【2026年版】エンタメ業界年収ランキング!大手15社を業種別に比較
エンタメ業界への就職や転職を考えていると、実際のところ給料はどうなのかという疑問は避けて通れません。テレビ局なら高収入というイメージがある反面、ゲーム会社や映画会社はどうなのか、感覚だけでは判断しにくいのが現状です。
業界全体で見ると、企業によって年収の水準は大きく異なります。さらに、数字の種類によって印象が大きく変わります。有価証券報告書に載っている平均年収は、持株会社(HD)として集計されているケースと、実際に働く事業会社単体で集計されているケースで、数百万円単位の差が出ることもあります。
業種によって年収の水準は数百万円単位で変わり、さらに同じ企業でも持株会社(HD)か事業会社かで数字の意味が大きく異なります。どの企業・業種を目指すか、データをもとに判断軸を持てるようになります。
この記事の内容
- エンタメ業界年収ランキングの対象企業と見方
- 【2025年最新】エンタメ業界年収ランキングTOP15
- 1位 フジ・メディアHD(テレビ・映画)1,621万円
- 2位 テレビ朝日HD(テレビ)1,474万円
- 3位 TBSホールディングス(テレビ)1,460万円
- 4位 テレビ東京HD(テレビ)1,446万円
- 5位 日本テレビHD(テレビ)1,373万円
- 6位 バンダイナムコHD(ゲーム・IP・玩具)1,216万円
- 7位 東宝(映画・演劇)1,085万円
- 8位 WOWOW(衛星放送)1,049万円
- 9位 任天堂(ゲーム)985万円
- 10位 カプコン(ゲーム)919万円
- 11位 東映(映画・アニメ)892万円
- 12位 KADOKAWA(出版・アニメ・IP)885万円
- 13位 DeNA(ゲーム・エンタメ)883万円
- 14位 セガサミーHD(ゲーム・アミューズメント)879万円
- 15位 サンリオ(キャラクター・IP)877万円
- 業種別の年収傾向
- まとめ
エンタメ業界年収ランキングの対象企業と見方
今回ランキングの対象にしたのは、テレビ・ゲーム・映画・出版・テーマパーク・衛星放送の各業種から選んだ上場エンタメ企業15社です。データは各社が開示している有価証券報告書(各社最新版)をもとにしており、平均年収はいずれも単体従業員を基準とした数値です。
注意が必要なのは、HD(持株会社)と事業会社(実際に業務を行う子会社)では、同じ平均年収という言葉でも意味がまったく異なる点です。持株会社は社員数が数十〜数百名程度と少ない分、管理職や役員クラスの比率が高くなり、平均年収が実態より高く見えやすい構造があります。実際に入社して働くことになる事業会社の数値と比べると、数百万円の差が出るケースも存在します。スクウェア・エニックスHDはこの持株会社と事業会社の乖離が特に大きく、比較の前提条件がそろわないため、今回のランキングからは除外しました。
もう一つ頭に入れておきたいのは、売上が高い企業ほど年収が高いという図式が、エンタメ業界では必ずしも成り立たないことです。コンテンツ制作に多くのコストがかかる業種や、人員規模が大きい企業では、売上規模と一人当たりの年収が比例しないケースが多くあります。この点がエンタメ業界の年収を読み解くうえで最も大事な視点です。
【2025年最新】エンタメ業界年収ランキングTOP15
エンタメ業界の年収を調べると、上位を占めるのはある特定の業種に集中していることがわかります。夢はあるけど給料が低そうというイメージと実際のデータの差は、業種によっては想像をはるかに超えます。
1位 フジ・メディアHD(テレビ・映画)1,621万円

