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イラストレーターの年収は平均いくら?働き方・経験別の実態を解説

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イラストレーターの年収を調べると、最初に出てくる数字は求人ボックスの406万円です。ただし掲載されている求人の上限と下限の差は390万円ほど開いていて、一本の数字で全体をつかむことはできません。

この406万円は掲載中の求人から算出した中央値で、正社員の募集で出会う水準に近い数字です。一方、働く人のおよそ8割はフリーランスで、単価と案件数の掛け算で年収が決まります。会社から月給をもらう場合と収入の決まり方は大きく異なります。

どの数字が自分を測っているかと、駆け出しの1〜3年を金銭的に乗り越えられるかが判断軸です。働き方・分野・経験年数ごとのデータと実例をもとに、自分の見込みを判断してみてください。

この記事の内容

イラストレーターの平均年収はいくらか

求人サイトに出る平均額は、募集ごとにばらついた金額をならした真ん中の数字です。同じイラストレーター募集でも、掲載されている求人の中身と雇用形態によって、受け取る金額は変わってきます。

掲載求人の平均は406万円

求人ボックス給料ナビの平均年収は約406万円です。月給に直すと34万円、初任給は30万円(掲載求人の中央値ベース)。実際に募集が出ている金額に近い水準です。

なお、正社員のボリュームゾーンは358〜407万円。多くの求人がこの帯に分布しています。とはいえ全体の幅を見ると309〜699万円まで開きます。同じ「イラストレーター募集」でも、提示される金額は会社によって倍以上ちがいます。

平均という1つの数字だけを見ると、年収が一律に決まる仕事に見えます。実際の求人票は、その平均の上にも下にも散らばっています。下限の309万円で募集する会社もあれば、699万円を出す会社もあります。406万円は、その散らばりの真ん中にすぎません。

アルバイトや派遣は時給で支払われる

正社員は月給換算で約34万円。アルバイトは時給約1,200円。派遣は時給約1,682円。同じイラストの仕事でも、受け取り方は月収と時給に分かれます。

時給1,200円で1日8時間・月20日働くと、月に約19万円。派遣の1,682円なら月に約27万円。正社員の34万円とは、月単位で見たときの手取り感がかなり変わります。雇用形態を選んだ時点で、年収のスタート地点はずれています。

正社員とフリーランスで年収はどう変わるか

同じイラストレーターでも、会社に雇われて月給をもらう人と、自分で案件を取って報酬を積むフリーランスとでは、年収の決まり方がまったく違います。働く人の多くは後者で、クラウドソーシングで小口の案件を積む人、企業と直接交渉して継続依頼を持つ人、SNSで名前を広めて指名が来る状態にした人など、案件の取り方によって年収の幅は大きく開きます。

正社員はおおむね400万円前後

求人票に出てくる月給は、ゲーム制作会社で24万円、広告会社で22万円台。技術職の初任給は大卒で平均21万円ほどで、スタート地点はほぼ同水準です。絵を描く専門職といっても、入口の給与はほかの職種と大きく変わりません。

会社員の給与には等級や役職ごとの規定があり、そこが変わらないかぎり、描く枚数を増やしても基本給はほとんど動きません。納品物の質を上げても、評価が次の等級に届かなければ昇給につながらない職場もあるのが実態でしょう。そのぶん毎月の振り込みは安定し、案件が途切れて収入がゼロになる月はありません。

フリーランスは単価と案件数で大きく開く

フリーランスの年収は、1案件あたりの単価と、月に何件こなせるかの掛け算で決まります。フリーランスhubの集計では案件単価は月額40〜60万円で、年収に換算すると480〜720万円です。継続依頼で単価4万円のイラストを月15枚こなせば、月60万円、年720万円に届きます。

ただ、その単価にたどり着くまでの幅は大きいです。仕事の取り方は主にクラウドソーシング、企業との直接契約、スキルマーケットの3つに分かれます。クラウドソーシングは企業が安く発注したがるため、1万円未満から5万円ほど。

