企業研究

MAPPAの年収は低い?呪術廻戦を作る会社の平均年収と給与の実態を解説

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MAPPAの年収が低いかどうかは、求人票や口コミの数字だけを見ても判断できません。

アニメ業界では知名度の高いスタジオでも、製作委員会の仕組みにより制作スタジオ本体に利益が落ちにくい構造があります。en-hyoubanの口コミに「業界全体で見れば高い方」と「労働時間に対して少ない」が並ぶのはそのためです。

判断の軸は2点に絞れます。アニメ業界の平均と並べてどうか、その額がどれだけの労働時間と引き換えなのか。この記事でその2点を実際の数字で確かめてください。

この記事の内容

MAPPAの年収は低いのか

呪術廻戦やチェンソーマンを作るMAPPA。エン カイシャの評判の口コミを開くと、在籍者の評価は真っ二つに割れています。

同じ会社について、業界全体を見れば高い方だと書く人がいる。すぐ隣に、労働時間に対して月給は少ないと書く人がいる。どちらも実際に働いた人の言葉です。

この食い違いは、額面の数字だけでは年収の高い低いが決まらないことを示しています。MAPPAの給料が低いのかは、提示される金額を見ても答えが出ません。比べる相手と、その金額で何時間働くかをそろえて初めて見えてきます。

業界の中で特別低い数字ではありません。もっとも、働き方を計算に入れると、割に合わないと感じる人が出てくる水準です。この先で実際の金額に当てて確かめます。

MAPPAの平均年収はいくらか

口コミ・求人票・推定値と、出どころの違う数字が並んでいます。実際に働いた人の平均と、採用時の提示額と、求人データからの推定値です。それぞれ前提が違うため、額にもずれが出ます。

口コミ平均は363万円

エン カイシャの評判の口コミ集計では、平均年収363万円です。範囲は233〜550万円。回答したのは15人で、平均年齢は29.6歳でした。

ただし、この363万円は15人をならした数字です。回答者の平均年齢が29.6歳ということは、サンプルの中心が20代後半から30代前半に寄っています。役職が上がって年収が伸びる層は、ほとんど入っていません。

しかも職種別・年齢別の内訳は会員限定です。読者がそのまま見られるのは、15人をならした363万円という一つの数字だけ。アニメーターなのか管理部門なのか、入社1年目なのか5年目なのかは、この数字からは切り分けられません。233万円と550万円という幅の広さが、その中身の散らばりを表しています。

求人で提示される額は350〜400万円

MAPPAの制作進行管理(未経験)の求人票では、初年度の年収が350〜400万円とされています。画力不問、社会人経験1年以上で応募できる枠です。

一方、Indeedの給与データから割り出される推定額は、職種によって数百万円から700万円台まで広がります。もっとも、これは報告された給与から集計した推定値です。実際に支払われた額ではないため、上限寄りに出ます。実口コミの363万円のほうが、入社後に手にする額の感覚には近いです。

職種によって年収はどれくらい違うか

Indeed掲載の給与データから推定すると、経営管理は年収703万あたりが目につきます。同じ社名の数字を並べただけで、職種によって大きな開きが出ます。さらに、退職したCGモデラーが残した口コミの年収は300万で、求人で見える数字とのあいだにはそれだけの距離があります。同じMAPPAで働いても、就く職種で年収の見え方はまるで変わります。

制作進行管理の年収

未経験から入れる入り口として募集されているのが、制作進行管理です。求人票では初年度350〜400万円、月給は24万6500円と提示されています。

この月給には固定残業20時間分の36,306円が含まれ、20時間を超えた分は別途支給されます。提示額の一部は、残業ありきで組まれた金額です。

なお昇給は年1回、7月のタイミングで、対象は入社2年目以降になります。賞与は期末に年1回、3月に支給される形です。働き方はフレックスタイム制で、コアタイムは13時から17時に設定されています。画力は問われず、社会人経験1年以上があれば応募できる条件になっていて、有名作品を制作する会社のわりに、入り口のハードルそのものは高くありません。

アニメーターなど制作職の年収

求人で提示される数字と、実際に働いた人が残す数字とで、いちばん開きが出るのがアニメーターをはじめとした制作職です。Indeedで16件の給与報告から推定された月給は37.8万で、これは求人の上限寄りに引っ張られた数字になります。