フジ・メディア・ホールディングスは、フジテレビジョンやポニーキャニオンなどを傘下に持つ持株会社です。有価証券報告書に記載される従業員数は43名(最新時点)で、このほぼ純粋な管理機能のみを担当する少人数が年収の平均値を押し上げる構造です。
実際に番組を制作するスタッフの多くはフジテレビジョン株式会社などの子会社に所属しており、そちらの年収とは別の水準です。
ただ、2024年度の業績は深刻です。フジテレビ社員が関与した問題を契機にCM差し止めが相次ぎ、放送収入が計画比で約233億円下振れし、2025年3月期に初の営業赤字に転落する見通しとなりました。
年収数値そのものは1位ですが、HD構造による数値の膨らみと、グループ全体が直面する業績悪化の両方を理解したうえで判断することが大切です。就職・転職を検討するなら、フジ・メディアHD本体ではなく、実際の採用窓口となる子会社の待遇を個別に確認するのが確実です。
2位 テレビ朝日HD(テレビ)1,474万円

テレビ朝日ホールディングスは1位と同じHD単体の数値ですが、テレビ朝日グループは2024年度の年間視聴率で世帯・個人全体ともに全日帯・ゴールデン帯・プライム帯の3冠を達成しました。個人全体視聴率での3冠は開局以来初めての快挙です。
視聴率の底力を支えているのは長寿番組の安定感です。報道ステーションは2019年度から6年連続で同時間帯トップ、羽鳥慎一モーニングショーは5年連続トップを維持。
ポツンと一軒家も5年連続同時間帯首位で、固定の視聴者層を確実に掴んでいます。
ドラマでは木村拓哉主演の開局65周年記念作品や、相棒シリーズが引き続き安定した視聴率を維持。視聴率の安定を支えているのは、年齢層を問わず取り込める編成力です。
視聴率の安定は広告収入に直接反映されるため、財務面ではキー局のなかでも上位に位置します。
3位 TBSホールディングス(テレビ)1,460万円

TBSホールディングスは、メディア・コンテンツ事業に加えてライフスタイル事業と不動産事業を展開する複合企業です。テレビ放送の広告収入だけに依存しない事業構成が、安定した収益を下支えしています。
テレビ局としてのTBSは、ドラマ制作での評価が国内キー局のなかでも最高水準に位置します。半沢直樹や逃げるは恥だが役に立つといった大ヒットドラマを生み出した日曜劇場は、民放ドラマ枠で最も歴史が長く、TBSの看板コンテンツとして機能し続けています。
ドラマが強い局は配信権・海外販売・二次利用でも収益が広がります。
メディア・コンテンツ事業は前期比で減益になりましたが、不動産事業からの安定収入がグループ全体の利益水準を維持しました。テレビ広告市場が縮小傾向にあっても、TBSがグループとして収益を確保できる体制を持っている点は、就職先を選ぶうえで注目に値します。
4位 テレビ東京HD(テレビ)1,446万円

テレビ東京ホールディングスは、キー局5社のなかで最も視聴率でハンデのある局ですが、その分アニメとグローバルIPビジネスに特化した戦略で収益を確保してきました。毎クール25本前後のアニメを放送する本数はキー局最多で、NARUTO・遊戯王・ポケモンなど、海外でも認知される作品群を長年にわたって持つのが強みです。
テレビ東京HDの決算では、アニメ・配信事業が営業利益の大きな割合を占める時期もあり、テレビ広告に依存しない収益モデルができた。アニメビジネス収入は中国・北米市場でも拡大しており、2028年3月期に向けた中期経営計画でもアニメ・配信事業を第1の成長エンジンと位置づけます。
グローバルIP企業への進化という方向性は、他のキー局とは一線を画します。アニメやコンテンツビジネスに関わりたい人にとって、テレビ東京グループは選択肢のひとつとして検討する価値があります。
5位 日本テレビHD(テレビ)1,373万円

