VTuberスタッフ

VTuberスタッフになるには?業界に関わる仕事の種類と求人の探し方を解説

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VTuber業界に転職しようと求人サイトで検索しても、タレント募集しかヒットしない。事務所がどんな職種でスタッフを採用しているか、入り口自体が見えない状態です。

VTuber事務所には、モデラー・配信エンジニアといった専門職だけでなく、営業・経理・広報・人事のような一般職も同居しています。事務所への直接応募か、制作会社経由か、フリーランスかで、応募できる職種も必要な準備もまったく変わります。

自分の現職スキルがVTuber業界のどの職種に当たるかを見極め、最初にどこの求人を開けばいいかが判断できるようになります。求人が少ない業界だからこそ、エージェントの活用も含めた探し方と詐欺求人の見分け方も確かめてください。

この記事の内容

VTuber業界に関わる仕事の種類と就き方

VTuberに携わる仕事は、事務所・スタジオ・制作会社・開発会社の4種類があります。そして、そこへ入る経路も一通りではありません。事務所に正社員で就職する道、コンテンツを請け負う制作会社や開発会社に入る道、会社に属さずフリーランスで案件を受ける道の3つが並んでいます。どれが正解という順番はなく、自分が今持っているスキルがどこで動くのかによって、入りやすい場所が変わります。

VTuber事務所のスタッフとして入社する

VTuber事務所は、所属タレントの活動をサポートする会社です。ANYCOLOR(にじさんじ)、カバー(ホロライブ)、ぶいすぽっ!を運営するBrave groupといった企業が、いま業界の中心にあります。

事務所のスタッフは、タレントのスケジュールや制作物のチェックを動かすマネージャー、事務所の運営を回す運営担当、ライブやファンミーティングを立ち上げる企画担当などに分かれ、所属タレントの活動とイベントを動かしています。

そのため、事務所はタレントの活動を束ねる仕組みで、確認・調整・進行がスタッフの日常の仕事になります。誰かの活動を継続させることに手を貸せる人に向いた現場。

VTuberコンテンツの制作会社・開発会社に入社する

制作会社と開発会社は、名前は似ていても中で動く人がまったく違います。制作会社は、事務所やタレントから依頼を受けてイラスト・3Dモデル・MVを作る受託の会社で、依頼者とクリエイターを仲介する役目を持ちます。MV一本を取っても、楽曲・歌詞・イラスト・映像・監修・告知・権利確認とさまざまな要素が絡み、それを進行させる人が必要になります。

一方、開発会社が作るのは配信ツールやファン向けのサービスです。こうした会社は、サービスを開発・改良するエンジニアと、それを売り込む営業担当で構成されていることが多くあります。クリエイティブを作りたいなら制作会社、ソフトやプラットフォームを作りたいなら開発会社。受け手側という点は同じでも、活きるスキルは正反対の方向に分かれます。

フリーランスとして案件を受ける

会社に属さず、外部のクリエイターとして案件を受ける道もあります。事務所や制作会社は、モデル・イラスト・MVの制作を外部に発注することが多く、その受け皿としてフリーランスが動いています。

ただし、案件単位で受ける働き方は、収入が安定しにくいという面を抱えています。仕事が途切れれば報酬も止まる。現職でクリエイティブのスキルを持つ人が、副業や独立の入口として選ぶ働き方です。

職種別のなり方と活かせるスキル

自分はどの職種から狙えばいいのか。その答えは、今やっている仕事のなかに半分すでにあります。前職のジャンルが、応募先を絞る最初の手がかりになるからです。職種ごとに、どんな経歴がそのまま通用するのかが変わります。

タレントマネージャー

タレントマネージャーの一日は、担当するタレントの配信を追いかけることから始まります。毎日ゲーム配信をするタレントなら、その日の配信内容や反応を見ながら、次の収録やコラボのスケジュールを調整していきます。配信が伸びない時期や炎上に近い空気を感じたとき、いちばん近くで話を聞くのもこの仕事です。

ただ、寄り添うだけでは務まりません。納期や契約、ファンとの距離感をめぐって、タレント本人に厳しいことを言わなければならない場面もあります。マネージャーが言いにくいことを飲み込むと、後でタレント自身が困る。そこを引き受ける覚悟が要ります。

芸能やアイドル現場でのマネジメント経験がある人、接客や営業で対人調整を重ねてきた人が入りやすい職種です。人のスケジュールと感情の両方を扱った経験があれば、応募の土俵に乗れます。マネージャーとして働く際の業務内容やキャリアの積み方については、別記事で詳しく解説しています。

VTuberマネージャーになるには?必要スキルや未経験からの目指し方など解説!