いっぽう在籍3年未満で退職したCGモデラーの口コミでは、年収300万・月給24万・賞与10万、残業代は0万でした。制度上は固定残業20時間を超えた分は別途支給される建前ですが、このCGモデラーのケースでは残業代は0万という結果でした。

業界全体の参照値を重ねると、この職種の幅はさらに見えてきます。アニメ制作者全体の調査では、原画が平均399.8万(中央値355.0万)、動画が平均263.2万(中央値243.0万)です。平均と中央値の差は、上のほうの一部が平均を押し上げていることを示しています。退職したCGモデラーが手にしていた実額も、ちょうどこの動画と原画の幅のあいだに収まる300万でした。

アニメーターの年収が職種や会社によってどれだけ差があるかは、業界全体のデータをまとめた記事で確かめられます。

アニメーターの年収を担当別・会社別に解説!リアルな手取りと上げ方も紹介

コーポレート職の年収

Indeedで報告された給与から推定される金額は、経営管理が703万、人事労務が545万、広報が419万です。募集中の財務管理の求人では600〜849万のレンジも出ています。

実際に、制作職の数字とは桁の見え方からして違い、社内の管理部門が年収の上のほうを占めています。同じ会社の求人でも、コンテンツを生む側よりも会社を回す側のほうに、高い金額が並んでいます。

アニメ業界の平均年収と比べて低いのか

アニメ制作者全体の平均は455.5万円、中央値は422.5万円です。これがJAniCAの実態調査2023で出た数字で、回答は429名にのぼります。

MAPPAの口コミ平均はその下に位置します。同じ業界の数字を並べたとき、MAPPAが上か下かは一見すると単純に見えます。ここには年齢という補助線が要ります。

業界平均455万円との差

業界の平均455.5万円に対し、MAPPAの平均はおよそ90万円下です。差だけ見れば、平均を下回っています。

ところが、この差はそのまま「低い会社」とは読めません。MAPPAの口コミ集計は平均年齢29.6歳。若手が中心のサンプルです。

JAniCAの年代別を見ると、25〜29歳は292.8万円、30〜34歳で446.0万円まで上がります。年収は年齢とともに大きく動く業界です。

29歳前後の平均と、全年代を均した455.5万円を同じ土俵に置くと、差は実態より大きく見えます。20代後半の水準としては、むしろ並に近い数字です。

有名スタジオでも平均を超えにくい理由

『呪術廻戦』『チェンソーマン』を手がけても、社員の年収が業界平均を大きく超えることはありません。知名度と給与は、そのまま連動しません。

理由は収益の落ち方にあります。アニメは製作委員会方式や下請けでの受注が中心で、ヒットの利益はグッズや配信の権利を持つ側に多く流れます。制作スタジオ本体には残りにくい。

だからこそMAPPAは『チェンソーマン』で100%自社出資という異例の手を打ちました。ただし100%出資は作品ごとの投資であり、社員全体の給与水準を底上げする仕組みではありません。

激務に年収は見合うのか

短納期と大量発注は、MAPPAを含むアニメ制作現場につきまとう労働実態です。決められた期間内にまともな労働時間で仕上げようとすると間に合わない、という声は珍しくありません。額面が同じでも、固定残業の時間を超えた分がどう扱われるかで、手元に残る時間あたりの報酬は変わってきます。年収を労働時間で割って見ると、平均額だけを眺めていたときとは見え方が違ってきます。

制作現場の過密スケジュール

報酬額を確定しないまま大量に発注し、あり得ない短納期で進め、苦情を言わない誓約書を交わす。2023年にbiz-journalで報じられた指摘は、こうした制作の進め方を名指ししたものでした。仕事は次々と頼まれる一方で、金額の交渉になると先延ばしにされる。役職に対して割に合わない額しか出ない、という現場の言葉も並びます。

もっとも、この話をMAPPAだけのものとして読むと実態を取り違えます。業界関係者は、短納期や労働に見合わない報酬は業界全体に共通の問題であって、MAPPAに特別な問題があるわけではない、と見ています。動画単価は近年1枚200〜300円、30年前の100円から大きくは動いていません。作り手の多くが業務委託の個人事業主という前提も、この水準を支える土台にあります。

こうした業界構造の背景を踏まえて応募を判断したい場合、アニメ業界の労働実態と向いている人の特徴をまとめた記事も参考になります。

アニメ業界はやめとけと言われる理由とは?向いている人の特徴など解説!