日本テレビホールディングスは2023年、スタジオジブリの株式42.3%を取得し子会社化しました。評価額約366億円、投資額100億円というこの決断は、テレビ広告市場が縮小するなかでIPビジネスへの転換を打ち出した選択です。
その効果は業績にも現れています。ジブリ連結子会社化後の直近上半期は、コンテンツ販売収入が前期比で100億円上積みされました。
金曜ロードショーでジブリ作品を長年放送してきた関係性を基盤に、キャラクタービジネスや海外展開など、複数の収益ルートを一気に取り込んだ形です。
放送事業の視点でも、2024年に大きな話題を集めたアニメを複数輩出しており、コンテンツ力は健在です。ジブリというIPの価値をどう使うかは今後の経営の焦点であり、成功すれば日テレグループ全体の収益構造は大きく変わります。
6位 バンダイナムコHD(ゲーム・IP・玩具)1,216万円

バンダイナムコホールディングスは、ゲーム・アニメ・玩具を横断してIPを展開する企業です。ガンダム・ドラゴンボール・ナルト・ラブライブ・エルデンリングなど、国内外で強固なファンを持つIPを複数保有し、ゲーム・映像・ライセンス・グッズと複数の収益経路でマネタイズする体制を持ちます。
直近期の連結売上高は1兆2,415億円(前期比18.2%増)で、売上・利益ともに過去最高を更新しました。機動戦士ガンダムSEED FREEDOMがガンダムシリーズ劇場公開作品の歴代興行収入トップを記録し、ブルーロックの劇場版も好調なスタートを切りました。
テレビ局のHD構造と異なり、バンダイナムコHDは持株会社として事業統括機能を持つため、年収数値の信頼性は高めです。
ゲーム業界の視点では、エンタメ企業のなかで最高水準の年収です。テレビ局のように広告市場の変動に左右されにくく、グローバルなIPビジネスで安定収益を確保できる体制は、就職・転職先として検討する価値があります。
7位 東宝(映画・演劇)1,085万円

東宝は映画配給・TOHOシネマズの運営・演劇・不動産という4つの事業を持つ複合企業です。直近期の連結売上高は過去最高の3,131億円(前期比10.5%増)、営業利益は646億円(同9.2%増)で、利益面でも記録を更新しました。
高収益を支えているのは映画事業だけではありません。東宝が都内一等地に保有する不動産(新宿東宝ビル、東宝日比谷ビル等)の賃貸事業は、毎年45%前後の営業利益率を誇ります。
映画の興行成績は作品によってブレますが、不動産収入は景気に左右されにくい安定した収益源です。
映画事業では名探偵コナンやハイキュー!!などの人気作品を配給し、アニメ映画でも国内トップクラスのシェアを維持しています。エンタメ業界のなかでは映画・演劇志望者に最も近い選択肢であり、コンテンツ事業と不動産収益が組み合わさった財務の安定感は、業界内でも際立ちます。
8位 WOWOW(衛星放送)1,049万円

WOWOWは日本初の民間衛星放送局として1991年に開局した、加入者課金型のビジネスモデルを持つ企業です。広告収入に依存せず、月額会費を主な収益源とするため、景気の波や広告市場の変動を受けにくい財務体質が特徴です。
2024年度の累計正味加入件数は236万件です。有料チャンネルの性質上、規模はキー局と比べて小さく、従業員数も少数精鋭の体制を維持しています。
その少人数で高収益を上げる構造が、1,049万円という平均年収に反映されています。
ボクシング・テニスなどのスポーツ中継、オリジナルドラマ(連続ドラマW)、海外映画の独占放映など、広告ありきでない高品質コンテンツに強みがあります。規模は大きくないものの、放送・コンテンツビジネスを深めたい人にとって選択肢に入る企業です。
9位 任天堂(ゲーム)985万円