始めたばかりだと1枚1万円に満たない案件が並びます。企業と直接やりとりする契約では、内容や交渉しだいで2〜10万円ほどに上がります。

安い案件をこなし続ける人と、継続して高単価の取引先を持つ人とでは、同じ月でも手取りが何倍も違ってきます。単価と件数のどちらが欠けても、年収720万円の試算には届きません。

経験を積むと年収は上がるのか

マイナビAGENTの集計では、グラフィックデザイナーを含むクリエイティブ職として、20代は約314万円、30代になると約395万円とされています。10年でおよそ80万円分が積み上がる計算です。とはいえ、この上がり方は勤続年数に比例して自動で増えるものではありません。1件あたりの単価がどこまで乗るか、誰とつながって仕事が回り始めるかで、同じ経験年数でも到達点は大きく分かれます。

20代は300万円台からのスタート

会社員イラストレーターの場合、多くは新人のうち作業指示に沿って仕上げる役割から始まります。構図や方向性を任される立場にはまだ届かず、経験が浅いぶん1件あたりの単価も低めに設定されます。この合算では、会社員として絵を描く20代の平均は約314万円です。

30代の約395万円と並べると、20代の終わりから30代にかけて80万円ほど水準が動きます。月収に直せば月7万円弱の差です。そのため、絵が描けるかどうかよりも、任される仕事の幅と単価の設定が、この時期の年収に直接響きます。

経験と人脈で単価が乗っていく

右肩上がりの一本道では進みません。あるフリーランスが公開した記録では、企業から受けた案件の売上が、377万円まで伸びた翌々年に272万円へ落ち、419万円の山の次は263万円、その後は56万円まで沈んでいました。

伸びる年に何が起きるかははっきりしています。この記録では、経験を重ねるにつれて言われた額で受けるのではなく単価を交渉する動きが出ています。作家とつながれば、表紙のイラスト制作のような継続案件が回ってくることもあり、そのつながりが一本太くなると、その年の売上は大きく動きます。

ところが、その太い案件が翌年も続く保証はどこにもありません。継続のはずだった仕事が終われば、翌年の売上は前の年から大きく欠けます。経験で単価の天井は上がっても、年ごとの収入が安定するとはかぎりません。それが、この記録の数字が示すところです。

年収1,000万円に届く人はどのくらいか

イラストで年収1,000万円に届く人は、ごく一部にとどまります。2021年にプロ約2,300人を対象にしたアンケートでは、年収600万円以上が13.1%、5,000万円以上は0.7%という分布でした。600万円を超えるのは7〜8人に1人、その上の桁に届くのはごく一握りです。

数字の上では道筋自体は描けます。1件10万円の仕事を月に10件こなせば、年1,000万円を超える試算になります。月10件の高単価案件を絶やさず受け続けられるかどうかが、そのまま分かれ目です。

もっとも、上位1%の当事者でも、年収は税前で2,000〜3,000万円あたりで頭打ちという観察もあります。届く人は確かにいて、けれど決して多数派ではありません。

駆け出しイラストレーターの1〜3年をどう食べつなぐか

会社員を辞めて専業のイラストレーターになった人が、独立後の収支を毎年公開しています。その専業1年目、売上は合計で約255万円。国の給付金61万円を差し引くと、イラストそのもので得た金額は194万円で、200万円には届きませんでした。

求人票から出てくる平均の数字を出発点に「このくらいは稼げる」と見積もっていると、この人のケースでは最初の数年で194万円という実収入との落差に直面しました。そこで何が起きていたか、この記録を順に見ます。

1年目の売上が200万円に届かない実例

この記録の1年目を内訳で見ると、企業からの案件が87万円、個人からの依頼が83万円、同人活動が22万円、pixivFANBOXの支援が1.4万円でした。会社を辞めれば企業の大口案件が中心になりそうですが、実際には企業案件と個人案件がほぼ拮抗し、収入源は細かく分散しています。

