声優マネージャーになるには?未経験からの目指し方と仕事内容を解説
声優マネージャーを調べると、求人がなかなか見つからず手が止まります。転職サイトを開いても声優志望向けの案内が多く、マネージャー職は表に出にくい仕事です。
声優プロダクションへの直接応募が王道で、未経験OKの求人もあります。ただし事務所の採用は非公開で進むことも多く、求人サイトだけでは情報に限りがあります。
エンタメ業界特化のエージェントを使えば、表に出ていない求人にたどり着けることがあります。
仕事の実態、下積み期間の賃金水準、採用枠の狭さを以下でまとめています。応募するかどうかを判断できる材料がそろいます。
この記事の内容
声優マネージャーの仕事内容
収録現場やイベントで声優と顔を合わせる機会は多い仕事です。接し方は、仕事のパートナーとして向き合うのが前提で、ファンとして近づくのとはまったく違います。好きな声優に会えると思って検索してたどり着いた人ほど、最初に確認しておきたい距離感です。実際の中身は、声優の仕事を取りに行く動きが大きな比重を占めます。
担当声優の仕事を取ってくる営業の側面
声優マネージャーの軸は、担当声優の仕事を取ってくる営業です。
人気声優でない限り、声優の仕事を増やすには制作現場への売り込みと情報収集が要ります。事務所で連絡を待っているだけでは出演の機会は増えません。そこで外に出て、電話でアポを取り、取引先に顔を出す動き方になります。オーディションやキャスティングの情報を集め、担当声優のどこを推せるかを相手に伝えながら、案件につなげていく日々です。
さらに、出演依頼が来てからも判断は続きます。企画内容、出演時間、ギャランティを確認し、声優にとって無理のない条件かを見て交渉します。安く買い叩かれそうなときに条件を押し返すのも、移動を含めて予定が回るかを見るのも、マネージャーの仕事のうちです。
声の現場で声優を支える裏方の仕事
アフレコでは、スタジオ入りの時間を確認し、台本や資料の準備を手伝います。本番前に飲み物を用意したり、収録前の簡単なケアに動いたりします。声優が安心して本番に入れるよう、現場の段取りを整える役回りです。
現場は収録だけではありません。ライブイベントや朗読劇、発売記念の催しでは、会場との打ち合わせ、台本の確認、出演者の導線チェックと、本番前にこなす準備が多くなります。当日は進行表に沿ってイベントが滞りなく進むよう現場を回し、ファンとの交流が安全に行われるよう目を配ります。
もっとも、収録やイベントの当日は交通渋滞や機材トラブル、急な出演変更が起きます。予定どおりに進まない場面で、声優の代わりに段取りを立て直すのもマネージャーの動きです。
事務作業やSNS管理まで広がる業務
請求書の作成、スケジュール表の更新、プロフィール資料の管理、出演料の入金確認まで、デスクワークも声優マネージャーの仕事のうちです。
加えて、SNS投稿の方向性を相談したり、タイアップ企画の告知タイミングを調整したりと、広報のサポートにも関わります。投稿前には写真や共演者の掲載許可を確認し、炎上を避けるための内容チェックも入ります。こうした表に出ない手作業が、声優の活動を支える日常です。
配信管理やSNS運用の比重がさらに増す近接職種として、VTuberマネージャーがあります。業務の重なりと違いを知りたい場合は以下の記事も参考になります。
▶ VTuberマネージャーになるには?未経験からの目指し方と必要スキルを解説
声優マネージャーと芸能マネージャーの違い
タレントの活動全般を支える芸能マネージャーと、仕事の組み立て方は同じです。違うのは、声の仕事に特化した現場対応力と業界知識が求められる点です。アフレコ、ナレーション、ボイスサンプルの収録と、現場ごとに音響監督や録音技術とのやりとりが異なります。
声の現場ごとに変わる進行と音響監督とのやりとり
俳優のマネージャーなら、撮影現場とイベント会場でやることはそう大きく変わりません。声優の現場は逆です。