世界的なゲームメーカーとして知られる任天堂の平均年収は、有価証券報告書ベースで985万円です。Switch 2が発売初日から世界記録を更新した企業としては、数字が思ったより低く映ることもあるはずです。
京都に本社を置く任天堂は、日本型の雇用慣行を色濃く残しています。年功賃金・終身雇用に近い文化が根づいており、成果連動の報酬が前面に出るIT系企業とは賃金の上がり方に違いがあります。
20代・30代は業界相場と大きく変わらず、管理職になって初めて報酬の差が開くイメージです。
もっとも、安定さ・福利厚生・企業ブランドの三点では業界最高水準に近い評価を受けています。エンタメ業界は景気や流行に左右されやすい職場が多い中、任天堂は収益の安定感が際立ちます。
腰を据えてキャリアを積みたい人、安定を第一に置く人に合った会社です。
10位 カプコン(ゲーム)919万円

バイオハザード・モンスターハンター・ストリートファイターなど、世界に通用するIPを自社で保有しているカプコンは、近年で最も年収水準の伸びが大きいゲーム会社です。2025年3月期の有価証券報告書では平均年収919万円を記録し、ここ数年で大幅な上昇が続いています。
この伸びを支えているのが、海外売上比率約84%に達するグローバルな収益基盤です。北米・欧州でのヒットタイトルが利益を押し上げ、会社はその利益を積極的に人件費へ還元してきました。
社長の辻本春弘氏は「2026年3月期に平均年収1,000万円超を目指す」と公言しており、現時点でも入社後に年収が伸びやすい環境にあります。
2024年度には在籍社員への平均5%超のベースアップを実施し、新卒初任給も30万円(旧23.5万円から約28%増)に引き上げました。給与水準の上昇が現在進行形で続いているため、エンタメ・ゲーム業界への就職・転職を検討するなら動向を追いかけておきたい企業です。
11位 東映(映画・アニメ)892万円

仮面ライダー・スーパー戦隊・ドラゴンボール・ワンピース——これらすべてを単独で保有する東映は、日本のエンタメ企業のなかでも突出したIP資産を誇ります。映像系の事業会社としては高い水準で、映画・アニメ・配信の複合収益が年収を下支えしています。
収益の安定を支えているのは、IPのクロスメディア展開です。テレビ・映画・配信・グッズ・ライセンス料と複数の収益源があるため、特定のヒット作に依存しにくい構造です。
東映特撮ファンクラブ(自社配信サービス)は350タイトル以上の見放題で会員を伸ばし、ワンピースの海外配信権販売も順調です。
なお、平均年齢は42.7歳・平均勤続年数15.4年と、社員の長期在籍が前提の組織文化です。若手の段階での給与水準は平均値から離れることが多く、年収892万円はあくまで在籍社員全体の平均だと理解したうえで志望先の検討に使うことが大切です。
12位 KADOKAWA(出版・アニメ・IP)885万円

KADOKAWAは出版・アニメ・映画・ゲーム・Webサービス(ニコニコ)をひとつの会社でまとめて運営しているのが最大の特徴です。平均年収は885万円で、単体企業としては出版系のなかでトップクラスに位置します。
ただし、2024年6月にランサムウェアによる大規模なサイバー攻撃を受け、直近期の最終利益は前年比35%減の73億円となりました。有価証券報告書の提出自体が遅延するほどの影響で、一時的に業績と社内体制の両面で混乱がありました。
アニメ部門は好調を維持し、ニコニコ超会議などのイベント収益も回復しています。
IPの多様性という点では、ライトノベルから映画・ゲームまで一気通貫で手がける規模感はエンタメ業界のなかでも独自です。ソニーとの協業による出版作品の海外展開も進んでおり、サイバー攻撃の影響が落ち着いた後の成長が期待される局面にあります。
13位 DeNA(ゲーム・エンタメ)883万円

DeNAはゲームをきっかけに成長した会社ですが、現在は横浜DeNAベイスターズ(プロ野球)・ヘルスケア・AI・ライブコミュニティと、事業領域が大きく広がっています。直近の有価証券報告書では平均年収883万円で、前年の854万円から約30万円の上昇です。
2024年11月、横浜DeNAベイスターズがセ・リーグ3位からの下剋上で日本シリーズを制覇し、26年ぶりの日本一になりました。スポーツ興行としての集客・経済効果も高く、横浜スタジアムの観客動員数は過去最高の236万人・稼働率96%を達成しています。
ゲーム事業だけでなく、AI・ヘルスケア・スポーツデータ分析まで横断する事業構造は、エンジニア・マーケター・プランナーどのポジションでも幅広い経験を積みやすい環境でもあります。エンタメ×テクノロジーの交差点で仕事をしたい人にとって、視野に入れる価値がある企業です。
14位 セガサミーHD(ゲーム・アミューズメント)879万円

