、イラスト無償提供やチャットサポートに加えてバックオフィス面の支援体制も整えられています。

Lapis Live 公式サイト
Lapis Liveの基本情報
運営会社株式会社Lapis Live
規模・ジャンル所属400名超・IRIAM
応募の入口常時応募可(3社で最も配信ノルマが重い)
公式サイトhttps://lapislive.com/

どちらも常時応募を受け付けており、大手や中堅のように募集のタイミングを待たずに応募できます。未経験から始める人にとって、最初の入口になりやすい立ち位置です。

大手・中堅・Vライバー特化の規模別の違い

応募フォームを探す段階で、中堅とVライバー特化の事務所には窓口が開いていますが、大手では閉じています。同じVTuberを目指しても、規模によって応募できるタイミングがまるで違います。

大手は倍率が高く常設オーディションが止まっている

にじさんじを目指して公式の応募フォームを探しても、誰でも出せる常設オーディションの入口は閉じています。今はVTA(バーチャル・タレント・アカデミー)の候補生として一度育成を受け、そこからにじさんじ所属としてデビューする形が主流です。応募できるのは候補生の募集が出たタイミングに限られます。

常設を止めた背景には、デビュー後の規模があります。同時接続が平均1万人を超えるタレントが並ぶ事務所では、新人ひとりにも企画・配信技術・コンプライアンスの体制が前提になり、選んだ人を一定期間かけて育ててから世に出す形のほうがブランドを保ちやすくなります。

常設で誰でも通せば応募は膨れ上がる一方、デビューさせられる枠はそのつど数えるほど。ホロライブも事情は近く、オーディションは不定期での開催にとどまり、次がいつ開くかは公表されていません。

倍率そのものの数字も、どちらの事務所も公表していません。大手から動き出すなら、候補生やオーディションの募集がいつ開くかを待つところから始めることになります。

中堅はジャンル先行で応募できる

中堅はジャンルで選ぶと迷いません。

eスポーツで戦いたいなら、FPSの実力者が大会出場や実況を中心に活動するぶいすぽっ!です。応募窓口はオーディションのほかに研究生制度もあり、勝てる腕や大会で映える実況力ほど評価されます。

音楽やバラエティ、ゲームを横断したいなら、5つのグループが統合して規模を広げたななしいんくが受け皿になります。学園系のノリやショート動画なら、「VTuberあるある」で認知を広げたあおぎり高校が近く、REALITYとの共同オーディションという入口も開いています。

各社が「誰を伸ばせるか」を絞っているため、応募する側もジャンルを先に決められます。FPSが武器か、歌か、企画の瞬発力か、手持ちの強みがそのまま応募先を絞り込む材料になります。

Vライバー特化は間口が広く段階的に目指せる

IRIAMのようなVライバー特化のプラットフォームは、個人勢として今日から配信を始められる間口の広さがあります。求人票でも、配信日数と時間の下限を満たせば常時応募できる枠が出ており、未経験でも入口に立てます。選んで育てる大手と違い、まず数多くの配信者に場を渡して伸びた人を後から見つける形のため、常設で受け付けられます。

ここで配信時間や同時接続、登録者の推移といった実績を積んでおくと、後の面接で見せられる数字になります。もっとも、大手のスカウトは今も止まったままです。

それに対し小規模・新設の事務所は所属タレントを増やす段階にあり、個人勢の伸びを見て声をかけることがあります。目安は3〜6ヶ月ほどの実績継続です。特化で数字を作り、中堅へ移り、最後に大手へ挑むという段階の踏み方ができます。

ただし配信環境は運営側がそろえても、数字が伸びる保証まではありません。間口が広いぶん、見せられる実績を作れるかは本人の配信しだいです。

契約条件で損しないVTuber事務所の選び方

配信者志望の周辺で、育成プロジェクトと称した契約金の請求が実際に起きています。正規の事務所は応募者からお金を取りません。応募する人が事務所にお金を払う仕組みそのものが、外すべき相手の目印になります。規模の序列で上位を選んでも、契約書の条件しだいで手取りも退所後に残るものも変わります。

退所時のアバター権利を契約前に確認する

辞めた瞬間、自分のキャラが使えなくなる。これがアバターの権利を事務所側に置いたまま契約した場合に起きることです。退所と同時にアバターの著作権が事務所に残り、見た目もキャラ名もリセットされ、別人として再スタートになります。積み上げてきたファンとのつながりも、引き継げないままほどけていきます。