配信ディレクター・制作進行

制作進行は、新人が最初に任されることが多いポジションです。やることは交通整理に近く、誰がいつまでに何を出すのかを並べ、抜けがないか確認の連絡を回していきます。

たとえばMVを一本作るだけでも、楽曲、歌詞、イラスト、映像、監修、告知、権利確認と、関わる人と工程が一気に増えます。それぞれの担当が別々のペースで動くため、全体のスケジュールを握って遅れを早めに見つける人がいないと、公開日に間に合いません。前職で進行管理やアシスタントディレクターを経験してきた人なら、その段取り力がそのまま強みになります。

VTuberモデラー・3Dクリエイター

VTuberの姿を作るクリエイターは、扱うツールで大きく分かれます。イラストを動かすLive2Dモデラー、Blender・Unity・MAYAで立体を組む3Dモデラー、AfterEffectsやC4DでMVやキャラクターの映像を仕上げる映像制作。担当する領域ごとに必要なソフトが違います。

たとえば3Dを触れる人は、いちばん稼げると業界で言われる存在です。立体のモデルやモーションを扱える人材はまだ少なく、需要に対して供給が追いついていません。Live2Dから入って後から3Dへ広げる人もいます。

未経験から目指すなら、まずどのツールを選ぶかを決めるところから。すでにゲームやアニメの制作でそうしたソフトを使ってきた人なら、ポートフォリオを整えるだけで応募できる会社も出てきます。ゲームやアニメ制作で積んだイラスト・3DCGの実務経験は、この職種にそのまま直結します。逆に、ツールを一度も触ったことがない状態からの独学は、相応の時間を覚悟することになるでしょう。

配信エンジニア・スタジオエンジニア

配信エンジニアは、PA卓・照明卓・配信卓を操作し、モーションキャプチャースタジオの機材を回します。生放送は一発勝負です。トラブルが起きてから対処していては間に合わないため、起こりうる想定外を先に並べて、その分の準備を積んでおきます。

この職種には、音楽ライブハウスやコンサート現場の出身者もいます。卓を触ってきた人にとっては、扱う対象がアーティストからVTuberに変わっただけで、身につけてきた現場勘がそのまま通用します。

営業・広報などのビジネス職

VTuber事務所の求人は、技術職だけではありません。ANYCOLORやカバー株式会社の採用ページを開くと、広報、マーケティング、営業といったビジネス職の募集が並んでいます。ここは前職の経験がそのまま活きる領域です。

たとえば営業なら、企業プロモーションでどのタレントを起用するかのキャスティング交渉や、コラボイベントの企画でスキルが使われます。相手は他社の宣伝担当やイベント主催者で、やり取りの中身はBtoB営業です。広報やSNS担当も、業界が変わっても求められる動きは大きく変わりません。

VTuberが好きでこの業界に入りたい人ほど、自分の営業経験を「関係ない」と切り離してしまいがちです。ですが、会社を回しているのはこうしたビジネス職で、前職の数字の作り方や交渉の進め方が、この業界でそのまま動きます。

経理・人事・総務などのバックオフィス職

会社が大きくなれば、お金や人を管理する部門が必ず要ります。上場しているANYCOLORやカバーに置かれた、経理・財務・法務・人事といった管理部門。ぶいすぽっ!を運営するBrave groupも従業員440名規模で、人事採用のポジションを置いています。