セガサミーホールディングスは、セガ(ゲーム・アーケード)とサミー(パチスロ・パチンコ)が経営統合したホールディングス会社です。有価証券報告書ベースで平均年収879万円で、近年は上昇トレンドが続きます。
この数値はHD(持株会社)の数値である点に注意が必要で、子会社のセガやサミーに就職・転職した場合の年収とは水準が異なります。ゲーム開発職での実際の年収水準を知りたい場合は、子会社単体の有価証券報告書や求人情報を合わせて確認することが必要です。
事業構成でいうと、遊技機事業(サミー)は安定した利益を生み出しており、ゲーム事業(セガ)はソニックなどの海外向けIPで引き続き収益を上げています。セガの看板タイトルは、龍が如くシリーズ・ペルソナシリーズ・ソニックシリーズなどで、国内向けの重厚な物語系RPGから北米・欧州向けのアクション系まで多彩なラインアップです。
ゲーム開発・IPマネジメント・アーケード運営と異なる事業軸が共存しているため、業種をまたいだキャリアを積みたい人には選択肢が広がりやすい環境です。ゲームとアミューズメントの双方に関心がある人にとっては、就職・転職先としてユニークな選択肢になります。
15位 サンリオ(キャラクター・IP)877万円

ハローキティだけで世界800億ドルの累計ライセンス商品売上を誇るサンリオは、IPライセンスを中心にしたビジネスモデルがほぼ唯一無二の企業です。平均年収877万円という数値は、ゲームや映像の制作コストを持たずライセンス料で収益を得る構造が支えています。
直近期の売上高は前期比45%増の1,449億円、営業利益は92%増の518億円と急拡大しました。北米では6期連続赤字から脱却して営業利益過去最高を記録し、中国ではクロミ・シナモロールなど複数キャラクター戦略が機能しています。
近年の業績回復に伴い、年収水準も改善傾向が続きます。
キャラクターポートフォリオという点では、ハローキティ一本に依存しない多軸戦略が近年の急成長を支えました。クロミは中国・北米の10代〜20代向けに展開し、シナモロールはアジア圏でリカちゃん人形と競合するほどのブランド認知を持ちます。
キャラクターごとに異なるターゲット層と展開地域があり、ライセンス管理・マーケティング・海外パートナー交渉など、それぞれのIPに付随する業務の種類も多様です。
従業員数は子会社込みで約800人弱と、エンタメ系の上場企業のなかでは小規模な組織です。IPライセンスに特化した事業構造のため、クリエイティブ職・ライセンス営業職・海外ビジネス担当のいずれも少数精鋭での配置になっており、入社後に経営の近いところで幅広い業務を経験しやすい。
業種別の年収傾向
エンタメ業界といっても、テレビ・ゲーム・映画・出版ではビジネスモデルが根本的に異なり、年収水準も数百万円単位で変わります。どの業種を目指すかによってキャリアの選択肢が大きく変わるため、それぞれの構造を理解してから入ると判断しやすくなります。
テレビ・放送業界
テレビキー局が年収ランキング上位を独占する最大の理由は、少人数で高単価のCM広告収益を独占する構造にあります。フジ・メディアHD(1位・1,621万円)、テレビ朝日HD(2位・1,474万円)、TBSホールディングス(3位・1,460万円)が上位に並ぶのは、HD(持株会社)本体の社員数がごく少数のため、分母が小さいぶん平均年収が高く算出されます。
実際に番組制作や営業を行う事業子会社の社員は、この数字より年収が低くなるケースが多い点は知っておくべきです。
WOWOWが8位(1,049万円)と高水準にある理由は、月額課金モデルによる安定収益と、社員数の少なさにあります。対照的に、1位のフジ・メディアHDは、2025年に入り広告主離れや視聴率低下、経営体制への批判が顕在化しており、数字の高さがそのまま安定さを意味しないことを示しています。