ただし例外もありました。元ななしいんく所属の周防パトラは、協議の末にチャンネルや楽曲を含む権利一式をローンで買い取り、フリーへ転身しています。これは異例で、誰でも交渉次第で持ち出せるわけではありません。

買い取りに応じるかは事務所の方針しだいで、金額も含めて折り合うとは限らず、応じないほうが多いと見ておく状況です。交渉に頼れない以上、辞めたあとに何が手元へ残るのかは、入る前に交わす契約書がそのまま決めることになります。

退所後に誰がそのキャラを使えるのか、契約書のアバター権利帰属の条項を面談で必ず確かめておきます。

収益分配と配信ノルマで手取りが変わる

Kalanは報酬還元率100%でマージンを取らない方針を掲げています。一方で、契約ごとに数十%が事務所の取り分になるところもあります。同じ月の配信時間で手元に残る額は、この差だけで大きく変わります。

還元率が高いほど自分に残りますが、その分サポートは薄くなります。配信量が多い人ほど還元率の差が手取りに効き、サポートを求める人ほど取り分の少なさが見合うこともあります。加えて、配信ノルマも額面に直結します。

前に触れたVライバー特化各社のように月の配信日数や時間に下限が設けられている事務所では、ノルマを満たせるかどうかで稼働そのものが左右されます。同じ稼働でも、分配率とノルマの組み合わせで手取りは大きく動きます。

金銭を要求する事務所を外す

応募者からお金を取る事務所は外して問題ありません。

手口はおおむね決まっています。一次面接で職業、年収、貯蓄額を順に聞かれ、二次面接で経験がないとどこも受からないと言われ、そこで育成プロジェクトへ誘導されます。勧められた料金は2年でおよそ40万円というケースが知恵袋でも報告されています。

判断する時間を与えないために、今日中に契約しなければ無かったことにする、と急かしてきます。冷静に比べさせない進め方そのものが、まともでない相手のサインです。

正規の事務所は所属する人から受講料や契約金を取りません。お金の流れは逆で、配信や案件で生まれた収益を事務所と本人で分け合う形になります。だから入口で受講料や登録料を求められたら、条件を読み込むまでもなく、その時点で候補から外せます。

VTuber事務所に所属するメリット

個人勢として始めると、配信に必要なものはほぼ全部を自分で揃えることになります。企業勢なら、配信できる環境さえ整えば残りは運営が用意します。同じVTuber活動でも、デビューまでに自分が抱える負担の量はこの一点で大きく変わります。

機材とアバター制作を運営が用意する

個人勢はLive2Dや3Dモデルの制作費を自腹で出し、立ち絵をイラストレーターに発注し、マイクやキャプチャ機材も一式そろえます。配信ソフトのセッティングやトラブルの切り分けも、ひとりで調べて覚えるしかなく、動き出すまでにお金と時間の両方を先に払う格好です。

これが事務所に所属すると、ほとんど消えます。モデル制作や機材の手配は運営側が進め、配信者は声と企画に集中できます。初期費用を前払いせずにデビューできるケースもあります。ただし制作費を事務所が負担するぶん、アバターの権利が誰に残るかは契約しだいで、これは後の項目で詳しく確認します。

アバターが実際にどう動くのか、配信技術・機材の仕組みを詳しく知りたい場合は、こちらで解説しています。

VTuberの仕組みとは?アバターが動く技術をわかりやすく解説

ファンベースが先輩から流れてくる

企業勢のデビューでは、所属発表と同時に数千〜数万人の登録者がつくケースがあります。事務所のファンと先輩配信者の視聴者が、新人の初配信枠に流れ込む構造があるためです。

個人勢の初配信は同時接続がひと桁、チャンネル登録者ゼロからが普通で、SNS告知と日々の配信で視聴者をひとりずつ積み上げていくしかありません。デビュー初日に手持ちの視聴者数が何桁違うかは、最初の3か月の伸びに直接影響します。

案件と炎上対応を運営に任せられる

企業タイアップの広告案件が来たとき、事務所所属なら窓口が運営にまとまります。配信者は条件を直接やりとりせずに済み、事務所内のコラボも日程と内容を運営が調整します。事務所によっては契約交渉や税務面のサポートまで運営に任せられるところもあります。