実際に、前職で経理をしていた人がVTuber事務所の管理部門へ採用される事例もあります。仕訳や決算、給与計算といった仕事の中身は、業種が変わっても基本は変わりません。VTuberの知識がなくても、バックオフィスの実務経験があれば応募できる入口です。

技術職でなくても、VTuberに関わる働き方は残されています。VTuber業界の仕事の全体像や各職種の詳細については、別記事でまとめて解説しています。

VTuberスタッフとは?仕事内容・職種・年収・なり方を解説

未経験からVTuberスタッフになるための準備

大手事務所の正社員枠は倍率が高く、未経験での採用は多くありません。

一方、中小の事務所には、制作進行や一般職として入ったあとに正社員へ移る経路が残っています。こうした入口で見られるのは、学歴より「人の話をちゃんと理解できるか」「コミュニケーションが取れるか」のほう。

3D制作や配信技術のような専門スキルがなくても応募できる求人はありますが、大量採用をしている会社はほとんどなく、数少ない枠を多くの応募者で奪い合う形です。応募の前に何を用意できているかで、土俵に乗れるかが変わります。

応募する職種に必要なスキルを習得する

最初にやることは、狙う職種を一つに絞ること。営業もデザインも制作進行も気になる、という状態のまま動くと、どのスキルを伸ばせばいいかが定まりません。求人を見て、自分が応募する一枠を決めてから動き出します。

たとえばクリエイティブ職を狙うなら、独学でツールを触り、そこから実績を作っていく流れになります。まずソフトを動かしてみて、作ったものを公開する。その積み重ねが応募材料になります。

一方で、営業や経理、広報といったビジネス職・バックオフィス職は事情が違います。前職の経験をそのまま持ち込めるため、新しいツールをゼロから覚え直す必要はありません。準備すべきことは、その経験を応募先の業務の言葉に翻訳することです。

クリエイティブ職はポートフォリオを用意する

モデラーやデザイナーの求人を開くと、募集要項にポートフォリオ必須と書かれているものが目立ちます。何が作れるかを言葉で説明するより、作ったものを見せたほうが早い職種だからです。

もっとも、ゼロから完成品を作るのが難しければ、既存のベースを土台にしたカスタマイズから始める手もあります。VRoid Studioのようなモデルのカスタマイズ入門ツールを使えば、一からモデリングを覚えなくても、手を入れた成果物を形にできます。それを公開すれば、それ自体が実績になります。

応募の段階で見られているのは、完璧な作品ではなく、手を動かして最後まで仕上げた跡。

前職の経験を志望職種に結びつけて言語化する

同じ経歴でも、書き方ひとつで伝わり方が変わります。経理をしていましたと書くより、上場企業の決算を担当していましたと書いたほうが、何をどこまでやれる人かが相手に届きます。営業職なら、その経験はタレントのキャスティング交渉で使える、という形に置き換えて志望先の仕事に結びつける。前職の中身を、応募先の業務の言葉に翻訳する作業です。

実際に、VTuber業界は新しく、整ったマニュアルがない業務も多い現場。自分の経験がこの会社のどの場面で役に立つかを、応募者の側から言葉にできる人が評価されます。

経歴の翻訳と同様に、志望動機もスキルとの接続まで語れるかが採否に関わります。VTuberが好きだという気持ちだけを理由にすると、選考では落ちやすくなります。好きであることは前提として、その熱量が業務のどこにつながるのかまで語れて、ようやく応募の土俵に乗れるでしょう。

VTuberスタッフ求人の探し方

VTuberスタッフの求人は、大手求人サイトで「VTuber」と検索しても、ほとんど出てきません。事務所が一度に大量採用することは少なく、公開されている枠そのものが限られています。だからこそ、求人がどこに眠っているかを知っているかどうかで、たどり着ける選択肢の数が変わります。

企業の採用ページと求人サイトで直接探す

求人サイトで「VTuber」と打ち込んでも、目当ての仕事は表面に出てきません。多くの募集が職種名で登録されているためです。Indeedや求人ボックス、LinkedInで「動画編集」「Live2D」「イベント運営」と検索し直すと、VTuber関連の案件が引っかかることがあります。検索する言葉を、職種側に寄せるのが先決。