転職先として検討する場合、テレビキー局は採用枠が極めて限られており、年収の高さと引き換えに競争率の高さも覚悟が必要です。
ゲーム業界
ゲーム業界の年収上位はIPを複数保有する大手が占め、バンダイナムコHD(6位・1,216万円)、任天堂(9位・985万円)、カプコン(10位・919万円)が続きます。バンダイナムコがHD形式で社員数が絞られているのに対し、任天堂は単体企業として数千人規模の社員を抱えながらも985万円を維持しており、売上の大きさに対してその水準はむしろ抑えられた印象があります。
これは京都本社の文化的背景や年功的な賃金体系が影響していると言われています。
モバイルゲームを主力とするDeNA(13位・883万円)と、コンシューマーゲームのセガサミーHD(14位・879万円)は近接した水準ですが、収益構造は異なります。DeNAはゲームアプリの課金収入に依存する一方、セガサミーHDはアーケード・パチンコ事業が収益の柱にあります。ゲーム業界はエンジニア・プログラマー職の需要が高く、職種によっては掲載されている平均年収を大きく上回る水準での採用が行われているため、技術職での転職を検討している場合は業界平均を起点に交渉できます。
映画・アニメ・出版・IP
東宝(7位・1,085万円)が映画業界で突出して高いのは、映画配給・不動産・演劇を組み合わせた複合収益モデルと、正社員数の少なさによります。東映(11位・892万円)やKADOKAWA(12位・885万円)は事業多角化を進めつつも、制作部門や流通部門に人員を多く抱えるぶん、東宝ほど平均が上がりにくい構造になっています。
サンリオ(15位・877万円)は近年のグローバルIPライセンス展開によって業績が急回復し、年収水準も改善が続いています。売上規模よりもIPの収益性が年収を左右するのが、この業種の特徴です。
なお、オリエンタルランドはTOP15外で平均年収601万円と最も低い水準ですが、これはテーマパーク運営という業態が大人数の現場スタッフを必要とするためで、ビジネスモデルの違いが平均値に直接反映された結果です。
まとめ
テレビキー局がランキング上位を占めているのは、HD構造の分母効果が主な要因です。実際に入社して働く事業会社の年収はこれとは別物で、ゲーム・映画・出版・キャラクターIPはそれぞれ収益モデルが違うため、同じエンタメ業界でも企業ごとの差は数百万円単位です。
志望先を絞り込む前に、三つの点を確かめてほしい。
一つ目はHD(持株会社)か事業会社かという数値の前提です。高い年収数字が持株会社の少人数効果によるものなら、実際の就業先となる事業会社の水準は別途確認してください。
二つ目は安定収益型か高成長型かという軸です。WOWOWのような月額課金モデルや不動産を持つ東宝は景気変動への耐性が高く、カプコンのようにグローバル展開中の企業は年収上昇の余地が大きい反面、業績との連動も強くなります。
三つ目は入社後の年収の上がり方です。任天堂のように年功的な賃金体系の企業は腰を据えてキャリアを積みたい人に向いており、DeNAのようにAI・スポーツなど事業が広がる企業は、事業の成長に乗じてキャリアが広がりやすい環境にあります。
年収の数字だけでなく働き方の実態も知りたい方はエンタメ業界はやめとけ←なぜ?理由や向いている人の特徴など解説!も参考にしてください。
エンタメ業界への転職・就職を本格的に検討するなら、エンタメ業界への就職は難しい?そう言われる理由や成功するためのコツなど解説!で業界特有の選考事情や対策を確認するところから始めてください。