アフレコ、ナレーション、歌唱の収録、イベントと、現場が変わるたびに進行も組み立て直しになります。台本の差し替え、録音技術のスタッフとの段取り、プロデューサーや音響監督との細かいすり合わせ。同じ収録でも、関わる人と進め方は毎回ちがいます。
業務そのものも声に寄っています。たとえば台詞や歌唱の練習サポート、オーディションへの同行、ボイスサンプルの収録準備も担います。出版社、ラジオ局、アニメ制作会社と、現場ごとに違う関係者と情報を共有しながら動きます。
声が商品だからこその喉のケア
声優にとって、声そのものが売り物です。風邪で声が変われば収録は止まります。
そのため、マネージャーは収録やライブの現場に同行して、担当声優の体調や喉の調子に目を配ることになります。
芸能マネージャー全般の仕事との重なりは、こちらの記事でも整理しています。
▶ 芸能マネージャーになるには?未経験からの目指し方や向いている人の特徴を解説
声優マネージャーに資格・スキルは必要か
特別な国家資格は求められず、応募条件さえ満たせば未経験でも門は開いています。ただし普通自動車免許だけは別枠です。
国家資格は不要だが普通免許はほぼ必須
専用の国家資格はありません。
とはいえ応募の場面で効いてくるのは免許です。声優の送迎、地方出張、収録現場への移動と、車を出す場面が日常的にあるため、求人で普通自動車免許を条件に挙げる事務所は多くあります。免許があれば応募できる事務所の幅が広がり、なければ選べる求人がそのぶん減ります。資格欄の最初に置いて損のない一枚です。
このほか、持っていると実務で効く検定もあります。ビジネス実務法務検定は出演料の交渉や契約のやり取りで、日商簿記は出演料・経費の管理で生きてきます。海外案件を扱う事務所ならTOEICが見られることもあります。前提となるのは普通免許で、それ以外は取得すると実務で役立つ資格です。
応募で効くのは前職で培ったスキル
選考で評価されるのは資格よりも前職の経験です。
声優マネージャーの仕事は、案件を取りに行く営業、関係者との調整、出演料の交渉、請求書や経費の処理が中心です。だから営業職で数字を追った経験、接客で人と向き合った経験、事務で書類と数字を回した経験が、そのまま応募の材料になります。資格を取り直すより、すでに手元にある職歴の説明を磨くほうが早いです。
声優マネージャーに向いている人の特徴
管理が一回崩れると、担当声優の信用が傾きます。スケジュールを取り違えてダブルブッキングが起きたり、収録に遅刻させたりすれば、声を届ける前に仕事先からの評価が落ちます。失うのは声優本人の信頼で、マネージャーの段取りミスが理由でも結果は声優が背負います。この責任構造で長く動ける人が、この仕事を続けています。
段取りを組むのが好きな人
複数の声優の収録、オーディション、取材、打ち合わせを同じ週に並べて、移動と空き時間まで逆算して組むのが日々の仕事です。台本の受け渡し、現場への到着時刻、次の現場までの動線を一本につなげて動きます。
予定を組み替えるのが面倒だと感じる人より、空白を埋めて全体を成立させる作業そのものを楽しめる人のほうが続きます。前職でシフト管理や進行管理、複数案件の納期調整をやっていた人なら、その感覚はそのまま生きます。手帳やカレンダーを埋めていくのが苦にならず、むしろ気持ちいいと感じる人に向いています。
トラブルで動じない人
予定通りに一日が終わるケースのほうが少ないです。現場とはそういう場所です。交通渋滞で現場到着が遅れる、機材トラブルで収録が押す、急な出演変更が入る。組んだ段取りは現場で簡単に崩れます。
そこで慌てて連絡が止まると、被害は声優側に跳ね返ります。管理不足で遅刻やダブルブッキングが起きれば担当声優は信用を大きく失い、次の仕事を失います。だから求められるのは、崩れた前提を即座に組み直して、関係先へ先に一報を入れる冷静さです。問題が起きた瞬間に頭が真っ白になるタイプより、起きてから手を動かせるタイプのほうが現場で生き残ります。