企業の採用ページを直接見にいく手もあります。ANYCOLORやカバー株式会社は自社サイトに採用情報を載せており、求人サイトを経由しない募集もここで確認できます。中小の事務所のなかには、wantedlyやSNSで告知だけして求人サイトには出さないところもありました。気になる事務所があれば、定期的に公式アカウントをのぞいておくと取りこぼしが減ります。

転職エージェントに相談する

求人サイトに並んでいるのは、公開されている枠だけです。事務所によっては、採用を表に出さず、エージェント経由でしか応募できない非公開求人として動かしていることがあります。自分で探すだけでは、この層に届きません。

そのため、エンタメ業界に特化したエージェントに頼む選択肢が生きます。VTuberやゲーム、芸能関連の求人を抱えており、表に出ていない枠を紹介してもらえることもあります。

少ない求人の中から自分に合うものを探すなら、窓口を増やしておく価値はあるでしょう。エンタメ業界専門の転職エージェントに相談する

インターン・業務委託から正社員を狙う

正社員の枠が見つからないときは、入口を変える方法があります。中小の事務所では、インターンとして関わった人が業務委託に移り、そこから正社員になる経路が残っています。最初から正規雇用を狙うより、現場に入ってから評価される流れです。

案件単位で関わるところから始まることもあります。動画編集や配信サポートを一度引き受け、その働きぶりを見た事務所から声がかかるケースです。求人を待つだけでなく、関われる仕事を先に作っておく動き方が、この業界では有効です。

登録料・レッスン料を求める求人を避ける

求人を探していると、応募者にお金を求めてくる募集が混ざっています。IndeedなどでVTuber関連を検索すると、登録料やレッスン料の支払いを条件にする求人が紛れていることがあります。スタッフ採用の体裁をとっていても、構造は声優バイトの手口と同じです。費用を払わせたあと、仕事をほとんど紹介しないパターンが知られています。

判断の基準ははっきりしています。正規の採用が、応募の段階で登録料やレッスン料を求めることはありません。お金を先に払う話が出てきた時点で、その求人は採用ではなく勧誘です。費用を求める募集を外すだけで、危ない案件はほぼふるい落とせます。

VTuberスタッフになるためのよくある質問

VTuberが好きなだけでもなれる?

好きという気持ちだけでは採用されません。選考で採用側が確認するのは、その業務を担当できるかです。VTuberが好きだからこそ気づける視点はプラスに働きますが、それは採用理由そのものにはなりません。予算や納期、権利の問題と日々向き合う覚悟も求められます。

30代・40代からでも転職できる?

職種によっては30代・40代からの転職も十分にあります。経理や人事、営業は前職での経験がそのまま評価されるケースがあり、年齢が壁になりにくい入口です。モデラーやエンジニアといったクリエイティブ職は、年齢よりも実績とポートフォリオで判断されます。前職で何を積み上げてきたかで、選べる入口が変わります。

未経験で正社員として採用される?

入口次第で、未経験からの正社員採用も狙えます。ANYCOLORやカバーといった大手事務所の正社員枠は倍率が高く、未経験での採用は多くありません。一方、中小事務所や制作会社では、インターンや業務委託から正社員へ移行する道があります。制作進行は未経験でも採用されやすい入口職種で、ここから業界に入る人もいます。

まとめ

VTuber業界の裏方は、専門職だけで成り立っているわけではありません。事務所やスタジオ、制作会社、開発会社のそれぞれに、営業や経理、広報といった一般職の席があります。だからこそ、自分の前職や得意分野がどの職種につながるのかを判断するところから始まります。好きという気持ちはプラスに働き、採用の決め手になるのは持っているスキルです。

求人はVTuberという単語の検索では出てきにくく、企業の採用ページやエージェント、インターン経由でたどり着くことが多くなります。登録料やレッスン料を求めてくる募集は、入口ではなく避けるべき相手です。自分のスキルに合う職種を一つ決めれば、探すべき求人の範囲も定まります。

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