エンタメ全般

エンタメとは?意味・ジャンル・市場規模をわかりやすく解説

エンタメとは

日本のエンタメ市場は14兆円を超えて過去最高を更新しており、鉄鋼産業や半導体産業を上回る規模です。

映画・音楽・ゲームといった既存ジャンルに加え、VTuber配信やeスポーツ、メタバースのイベントもエンタメに分類されます。境界線は娯楽性があるかどうかで、ニュースサイトでも政治・経済を扱うサイトはエンタメには含まれません。

この記事では、定義・語源・ジャンルの分類・市場規模データを解説します。読み終えると、エンタメという言葉の輪郭と業界の規模感がつかめます。

この記事の内容

エンタメの意味と語源

これほどの規模を持ちながら、エンタメが何を指すのかという定義はかなり揺れています。

言葉の定義

エンタメとはエンターテインメントの短縮表現で、人を楽しませる活動・コンテンツ・産業をまとめて指す言葉です。映画、音楽、テレビ、ゲーム、舞台、スポーツ観戦などが含まれます。

ただし統計上の線引きは曖昧です。総務省の日本標準産業分類で見ると、中分類80「娯楽業」には映画館や劇場、遊園地、競技団、興行が並び、中分類38「放送業」にはテレビ・ラジオが入ります。出版や音楽配信はこれらと別の中分類に置かれ、エンタメ全体を産業コードで一括りにすることはできません。

実際の用例も範囲がそろっていません。ニュースサイトでも、政治・経済中心のサイトはエンタメサイトに分類されず、芸能・映画・スポーツ中心のサイトはエンタメニュースサイトに分類されます。日本では「エンタメ業界で働く」のように、楽しませる側の活動や産業を指す文脈でも使われ、受け手側のコンテンツ消費に限られません。娯楽性がなければエンタメには区分されない、という線引きが共通しています。

語源と表記のゆれ

語源はラテン語のinter(間に)とtenere(保つ)に遡ります。この2語が結びついて英語のentertainが生まれ、人の関心や時間を「あいだに保つ=引きつけておく」という原義から、楽しませる行為を指す動詞として定着しました。

たとえば日本語の表記は今もエンターテインメント、エンターテイメント、エンタメと並立しており、企業の正式名称や業界団体名にはエンターテインメントが使われる傾向があります。株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントのようにエンタテインメント表記を採用する企業もあります。

一方、普段の会話やネットメディアでは短縮形のエンタメが定着しており、日本テレビ系バラエティの番組名「エンタの神様」の「エンタ」もentertainmentに由来します。

類語との違い

エンタメに近い言葉として、レクリエーション、アミューズメント、レジャーが挙がります。守備範囲が違うため、同じ娯楽でも文脈によって使い分けがあります。

たとえばレクリエーションは心身のリフレッシュを目的とした活動を指し、キャンプや軽い運動、職場の親睦行事などが入ります。アミューズメントは遊園地やゲームセンターといった施設に紐づいた娯楽で、エンタメより範囲は狭い概念です。レジャーは余暇活動全般で、旅行や趣味、観光なども含む最も広い括り。

ただし日常の使い分けで見ると、映画やコンサートはエンタメと表現され、遊園地はアミューズメントと呼ばれます。同じ「楽しむ」場面でも、コンテンツが主役なのか施設が主役なのかで言葉が切り替わります。エンタメには「楽しませる側=産業や職業」の意味が含まれる点で、受け手側の活動を指すレジャーやレクリエーションとは重心が異なります。

エンタメの主なジャンル

エンタメと一口にいっても、映像、音楽、ゲーム、舞台、デジタルコンテンツでは作り方も届け方も大きく異なります。ここからは5つのジャンルごとに、市場の動きと体験のされ方を見ていきます。

映像(映画・ドラマ・アニメ)

映像エンタメは劇場と配信の二軸で動いています。劇場は大作やイベント性の高い作品が中心、配信はNetflix・Disney+・U-NEXTといったプラットフォームで連続視聴前提のドラマやアニメシリーズが主軸。映画館に出向く体験と自宅で連続再生する体験では、市場のしくみそのものが変わります。

たとえば劇場側の象徴が「鬼滅の刃 劇場版 無限列車編」で、興行収入400億円超を記録しました。アニメの複数配信で原作ファンを広げてから劇場版を投入し、グッズも大量展開する形で収益を積み上げました。コンテンツ単体ではなく、作品横断で収益を生む設計です。