ファンとして近づきたいだけの人は続かない
声優に会えるから、という動機だけで入ると長く続きません。担当する声優と直接接する機会は確かに多い仕事です。
もっとも、接し方の前提が違います。求められるのは仕事のパートナーとしての距離であって、ファンとして近づくのとはまったく別です。担当声優が落ち込んでいるときに一緒に落ち込むのではなく、メンタルを支える側に回る割り切りが要ります。感謝されることはありますが、それは一過性で、してあげたのにと思い始めた瞬間に精神が消耗していきます。
憧れではなく、仕事として支えられるか。そこで適性が分かれます。
不規則な勤務に耐える体力がある人
求人票には定時9:30〜18:30と書かれていても、その枠の中で一日が収まらない日もあります。収録が夜中に及ぶ、取材や打ち合わせが土日に入る、と勤務時間が読めない日が出ます。1日に複数の収録現場を移動するため拘束時間も長くなりがちで、残業は月20〜40時間ほどになります。
定時で帰れる前提の働き方をイメージしていると、入ってから差に苦しみます。深夜や休日に動くこと自体が苦にならず、移動続きの一日を体力で乗り切れる人にとっては、十分こなせる勤務量です。
声優マネージャーの年収のリアル
研修期間はアルバイト待遇からスタートする事務所があり、正社員になるまでの下積みの賃金は決して高くありません。薄給というイメージで検索した人ほど、入り口の数字は想像の下にあります。
未経験スタートの月給はいくらか
未経験募集で1日5時間勤務・月給13〜15万円から始まる事務所があります。最初の2か月は研修扱いで時給1100円となり、3か月目に契約社員、2年目でようやく正社員という段取りです。
月22日働いても時給に直せば1200円前後で、手取りはおよそ12万円、ここに諸手当が乗ります。
一方で、最初から正社員で採用する求人もあります。求人サイトで未経験可の正社員枠を見ると、月給20〜30万円・想定年収240〜360万円が中心です。入り口の月給は事務所と契約形態しだいで、倍近い開きが出ます。
経験と事務所規模で変わる年収
入り口で差がついても、年収は経験を積むほど上がっていきます。業界の目安として語られる範囲では、1年目が220〜280万円、3〜5年で280〜340万円、5〜10年で350〜450万円、10年以上のチーフ級で500〜650万円です。
なお、これは出典のはっきりした数字ではありません。あくまで幅をもった推計と受け取ってください。実際には事務所の規模でも水準は動き、大手で250〜450万円、中堅中小で220〜350万円、地方で200〜300万円とされる推計が見られます。
厚労省やjobtagには声優マネージャー単独の年収統計がなく、公的な裏付けのある一本の数字は存在しません。賞与は年2回が標準ですが、歩合制を取り入れている事務所もあり、担当する声優の活躍がそのまま報酬に跳ね返ります。
未経験から声優マネージャーになるには
薄給で始まるとわかった上で志望するなら、次は入り口の話になります。未経験から声優マネージャーを目指す王道は、声優プロダクションが出す正社員・契約社員の求人に応募することで、未経験OKの募集もあります。採用枠は決して広くありませんが、前職の経験を整理して臨めば通る道はあります。
声優プロダクションに直接応募するルート
求人を出す側は、声優プロダクション、アニメ制作会社の付属プロダクション、音響制作会社などです。いずれも声優の活動を社員のマネージャーが支える職場で、求人の入り口はここに集まります。
応募で評価されやすいのは、業界経験の有無よりも、これまでの仕事で人とどう関わってきたかです。未経験OKの求人では、過去の職務経験から人と関わる仕事やスケジュール管理の経験を整理して伝えると、採用担当の目に留まります。一方、声優が好きだという気持ちだけを前面に出すと、仕事として何ができるかは伝わりにくいです。窓口対応、進行管理、社外との調整といった実務の経験が、そのまま武器になります。