こうした後ろ盾は、個人で活動していると一切ありません。案件の条件確認も確定申告も自分でこなし、トラブルが起きれば一次対応まで抱え込むしかありません。連絡先や住所がどこかで漏れ、ストーカー被害につながった事例も実在します。炎上が起きたときも、火種への返答や謝罪の判断を、ひとり深夜に決めることになります。

VTuber事務所オーディションの応募手順

応募者が詰まるのは、フォームを送る瞬間ではありません。書類が通ってオンライン面談に呼ばれた後、何を聞き、何を確認すればいいのか分からないまま当日を迎えてしまう人が多くいます。応募の入口より、通過後の判断のほうが難しくなります。

オーディション情報の探し方

新メンバーの募集は、公式サイトのオーディションページと公式Xの2か所に出ます。多くの事務所が公式サイトで募集を開催し、その告知が公式Xにも流れる形です。定期的に実施するところと、随時応募を受け付けるところがあります。

また、すでに活動実績やフォロワーがある人には、事務所側から声がかかるスカウトという経路もあります。大手は停止中ですが、小規模・新設を中心にYouTubeやTikTok、Xでの再生数が多い配信者へ連絡が来ることがあります。

前述のとおり常設を止めた事務所もあるため、募集は不定期です。気になる事務所の公式サイトと公式Xはブックマークし、告知が出たタイミングを逃さないようにしておくと動きやすくなります。

応募から所属までの流れ

応募フォームを送ると、まず書類審査があります。ここを通過するとZoomなどのオンライン面談に進み、合格後はLive2Dモデルや配信機材の準備に入り、自己紹介配信でデビューという順序です。事務所によって自己紹介動画やボイスサンプル、簡単な配信実技を求められることもあります。

契約条件を応募者の側から確認できるのは、オンライン面談の場だけです。ここで聞かなかった条件は、後から書面に残りません。合格の高揚感のなかで書類の確認に集中してしまい、条件を聞き逃したまま所属後に気づく例があります。

所属前に必ず確認する5項目

オンライン面談に進んでも、何を聞けばいいのか分からないまま当日を迎える人は少なくありません。たとえば、やむを得ず辞めるときに費用が発生するかどうかは、入る前に確かめておきたい点です。こうした聞きそびれやすい項目を、面談前にまとめておきます。

面談で確認しておきたい項目は、次の5つあります。

  • 活動ジャンルや配信スタイルが、自分のやりたい方向と合っているか
  • 配信機材やLive2Dモデルの提供、動画編集スタッフの有無といったサポート体制
  • 男女混合か女性専用かといった所属タレントの構成
  • やむを得ず辞めるときに費用が発生するか、その条件
  • 運営会社の継続性(直近で運営を続けられているか)

5つ目に運営会社の継続性を挙げたのには理由があります。VTuber事務所は解散することもあり、実際に、usabit.は2024年1月に解散、ZERO Projectは2022年11月、AVATAR 2.0 Projectは2024年5月に運営を終えました。代表者が連絡を絶って運営が止まった事例もあります。

所属先が活動を続けられる運営かどうかは、デビュー前に見ておきたい点です。

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まとめ

VTuber事務所選びは、所属タレントの人気や事務所のブランドではなく、契約条件レベルで決めるほうが後悔が少なくなります。事務所により幅がある配信ノルマ、収益分配率、退所時のアバター権利、契約金や授業料の有無を、面談時に必ず確認してください。

「他では受からない、すぐに契約しろ」と急かす事務所や、VTuber検定のような実在しない講座で受講料を取る事務所は避けて構いません。契約金がないと受からない一般事務所はありません。

配信者志望ならまず、RazzプロダクションやLapis Live・KalanプロダクションなどVライバー特化の事務所から常時応募を試すか、IRIAMで個人配信の実績を積んでからオーディションに臨む段階的なルートがあります。

中堅エンタメ系ではぶいすぽっ!・ななしいんく・あおぎり高校が定期的に募集を開いています。大手のにじさんじ・ホロライブは常設停止中のため、オーディション告知が出るまで公式サイトをブックマークして待つことになります。

VTuber業界にキャリアとして関わることに関心があるなら、配信者ではなくスタッフやマネージャーとして事務所を支える道もあります。

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