VTuberスタッフ

VTuberスタッフとは?仕事内容・職種・年収・なり方を解説

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VTuberスタッフとは、配信者(演者)ではなく事務所の事業を回す裏方の職種です。マネージャー・ディレクター・モデラー・エンジニア・事務の5職種があり、求人票では職種名ごとに募集が立てられています。

事務・運営系は未経験から応募できる枠があり、技術系は実務経験3年以上が中途採用の標準です。正社員と業務委託では担当できる業務範囲も変わるため、自分の前職経験がどの職種に当たるかを確認してから応募先を絞ります。

この記事では5職種の仕事内容・採用ハードル・年収・契約形態の違いを解説します。

この記事の内容
  1. VTuberスタッフの主な職種
    1. マネージャー
    2. ディレクター・プロデューサー
    3. モデラー・デザイナー
    4. エンジニア
    5. 事務・運営スタッフ
  2. VTuberスタッフになるには
    1. 職種別の未経験ハードル
    2. 関連業界からの転職パターン
    3. スクールで学べるのは配信者技術のみ
    4. インターンと長期アルバイトでの入り方
  3. 業務委託と正社員の違い
    1. 正社員と業務委託で担当できる業務の範囲
    2. 業務委託で多いトラブル
    3. 中小事務所の正社員採用の現実
  4. VTuberスタッフの年収
    1. 職種別の年収レンジ
    2. 上場2社の平均年収
    3. 中小事務所・スタートアップの収入実態
  5. VTuberスタッフのきつい部分
    1. 演者の素顔・私生活を一切外に出せない
    2. 深夜・休日対応が前提になる配信業務
    3. 委託タレントが指示通りに動かないケース
    4. 演者と関わりたい動機だけでは続かない
  6. 応募前に確認したいVTuber関連企業の見分け方
    1. 会社の事業実態を求人票と公式サイトで見る
    2. 求人票の不自然さを確認する
    3. 演者・社員の入れ替わり頻度を見る
    4. 業務委託契約書で確認すべき条項
  7. VTuberスタッフに関するよくある質問
    1. VTuberファンであることは採用に有利か
    2. フリーランスでもVTuber関連の仕事を受けられるか
    3. 専門学校に行かないとVTuber業界に入れないか
    4. VTuberスタッフの平均的な労働時間はどれくらいか
    5. VTuberの素顔を知る機会はあるか
  8. まとめ

VTuberスタッフの主な職種

転職軸では、現場で実際に募集が出る職種を起点にした方が動きやすいです。マネージャー、ディレクター・プロデューサー、モデラー・デザイナー、エンジニア、事務・運営スタッフの5職種に絞って解説します。

マネージャー

タレントマネージャーは、所属VTuberのスケジュール管理、ロケやイベントへの同行、外部企業との打ち合わせ参加までを引き受け、演者の一番近くで業務を回します。カバー株式会社のキャリア採用枠でもタレントマネージャー職が公募されており、配信者と外部のあいだに立つフロント業務が中心です。

業務の性質上、演者本人と最も距離が近い職種です。実際にこの近さに惹かれて、推しのそばで働きたいという動機で応募する人が一定数現れます。ただし現場で求められるのは、タレントに厳しいことを直接伝える場面で引かない姿勢です。スケジュールが詰まりすぎているとき、発言の方向性が炎上に向かいかけているとき、本人に伝えにくいことを伝えるのが仕事の一部に含まれます。

もっとも、ファンとして応援する動機をそのまま業務に持ち込むと、タレント側に同調しすぎてマネジメントが機能しません。前職で芸能・モデル事務所のマネージャーをしていた経験、あるいは編集プロダクションでクリエイターの進行管理をしていた経験は、この役割で直接評価されやすい職歴になります。

マネージャー職の仕事内容と採用の流れは別記事で扱っています。

VTuberマネージャーになるには?必要スキルや未経験からの目指し方など解説!

ディレクター・プロデューサー

制作進行やディレクターは、プロデューサーが描いた企画を実際の動画やイベントに落とし込む位置にいます。クリエイターやエンジニアを束ね、外部の制作会社や演者と日程を擦り合わせ、最終的なアウトプットまで持っていきます。事務所のIPやイベント、番組企画を形にする役割で、放送制作や映像制作の前職経験が直接評価される職種です。

VTuber事務所のコンテンツ系職種はIPプロデューサー、事務所プロデューサー、制作進行、ディレクター、番組プロデューサー、シナリオライターまで細かく分かれています。テレビ局や映像プロダクションでAD・ADプロデューサーを務めた経験者であれば、使う言語や業務の段取りが共通するため、採用後に説明を省ける場面が多くなります。

映像制作の経験が直接つながる別の職種として、映像編集者の仕事内容も参考になります。

映像編集者とは?仕事内容・年収・なり方などくわしく解説!