時間あたりで見ると見え方が変わる

正社員は月給で受け取るため、固定残業の時間を超えても基本給は動きません。残業が出にくい組み方だと、時間をかけて働くほど時間あたりの報酬は下がっていきます。一方、1カットいくらで受ける業務委託の出来高制なら、かけた時間に左右されず単価は一定です。同じ作品に関わっていても、長時間化したときに割を食うのは前者の側になります。

見合うかどうかは、額面ではなく労働時間と雇用形態で変わります。

年収を上げる選択肢

ここ2〜3年で、アニメスタジオ各社は給与アップと社員雇用化を進めてきました。MAPPAも例外ではなく、入り口の待遇は10年前と同じ感覚では語れなくなっています。正社員として額面を上げたいなら、取れる動きは絞られます。

社内でポジションを上げる

昇給は年1回、しかも固定給が中心という前提に立つと、社内で年収を引き上げる道は職種の移動に絞られます。実作業の職種で年功序列に頼って待っても、額面はそう動きません。管理職やコーポレート職へ移ったほうが、年収レンジの上限そのものが変わります。

MAPPAは制作メンバーの7割が20代〜30代前半で、年功序列ではなく1〜2年でキャリアアップした例もあります。実力で職種を変えられる状況は残っており、社内での上がり方は本人の動き次第です。

条件のいい他社へ移る

社内で頭打ちなら、外に目を向けたほうが早い場合があります。ここ2〜3年で各社が待遇改善を進めているため、いまは横移動でも条件が上がるケースが出ています。

求人票の額面をそのまま比べても判断を誤ります。固定残業が組み込まれている会社とそうでない会社では、同じ提示額でも実際の手取りや働き方が変わるからです。月給に固定残業が何時間分入っているか、超過分はきちんと別途支給されるか。ここを揃えて複数社を並べると、本当の条件差が見えてきます。

アニメ業界に強い転職エージェントを使えば、こうした額面の中身まで踏み込んで比較してくれるので、一社の求人だけで決めるより選択肢が広がります。

MAPPAの年収に関するよくある質問

MAPPAの平均年収はいくらですか?

エン カイシャの評判の口コミ集計では、平均年収363万円です。

この363万円は回答15人をならした数字で、年齢・職種の内訳は会員限定です。職種によってコーポレート職と制作職で年収の開きが大きく、一つの数字でMAPPA全体を判断するのは難しい水準です。

MAPPAの年収は低いですか?

業界全体の平均と並べると下に見えますが、口コミの回答者は20代後半が中心です。JAniCAの年代別データでは25〜29歳の平均が292.8万で、世代をそろえれば際立って低い水準ではありません。

もっとも、固定残業が月給に含まれていることや、短納期での作業量を加味すると、額面に対して割に合わないと感じる人が出てくる水準です。

MAPPAは未経験でも入れて年収はどうなりますか?

制作進行管理のポジションは画力不問・社会人経験1年以上で応募でき、求人票で示された初年度の年収レンジは前述のとおりです。

アニメ業界未経験からMAPPAの正社員を目指す場合、どのエージェントを使うかで求人の見えやすさが変わります。

【2026年版】アニメ業界に強い転職エージェント・転職サイトおすすめ8選!職種別の選び方も解説

MAPPAの残業は多く残業代は出ますか?

残業は出やすい環境です。制作進行管理の月給24万6500円には固定残業20時間分が含まれており、20時間を超えた残業代は別途支給されます。

MAPPAでは短納期で作業量が集中する時期が繰り返されるため、固定残業の20時間を超えるケースは少なくありません。

まとめ

MAPPAの年収は、口コミ平均で363万円、未経験で入る制作進行管理の初年度で350〜400万円です。アニメ制作者全体の平均455.5万円と並べると約90万円下に見えますが、口コミの回答は平均年齢29.6歳と若手中心で、世代をそろえれば際立って低い水準ではありません。

MAPPAの場合、月給に固定残業が組み込まれ、残業を重ねても基本給は動きにくい構造です。短納期と大量発注が重なる時期には、額面そのものより、その額で何時間働くかが効いてきます。

業界平均と労働時間の2点を揃えて判断してください。年収を上げたいなら、社内でのポジション移動か、待遇改善が進む他社との条件比較が、次の動き方になります。複数社を並べて比較したいなら、アニメ業界に強い転職エージェントを使うと選択肢が広がります。

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