日本のアニメは海外配信で現地ファンを抱える独自カテゴリとして定着しました。ハリウッド大作と並ぶ規模の興行成績を日本のアニメ作品が出すことも、近年は珍しくありません。

音楽(ライブ・配信)

Spotifyの有料会員数は全世界で2億人を超えました。Apple Music、Amazon Musicを含めたサブスク型配信サービスが音楽消費の主流となり、CDの売上はピーク時から大きく減少しました。月額固定でほぼ全ての楽曲にアクセスできる体験が広まり、音源を所有する購買行動は急速に縮小しています。

ただし配信が伸びても、ライブ・フェスの存在感は薄れていません。サマーソニックやフジロックといった大型音楽フェスでは、配信では得られない臨場感や観客同士の一体感が体験価値として残ります。

音源と現場で役割が分かれ、アーティストは配信で楽曲を広く届けつつ、ライブで収益とファンのつながりを深める動き方へ変わってきました。

ゲーム(家庭用・スマホ・eスポーツ)

ゲーム市場の象徴が、2016年リリースの『POKEMON GO』です。総ダウンロード数10億回超という記録的なヒットで、リリース当時は世界各地の公園や駅前に人だかりができました。

一方、家庭用ゲーム機の世界市場は、長らく任天堂とソニーのプレイステーションが牽引してきました。2010年代以降のスマートフォン普及がゲーム人口を押し広げ、家庭用ゲーム機を持たない層にもリーチした結果、子どもから高齢層まで支持される市場に変わりました。スマホ向けタイトルが家庭用と肩を並べる売上を稼ぐようになり、ゲーム会社の主戦場は1つの端末にとどまらない時代に入りました。

さらに、eスポーツという新カテゴリも生まれています。プロゲーマーの大会や賞金が成立し、観戦そのものが独立したエンタメ消費の一形態として広がっています。野球やサッカーと同じく、プレーする側と観る側の両方で市場が動く形です。

舞台・イベント(演劇・フェス・スポーツ観戦)

劇団四季のロングラン公演では、開演前のロビーに開場待ちの行列ができ、終演後は出待ちで劇場前が賑わうのも日常の光景です。同じ作品が10年単位で上演され、リピーターが何度も足を運ぶ独特のサイクルがあります。舞台ジャンル特有の動きです。

音楽フェスでは1日で複数アーティストのライブを観られ、移動の合間に物販やフードで過ごす時間も含めてフェスの体験になっています。プロ野球やJリーグのスポーツ観戦では、勝敗の行方で会場全体の空気が変わる瞬間を見知らぬ観客同士が同時に共有できるのがリアル会場の強みです。デジタル化が進んで配信が普及したことで、むしろリアル会場の体験価値は逆に見直されています。

デジタルコンテンツ(動画配信・VTuber・SNS)

デジタルコンテンツの代表例がYouTubeとTikTokで、テレビ局や映画会社を経由せず個人クリエイターが直接ファンを抱える形態が広がっています。チャンネル登録者数百万人のクリエイターが企業案件や物販で生計を立てる動き方は、従来のテレビや映画とは別軸でできあがっています。

たとえば日本発のカテゴリとして注目されているのがVTuber。バーチャルキャラクターが配信し、視聴者はコメントやスーパーチャットで参加します。アーティストや声優としての活動範囲も持ち、CDリリースやリアルライブも行うなど、デジタル領域から既存エンタメ産業へ活動を広げる事例が増えています。

SNS上のショート動画も独立した消費形態として定着しました。縦型動画を片手でスワイプしながら短時間で大量に消費する体験は、テレビ番組や映画を腰を据えて観る体験とは別物。視聴者がコメント、シェア、投げ銭でコンテンツに参加する楽しみ方は、デジタルコンテンツ全般の特徴です。

VTuber配信を運営・制作で支える職種の仕事内容や働き方については、以下の記事で解説します。

VTuberスタッフとは?仕事内容・職種・年収・なり方を解説

エンタメ業界の市場規模

日本のコンテンツ市場は14兆9,003億円に達し、過去最高を更新しました。

鉄鋼産業や半導体産業の市場規模を上回るスケールです。政府は日本発コンテンツの海外売上を20兆円に引き上げる目標を掲げており、重点産業として位置づけられています。

国内市場の全体像

国内市場の全体像を見ると、14兆9,003億円のうちデジタルコンテンツ単体で11兆円を超えます。

市場の主役はパッケージ型からデジタル配信へ移っており、この移行が市場拡大を牽引してきました。CD・DVD・書籍といった物理メディアの売上は縮む一方、サブスクリプション型の音楽・動画・電子書籍は物理メディアの落ち込みを上回るペースで拡大中。