モデラー・デザイナー

VTuberのモデル制作費は、2D Live2Dで15〜50万円、3Dモデルになると30〜200万円以上の水準で動きます。1体の制作にこれだけの予算が動くため、モデラーは2DのLive2Dまたは3Dモデルの制作を専門に担当し、グラフィックデザイナーはキービジュアル・グッズ・配信サムネイル制作を引き受けます。

実務で使われるツールはLive2D、VRM、Unity、Substance Painter、Marvelous Designerあたりが中心です。モデル制作は外部委託になるケースが多く、社内モデラーを抱える事務所は少数精鋭の体制で運用しています。一方、グラフィックデザイナーはイベントごとに新規ビジュアルが必要になるため、事務所所属で常時稼働させる形が標準です。

エンジニア

Web開発で10年以上の経験を積んだエンジニアが、VTuber事務所の公式サイト制作案件に接続する動きがあります。VTuber業界のエンジニア職は、フロントエンドエンジニア・サーバーサイドエンジニア・VRエンジニア・Unityエンジニアに分かれます。

GMOペパボの配信画面デザインサービスAlive Studioや、株式会社Blankrが手がけるVTuber向けサービス開発は、このエンジニア群が動かしている領域です。

業務は配信機能の設計、コミュニケーション機能の開発、UI実装、VR映像と音声の技術対応まで多岐にわたります。事務所側のエンジニア募集は限定的ですが、VTuber向けサービス開発会社では別の動きがあります。業界外で積んだWeb開発スキルが、サービス開発会社や事務所のサイト運用案件として接続する枠も出ています。

事務・運営スタッフ

事務・運営の領域は、バックオフィス職とビジネス職に分かれます。バックオフィス職は経営企画・人事・経理、ビジネス職は営業・プロジェクトマネージャー・グッズ担当・イベント担当に分かれます。

たとえば経営企画は事業計画の策定や数値管理が基本業務ですが、VTuber業界ではM&Aで他社の事務所を買収するなどダイナミックな事業判断にも関わってきます。

営業は外部企業との商談に出るのがメインで、自社サービスを企業に売り込む方向と、他社からのオファーを受けてフロント担当として打ち合わせに入る方向の2方向で動きます。前職が一般企業の経営企画・人事・法人営業だった人には、事務系職種が入りやすい枠です。

VTuberスタッフになるには

未経験で入れるかどうかは職種で割れます。技術系は実務経験が問われやすく、マネジメントや事務系は門戸が残されている、という二分が業界内で共有されている見立てです。

職種別の未経験ハードル

ANYCOLOR・カバーの中途求人を眺めると、エンジニア・モデラー・配信ディレクター系の募集要項に実務経験3年以上が複数並びます。経験者向けに書かれた条件で、技術系を未経験で応募できる枠は少ないです。

一方で新卒採用は別ルートが開いています。両社の新卒採用ではビジネス系・クリエイター系・エンジニア系など複数の職種区分で枠が設けられており、新卒に限っては学歴フィルターよりもコミュニケーションと話の理解力が評価軸に据えられます。中途は実務経験が前提、新卒はポテンシャル重視、という違いです。

一方、中小事務所やスタートアップでは事情が異なります。求人数自体は少ないものの、長期インターンや業務委託で半年〜1年関わってから正規雇用に切り替える動線が残っており、上場2社で実務3年を要求される職種にも、規模を下げると未経験で入れる枠が見つかります。技術系で経歴がまだ薄い人には、中小やスタートアップの規模から始める動線があります。マネジメントや事務系であれば、上場2社の中途でも枠はあります。

VTuber事務所への就職難易度を職種別に詳しく解説している記事があります。応募前に採用ハードルの全体像を確認しておくと、戦略の立て方が変わります。

VTuber事務所のスタッフ就職は難しい?難易度の実態と職種別のチャンスを解説

関連業界からの転職パターン

VTuber事務所のスタッフ採用では、近接業界の職歴がそのまま戦力換算されます。アニメ制作会社・ゲーム開発会社・芸能事務所・ライブ配信プラットフォーム・広告代理店の5方向が代表的です。