月額支援にあたるpixivFANBOXは年間で1.4万円。ファンからの直接支援だけで生活を組み立てるのは、駆け出しの段階では厳しい金額です。

実際に、この人の場合は副業時代に月数万円だった収入が、専業に専念して月平均16万円ほどまで伸びた計算です。集中した分が収入に反映された形ですが、それでも生活費に足りるかどうかは別の問題です。

月別の収入が乱高下する不安定さ

年間の数字以上に効いてくるのが、月ごとの振れ幅です。同じ記録では、月の売上が最低14,725円、最高490,559円まで動いていました。1.4万円の月もあれば、49万円の月もあります。33倍の開きが、ひとつの年に同居しています。

実際に、この不安定さは契約の仕組みからも生まれます。請負契約で受けた仕事は、最後まで完遂しないと一円も支払われません。途中まで描いていても対価は出ず、会社員のような残業代もない。手が止まれば、その月の収入はそのまま消えます。

こうした収入の読めなさは、生活の足場も揺らがせます。フリーランスは賃貸住宅やクレジットカードの審査で不利になりやすく、安定した月収を証明できないと、契約や入居の手前で足止めを食らうこともあります。

貯金と副業で下積みを越える

下積みを支えるのは、まず現金の余裕です。この人は退職前に、2〜3年は無収入でも暮らせる約800万円の貯金を用意していました。1年目に194万円しか稼げなくても生活が破綻しなかったのは、この備えがあったからです。

加えて、時間軸も長く取ることになります。趣味で描き始めてから本業として食べられるようになるまで、8年かかったといいます。専業2年目には2月の時点で年間150万円分の仕事が確定し、年間360万円という目標が見えてきたとのことです。1年目の194万円から、少しずつ積み上がっていく形です。

もうひとつ効いてくるのが、案件の選び方です。月に2枚といった少ない数を安い単価で引き受け続けるのではなく、単価を守りながら続けられる仕事を重ねる。少なくともこの人の場合は、貯金で初期の数年を支え、安請けを避けて単価を保つ、この2つが機能して200万円に届かない1年目を越えています。

なぜイラストレーターは稼ぎにくいと言われるのか

絵を1枚仕上げる報酬は、依頼主が出した予算そのままでは届きません。クライアントから広告代理店、制作会社、プロダクションと発注が降りていき、最後に絵を描く人へ回ってきます。途中で何段も挟まるぶん、末端の手元に残る予算はわずかです。

下請け構造の最下層に置かれる

間に入る会社の数だけ、それぞれが取り分を抜きます。通過するたびに削られた予算は、末端のイラストレーターに届くころには最初の何分の一かにしか残りません。

そのため、手元に残る金額は依頼の規模から想像するより小さくなります。さらに、請負契約という条件が重なります。

完成させて納品しないと対価は支払われません。残業代という考え方もなく、時間がかかった分は自分でかぶります。間に挟まる会社が増えるほど修正の指示も人づてに伝わり、描き直しの回数は読めません。

なりたい人が多く単価が下がり続ける

スマートフォンとSNSがあれば、誰でも作品を公開できます。特別な資格もいりません。入口が開いているぶん、描き手の数はふくらむ一方です。

ところが、仕事を出す側の数はそれほど増えていません。座れる席は限られているのに、座りたい人だけが増えていく状態です。

すると、安くても引き受ける人が必ず出てきます。1人が単価を下げると、依頼主はその値段でやってくれる人がいると知ります。下がっていくのは相場全体で、腕がある人まで安い値段に引きずられていきます。

分野で単価の序列がある

ゲームイラストレーターの年収は、ゲーム業界のキャリア情報メディアの集計で400万円〜1,200万円とされます。2Dや3Dの技術を使う案件も、予算が大きく組まれます。

一方で、雑誌や商品のイラスト報酬は1点2,000円〜150,000円。クラウドソーシングではさらに下がり、単価が数千円という案件も並びます。同じイラストを描く仕事でも、どの分野に入るかで手取りは何倍も違ってきます。

もとをたどれば、ゲームや技術系の案件は動くお金が大きく、絵に回せる予算も厚くなります。逆に雑誌の挿絵やクラウドソーシングは、絵にかけられる予算が薄いところからのスタート。稼げるかどうかは腕だけでなく、どの分野の発注先にたどり着けたかで大きく決まります。