デジタル化は単純な置き換えで終わらず、月額課金モデルで消費頻度そのものが押し上げられました。鉄鋼や半導体と並ぶ基幹産業として、政策面でも輸出戦略の柱に据えられています。

成長している分野

ゲーム市場は2023年に2兆1,255億円となり、前年比4.6%増で拡大を続けています。動画配信市場は5,930億円(2024年)から、2029年には7,873億円まで伸びるという予測も出ています。

一方で、ライブエンタメ市場は別の動きを見せています。ぴあ総研によると、2019年に6,295億円あったライブ・エンタメ市場はコロナ禍の2020年に1,106億円まで急落し、2割に届かない水準まで縮みました。その後の数年で回復軌道に乗り、2024年には7,605億円と過去最高を記録しています。

ただし全分野が伸びているわけではありません。テレビ広告費とCD等パッケージメディアは縮小傾向にあり、消費がデジタル配信とライブ体験の両極に分かれている構図が見えます。パッケージ型のビジネスはその中間で縮んでおり、配信でもライブでもない物理メディア単体の市場は厳しい状況です。

エンタメの最新トレンド

ここ数年のエンタメ消費は、所有からアクセスへ、視聴から参加へと質的に変わりました。市場全体の伸びを支えているのも、この消費スタイルの変化です。

サブスクリプションの定着

サブスクリプションの定着を示す数字として、Netflixは全世界で3億人を超える会員を抱えています。日本国内ではApple MusicやXbox Game Passの利用も拡大中です。

CDやDVDを買って所有する時代から、月額定額で必要な時にアクセスするスタイルへ。音楽・映像から電子書籍・ゲームにまで、定額課金は幅広く浸透しています。

ただし、クリエイターの収益のかたちも変わりました。単品販売から再生回数ベースへの転換が進み、長く聴かれ続けるコンテンツほど収益が積み上がる仕組みです。ヒット1曲より継続再生される楽曲の方が収益で上回るケースは珍しくありません。

ライブ配信と参加型コンテンツ

YouTube LiveやTwitchといったリアルタイム配信プラットフォームが広まっています。視聴者はコメントやスーパーチャットで配信に直接参加でき、投げ銭はチップを超えて配信者と視聴者の収益が直接結びつく仕掛けに拡張されました。

日本発のVTuber文化も、この流れの中で世界的に広がっています。キャラクターを介した配信は言語や文化の壁を越え、海外ファンの裾野は広がりました。

プラットフォーム手数料と広告だけに依存しない収益構造が生まれました。視聴者は観客であると同時に、配信を成立させる参加者でもあります。

AIやVRの活用

VRゴーグルが消費者向けに普及し始めたのは2010年代後半からです。技術自体は古くから存在したものの、エンタメ用途として一般家庭に広まったのはここ10年弱の話です。

たとえばclusterやVRChatといったメタバースプラットフォームでは、アーティストのバーチャルライブが定期的に開かれています。ファンはアバターで参加し、重力や空間の制限がない3D空間ならではの演出を体験できます。現実会場では物理的に不可能な映像表現が、バーチャルライブでは実現されます。

制作の現場ではAI音楽生成ツールやAIイラスト生成ツールも実用段階に入りました。プロのクリエイターがAIを補助ツールとして組み込み、制作スピードを上げる動きが広がっています。ゼロから手で作るスタイルと、AIで初稿を起こすスタイルが共存し始めました。

エンタメ業界で働くには

エンタメは楽しむだけでなく、仕事として関わる道もあります。イベントプランナー、音響エンジニア、映像編集者、VTuberスタッフなど、表に出る仕事から裏方まで職種の幅は広く、求められるスキルはそれぞれ異なります。

エンタメ業界への就職を考えるなら、まず業界の現実を把握しておく必要があります。厚労省の雇用動向調査(2019年)によると、娯楽業の離職率は23.9%で全業種の中でも高い水準にあります。華やかなイメージとは裏腹に、長時間労働や給与水準の低さが背景にあるためです。

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まとめ

エンタメとは人々を楽しませる娯楽全般を指し、映像、音楽、ゲーム、舞台、デジタルコンテンツなど多彩なジャンルがあります。国内市場は約15兆円に達し、ゲームや動画配信、ライブエンタメが成長を続けています。サブスクリプションの定着やAI・VRの活用といったトレンドによって、楽しみ方そのものも変化し続けている分野です。

エンタメ業界で働くことに興味がある方は、まず気になる職種の仕事内容から調べてみてください。

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