たとえばアニメ制作会社やゲーム開発会社で制作進行・ディレクターを務めた経験は、VTuber事務所のディレクター・プロデューサー職にそのまま接続します。クリエイターや外部スタジオを束ねながら、企画を動画やイベントに落とし込む業務構造が共通するためです。

実際に、芸能事務所のマネージャー経験者はタレントマネージャー職への横移動がしやすい層です。配信者の生活管理から外部企業との交渉までを一人で回す動き方が、芸能の現場と重なります。ライブ配信プラットフォームでCSや運営を経験した人は、事務所側の運営スタッフ職で評価されやすい層です。広告代理店出身者は、ビジネス職やタイアップ営業の枠で評価されます。

スクールで学べるのは配信者技術のみ

大阪アミューズメントメディア総合学院や東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校など、専門学校のVTuber科で扱われるカリキュラムの多くは、配信者側の技術に重点が置かれています。

裏方スタッフを志望する人には、ここは直接の接点になりません。配信スキルではなく、デザイン・3DCG・プログラミング・ビジネス系の専攻のほうが事務所側の求人要件と噛み合います。

インターンと長期アルバイトでの入り方

ANYCOLOR・カバーが公募しているのは、切り抜き動画編集アルバイト、3Dモデリングアルバイト、英語監修アルバイトといった業務単位の枠です。正社員の中途は実務経験3年が壁になりますが、アルバイト枠であれば学生や未経験社会人にも応募チャンスが残ります。

そのうえで、長期インターンを募集している事務所も一定数存在。学生のうちから関わって業務に慣れ、インターン経由で正規雇用に切り替える動線を取る企業が出てきており、採用側も業界の作法を理解した人材を社内で育てておきたい思惑があります。

とはいえ、地方在住者にとっては東京勤務のアルバイト枠への応募が物理的に難しい問題が残ります。配信編集や英語監修のようにリモート完結する業務であっても、初期は出社確認やオンボーディングのために東京近郊での稼働が前提になることが多く、関東以外から飛び込む場合のハードルは依然として高いです。

業務委託と正社員の違い

VTuber事務所と演者の雇用形式は、個人事業主との業務委託で組まれるのが標準で、企業側が必要に応じて契約解除できる仕組みが選ばれてきました。スタッフ側の働き方も同じ温度感で、業務委託・アルバイトと正社員のあいだに担当範囲のはっきりした線が引かれています。

正社員と業務委託で担当できる業務の範囲

正社員は所属事務所のIP戦略・経営企画・タレントマネジメントなど、事業の根幹に関わる業務に配置されます。事務所のコンセプト設計、収益モデルの組み立て、所属タレントとの関係の積み上げまで、会社の内部で完結する判断は正社員側が握ります。経営企画室長候補や新規VTuberプロデューサーといった上場2社のキャリア採用枠も、ここに該当する正社員ポジションです。

一方で業務委託で募集が出るのはモデル制作・サムネイル制作・切り抜き動画編集といった成果物単位で完結する業務に限られます。納品物の仕様と納期が決まっていて、案件単位で発注と精算が回るタイプの仕事。事務所の経営方針や所属タレントの中長期戦略には基本的にタッチしません。

両者の最も大きな差は情報へのアクセス範囲です。演者の素顔や本名、契約条件、未公開の企画情報は正社員のみがアクセスできる範囲に置かれ、業務委託は契約上アクセスを許されない設計です。秘匿性の管理を業務委託に分散させない方針が、事務所側で運用されています。

業務委託で多いトラブル

業務委託では会社側の指揮命令権が制限されるため、演者・受注側との認識ずれが現場のトラブルとして表面化します。発注側が頻繁に経験するのは、契約上の指示が通らないケースです。スケジュール調整や配信内容の方向性をすり合わせても、相手の判断で動かれてしまい、それでも報酬の支払い義務だけは契約通り発生する、というジレンマが残ります。

担当者の心理的負荷も大きく、生配信を任せたプロジェクトでは炎上リスクと隣り合わせの状態が続きます。配信が炎上せずに終わるたびに安堵を漏らす担当者がいるほど、プロジェクト終了までの緊張は続きます。