年収を上げるために何ができるか

スキルマーケットでの値づけは、最初の1件で決まりません。お試し価格として5,000円で納品し、次回以降は5万円で受注する。こうした段階的な値上げを実践する描き手もいます。1枚あたりの金額を上げられるかどうかで、年収の伸びは大きく変わります。

単価を交渉できる実績をつくる

単価を上げる前に、何が描けるのかを相手に見せる材料が要ります。仕事を取る入り口になるのが、作品集であるポートフォリオです。

どんな絵を載せるかは分野によって変わります。ゲーム系ならキャラクターの表情差分や立ち絵のバリエーション、出版・書籍系なら装丁イメージや人物の線の安定感を見られます。「どの案件が来たときに見せる作品集か」を想定して構成すると、単価交渉の場で使えます。

実際に、知名度や実績が上がってくると、企業側から制作依頼を求められる側に回ります。そうなれば、単価が上がるように交渉してから仕事を受ける動き方も取れるようになります。受け身で言い値を飲むだけの立場ではなくなります。

下請けから直接受注に切り替える

受け取る金額を増やすもう一つの道が、受注の経路を変えることです。

まず、いまの案件が誰を経由して届いているかを確かめます。間に入る会社が少なくなるほど、中間マージンが減り手元に残る金額は増えます。発注元に近い直接契約へ寄せていくことが、同じ作業量でも受け取れる金額を変える方法です。

ただし、切り替えの足がかりになるのは、これまで積み上げた実績とポートフォリオです。直接契約は相手から見ても誰に頼むかがはっきりしている取引で、見せられる作品の厚みがそのまま交渉材料になります。実績の薄いうちは、いきなり直接契約に踏み込んでも条件を引き出しにくいでしょう。

なお、会社員として実績を作ってから独立したり、転職のタイミングで給与を交渉したりする道もあります。クリエイティブ職に強い案件を扱う窓口を知っておくと、直接契約に近い条件の仕事へたどり着きやすくなります。

【2026年版】クリエイティブ職に強い転職エージェントおすすめ8選!職種別の選び方も解説

イラストレーターの年収によくある質問

イラストレーターで年収5,000万円を稼ぐことは可能ですか

可能ではありますが、特定の条件がそろった場合に限られます。

ゲームや出版など予算の大きい分野で、指名で高単価の依頼が途切れず入る状態を長く保てた人が届く水準です。受注の波があるなかで案件量と単価を同時に維持し続ける必要があり、イラスト1本で到達できる人はごくわずかです。

フリーランスと会社員どちらが年収は高いですか

どちらが高いかは、働き方よりも分野と経験年数で決まります。

正社員はおおむね月給22〜24万円スタートで年収は会社員水準に落ち着きますが、フリーランスは高単価の継続依頼が積み上がった人ほど会社員の倍以上に届きます。ただし駆け出しの数年は会社員を下回るのが実態で、収入の振れ幅も大きくなります。転職や独立のタイミングは、クリエイティブ職の案件を扱う窓口に相談して、自分の状況に近い例を聞いてから判断するのが近道です。

イラストレーターの20代の年収はいくらですか

本文で触れた通り、マイナビAGENTの集計ではクリエイティブ職の20代平均として314万円前後が出ていますが、グラフィックデザイナーを含む合算値です。

この水準をそのまま自分に当てはめるより、フリーランスかどうか・どの分野を主戦場にするかで実際の手取りはかなりずれます。駆け出しのうちは企業案件と個人依頼が半々で分散し、200万円台で折り返すケースも現実としてあります。

イラストレーターはAIに仕事を奪われて稼げなくなりますか

単価の低い量産型のイラスト案件は、すでにAI生成との競合が始まっています。

一方で、特定の作風や世界観、キャラクターの一貫性を求めるクライアントからの依頼は引き続き存在します。絵のスタイルや得意分野を絞り込んで実績を積む方向が、AI時代に収入を維持する上での対応です。

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