一方で受注側のクリエイターやエンジニアが抱えるトラブルは別方向にあります。たとえば成果物の権利帰属が契約書で曖昧なまま納品が走る、支払いサイトが延びる、契約解除の条項が明記されないまま途中で打ち切られる、といった金銭・契約面の問題です。

中小事務所の正社員採用の現実

大量採用をしているVTuber事務所はほとんど存在せず、年間で数名規模の正社員枠を多くの応募者が奪い合う状況が続いています。上場2社・中小を問わず、応募倍率が高くなりやすい採用市場です。

業界自体が10年目に差しかかったばかりで、社内のオペレーションやマニュアルが整いきっていない事務所も少なくありません。そのため、いきなり正社員での採用に踏み切れる体力のある会社は限られています。実際の入口として中小事務所で多いのは、業務委託やアルバイトで半年から1年ほど現場に入って業務に慣れ、そこから正規雇用へ切り替える動線になります。

VTuberスタッフの年収

VTuber業界の年収情報は、会社規模で確度が大きく違います。東証上場のカバー株式会社・ANYCOLOR株式会社は有価証券報告書で平均年収を開示する一方、中小事務所やスタートアップは正社員枠の数字をほぼ公表していません。読み解ける数字と、推計するしかない数字が混在する業界です。

職種別の年収レンジ

VTuber業界で職種別の年収を読み解く起点は、上場2社の有価証券報告書になります。カバー株式会社の平均年収は610万円、ANYCOLOR株式会社は496万円。両社とも全社員平均の値で、職種別の内訳は開示されていません。

ただし、中小事務所・スタートアップは、会社開示が薄く、求人票の月給ベースで推計するしかない状況にあります。タレントマネージャー・グッズ企画・配信ディレクターといったVTuber業界固有の職種について、外部から検証できる相場がない状態です。

技術職(エンジニア・モデラー・3D技術)だけは話が違います。IT業界やCG業界の年収水準がそのまま持ち込まれる職種にあたります。VTuber業界が独自の給与テーブルを持つわけではなく、隣接業界の相場がベースになります。技術職の年収を確認するなら、IT・CG業界の求人票と比較するのが実態に近いです。

上場2社の平均年収

先に挙げた2社の平均年収は、配信ディレクターやマネージャー個人の年収を保証する数字ではありません。両社とも全社員の平均値で、職種別・経験年数別の内訳は有価証券報告書に開示されていません。年収を読み解く際の上限値や標準値として使える数字ではない、という前提が要ります。

エンタメ系上場企業の中で並べると位置づけが見えます。サイバーエージェントは783万円、DeNAは729万円。カバーは両社を下回り、ANYCOLORはさらに低い帯域です。VTuber業界だからといって特別な高給与が出る水準ではありません。

それでもこの2社の数字が、VTuber業界で公的に検証できる唯一の年収データです。

中小事務所・スタートアップの収入実態

開示がない事業者の年収はどう推定するのか。中小事務所・スタートアップは正社員枠の年収を公表しておらず、グループ規模では中堅プレイヤーにあたるBrave group(従業員440名)でも開示がありません。応募側が頼れる材料は、求人票の月給と業務委託案件の単価情報に限られます。

業務委託のモデラーで考えるなら、先のモデラー・デザイナーの節で触れた1体あたりの制作費を、年間受注件数で掛け合わせて逆算する形になります。1体に数十万円から数百万円規模の案件を、年間どれだけ捌けるか。受注本数が読める段階に来ていないと、年収レンジは固まりません。

雇用形態は個人事業主との業務委託が中心で、正社員ポストの席は限られています。

VTuberスタッフのきつい部分

生配信を担当するスタッフは、配信中ずっと炎上リスクと隣り合わせで画面から目を離せません。ファン側から見れば華やかなコンテンツ業界ですが、裏方の実務は秘匿性の高さと配信進行のプレッシャーで組み立てられています。

演者の素顔・私生活を一切外に出せない

VTuber事務所のスタッフ採用では、入社時にNDA(秘密保持契約)の締結と素顔管理規定への同意を求められます。演者の素顔・本名・住居・私生活に関する情報を業務上知る立場にあるため、社内で情報を扱える人数が制限されている形です。

業務で演者と接触したエピソードを、友人や家族にも話せません。SNSの私用アカウントで演者の素顔・本名・私生活を呟いた場合、懲戒事由として扱われる規定が事務所内で運用されています。配信ファンであるほど誰かに自慢したくなる種類の情報を、退職後も含めて抱え込むことになります。

実際に、演者がプライベートの愚痴を業務時間外にスタッフへ話してくることもあります。聞いた側は、それを他のスタッフと共有することも難しく、担当者の独力で抱える話題が増えていきます。

就活相談の場でも、秘匿性の高さは繰り返し出てくるテーマです。採用側は配信スキルより先に、情報を漏らさずに抱え続けられる人材かを採用の判断軸に置いています。

深夜・休日対応が前提になる配信業務

20〜23時台の配信枠に立ち合いが集中しやすく、平日夜と土日に山が来ます。配信ディレクターやタレントマネージャーは、この時間帯に演者と並走するために夜間の立ち合いが組み込まれる職種です。

ただし、毎日深夜残業になるわけではありません。日中に業務が終わる日がほとんどで、夜稼働は緊急トラブル対応や夜間イベントの場合に限られます。多くの事務所でフレックスタイム制が採用されており、配信日に合わせて勤務時間をスライドさせる運用です。

とはいえ、勤務時間が読みにくい職種でもあります。配信枠の急な追加・体調不良による振替・炎上対応で、想定外の夜間出勤が発生します。家族との時間や恋人との約束を平日夜に固定したい人には、向かない働き方です。

委託タレントが指示通りに動かないケース

配信本番中、台本に沿って進行していたタレントがコメント欄の反応に乗って即興で発言を変える場面は頻繁に起きます。事前に読み合わせを済ませていても、コメントの勢いに引っ張られる場面は止められません。

担当者が配信中ずっと画面から目を離せないのは、炎上の火種を踏むかどうかが運営側で制御しきれないためです。配信が炎上せずに終わるたびに安堵を漏らす担当者がいるほど、プロジェクト終了までの緊張は続きます。

運営側だけの責任ではない局面もあります。配信中の発言・行動はVTuber本人の判断で動くため、外部委託では事前の読み合わせや台本確認だけでは埋まらない部分が残ります。

演者と関わりたい動機だけでは続かない

採用面接で推し活動・ファン歴を前面に出すと、評価が下がります。VTuberの演者と関わりたいという志望動機は、求人応募の場で門前払いになりやすいです。事業として配信運営を回す視点が抜けていると面接官に判断されるためです。

応募の軸はファン心理ではなく、前職経験の転用や業界拡大期への参加という事業文脈に置き直す必要があります。芸能事務所のマネジメント・アニメ制作の進行管理・ゲーム会社のプロデュース経験などが、評価される代表例です。面接では、事業として配信運営を回す文脈で自分の経験を話す必要があります。

応募前に確認したいVTuber関連企業の見分け方

資本金100万円未満、本社住所がバーチャルオフィスやシェアオフィス、所属VTuberのSNS更新停止、この3点は応募前にチェックできる代表的なシグナルです。VTuber業界は新興企業も多く、設立から数年以内の事業者と上場2社では体制も契約も別物。求人票と公式サイトと所属タレントの動きを並べて見るだけで、職種未経験での飛び込みに伴うトラブルの大半は事前に防げます。

会社の事業実態を求人票と公式サイトで見る

最初に確認するのは資本金、本社住所、設立年月日の3点です。資本金が100万円未満、本社住所がバーチャルオフィスやシェアオフィスに登録されている事業者は、設立直後で社内体制が固まっていない可能性が高いです。

いずれの情報も法人登記や採用ページに記載されているため、応募ボタンを押す前に確認できます。

たとえば公式サイトで事業セグメントの説明が抽象的なまま放置されていたり、お知らせ欄の最終更新日が半年以上前で止まっていれば、表に出せる動きがない期間が続いているサインです。

加えて、所属VTuberのSNSとYouTubeチャンネルの動きも確認します。直近で配信や投稿が継続しているか、コラボや新企画の告知が動いているかを見ると、事務所の実稼働状況が分かります。所属タレントの活動が止まっているのに採用だけ動いている事務所は、応募を保留する判断材料になります。

求人票の不自然さを確認する

求人票そのものにも、応募前に拾える違和感が出ます。たとえばVTuber事業のサポートとだけ書かれ、担当業務や1日の動き方が一切記載されていない求人は、応募前に精査が必要です。

加えて、契約形態が明記されていない、または同じ求人内で正社員と業務委託が並列で書かれている場合も避けます。雇用区分は労働法上の保護範囲がまったく異なり、入社後の社会保険や残業代の扱いに直結します。

実際に月給20万から80万のような4倍の振れ幅で提示されている求人は、面接時に下限側に着地する可能性が高く、想定年収を逆算する材料が応募段階では揃いません。

演者・社員の入れ替わり頻度を見る

所属タレントのYouTubeチャンネルを順番に開いて、最新動画の投稿日を見ます。週単位で更新が止まっているチャンネルが複数並んでいる事務所は、配信支援や編集の人手が足りていないサインです。

実際に直近1年の卒業告知や活動休止告知が頻発している事務所は、契約条件や運営体制に問題を抱えているケースが多く、裏方として入っても演者交代対応に追われます。

社員側の動きも確認できます。WantedlyやGreenの採用ページが頻繁に更新されていれば、ポジションが空き続けているサインです。Xや転職会議の退職投稿を見ると、定着率の傾向が分かります。

業務委託契約書で確認すべき条項

業務委託で応募する場合、契約書で必ず確認する条項があります。成果物の権利帰属、支払条件、解約条項、秘密保持の4点です。

解約条項は発注側に有利な文言で設計されていることが多く、いつでも契約を切れる形で運用されています。最低契約期間や中途解約時の補償の有無は、契約前に確認します。

たとえば成果物の権利帰属で著作権が全面的に発注側に移転すると、過去案件の実績をポートフォリオに掲載できなくなります。支払条件は検収後の入金タイミングと振込手数料の負担、再委託の可否までを確認。秘密保持の範囲と期間も、退職後に同業他社の案件を受けられない条項が紛れ込んでいないかチェックします。

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VTuberスタッフに関するよくある質問

VTuberスタッフへの転職を検討するなかで、採用条件・働き方・業務の実態について出やすい疑問に答えます。

VTuberファンであることは採用に有利か

有利にはなりません。事務所が評価するのはファン歴や推し活動の期間ではなく、前職で身につけたマネジメント・制作進行・技術スキルです。

面接でファン心理を前面に出すと、事業を回す視点が欠けていると判断されます。志望動機は前職経験の転用や業界拡大期への参加という文脈に置き直すのが基本です。

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フリーランスでもVTuber関連の仕事を受けられるか

受けられます。モデル制作・サムネイル制作・切り抜き動画編集は成果物単位で発注される業務委託案件が多く、フリーランスでも参入できます。

ただし演者のマネジメントやIP戦略に関わる業務は正社員ポジションに限定されており、フリーランスが担える範囲は制作・技術系の成果物業務に絞られます。

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専門学校に行かないとVTuber業界に入れないか

入れます。事務・運営系の職種は専門学校卒業を要件にしていない求人がほとんどで、前職の実務経験や業務スキルで評価されます。

3Dモデラーやエンジニアは学歴よりポートフォリオや実績で判断されるため、独学や実務経験からでも応募できます。

VTuberスタッフの平均的な労働時間はどれくらいか

職種によって異なります。配信ディレクターやタレントマネージャーは夜間配信への立ち合いが発生する職種ですが、フレックスタイム制で日中の時間をスライドさせる運用を採用する事務所が多いです。

毎日深夜残業になる職種ではありません。緊急トラブルや大型イベント時に夜間稼働が発生します。

VTuberの素顔を知る機会はあるか

正社員は業務上知ることがあります。演者の素顔・本名・私生活に関する情報はNDAで管理されており、業務委託スタッフはアクセスできません。

知る立場になるということは、その情報を退職後も含めて守り続ける義務が発生します。

まとめ

VTuber事務所の求人票に「VTuberスタッフ」という職種名は出てきません。タレントマネージャー・配信ディレクター・3Dモデラー・エンジニア・事務職といった個別の職種名で採用が動いており、求められる経験は職種ごとに分かれます。事務・運営系は未経験からでも応募できる求人が存在しますが、技術系は前職の実務経験がほぼ前提です。

業務委託と正社員では、担当できる業務の範囲がまったく違います。モデル制作やサムネイル編集は業務委託で発注されることが多く、事務所のIP戦略や演者のマネジメントは正社員が担う業務です。中小事務所の正社員枠は少なく、競争が激しい採用市場のため、業務委託やアルバイトから関係を築いて正社員へ切り替える流れが多いです。

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