加えて、募集の出方に特徴があります。プロダクションは年間を通して、あるいは欠員が出たタイミングでマネージャー候補を募集します。
専門学校や養成コースを経るルート
業界知識をつけてから就職活動に入りたい場合は、専門学校や養成コースを経る道があります。アフレコ現場の流れや業界ルール、タレントマネジメントの基礎を学んでから応募に臨めます。
マネージャーになるのに学校を出ている必要はありません。直接応募が実務にすぐ入りたい人向けなのに対し、養成コースは知識をつけてから就職したい人に向いています。業界とのつながりを作りながら準備できる点が、独学との違いです。
大手でも年間数名という採用の狭さ
大手プロダクションの年間求人数は1〜3名、中小・新興でも0〜2名が業界内で語られる水準です。
これは業界内で語られる通説で、公式に集計された数字ではない点には注意が要ります。それでも、入り口がかなり絞られているのは読み取れます。中途採用より新卒採用が主流とされ、未経験者が採用されるケースは限られるとされています。求人サイトを探しても募集がほとんど見つからず、そこで手が止まる人は多くなります。
とはいえ、枠が狭いことと、応募者全員が同じ土俵にいることは別です。声優への憧れだけで応募してくる人と、前職の段取りや調整の経験を整理して臨む人とでは、書類の段階で差が出ます。少ない枠を取りにいくほど、後者の準備が効いてきます。
未経験から受かるための準備
未経験から入った人の経歴を見ると、営業、販売、カスタマーサポートなど、人と接する仕事で調整能力を磨いてきた例が目立ちます。たとえばスケジュールを組み、社外と折衝し、急なトラブルに対応する動き方は、声優マネージャーの現場で求められる動きと同じです。
一方、求人がなかなか見つからないときは、応募先を一本に絞らない手もあります。イベント運営会社やラジオ番組の制作会社で、アシスタントや現場スタッフとして経験を積んでから移る道もあります。声優の現場に近い場所で実務を覚えておけば、プロダクションの募集が出たときに伝えられる材料が増えます。
結局のところ、前職のスケジュール管理や接客の経験を、履歴書と面接でどう整理して伝えるか。狭い枠を通過できるかどうかは、ここで分かれます。
声優マネージャーの求人の探し方
声優業界は求人が表に出にくく、非公開のまま採用が進むケースが一定数あります。探しても見つからず手が止まっても、たどり着き方を変えると見えてくる求人があります。表に出る求人を待つルートと、表に出ない求人へ近づくルートの両方を知っておく必要があります。
求人が非公開のまま採用される業界事情
声優プロダクションは、いつでも誰でも応募できる形でマネージャーを公募しているわけではありません。欠員が出たときや、人を増やしたいタイミングに合わせて、公式サイトや業界専門の求人サイトに募集を出します。だから一般の転職サイトを開いても見つからない時期が続き、いざ出ても短期間で締め切られることがあります。
そもそも事務所側は、声優業界の事情を分かっている人しか採りたがりません。そのため、知り合いの紹介や業界内のつながりで採用が決まり、枠が表に出ないまま埋まることもあります。求人が見当たらない原因は、業界の採り方そのものが表に出にくい構造にあります。
公式サイトと求人サイトを定期的にチェックする
表に出る求人を逃さないなら、声優プロダクションの公式サイトと業界特化の求人サイトを定期的に見る方法があります。総合転職サイトでも声優マネージャーの募集は載るようになり、応募の間口は以前より広がりました。
もっとも、募集は出る時期が読めません。気になる事務所が複数あるなら採用ページをブックマークしておき、求人サイトでは条件を登録して新着の通知を受け取る形にしておくと、出た瞬間に動けます。週に一度まとめてチェックするだけでも、締め切り間際の取りこぼしは減ります。
エンタメ業界特化のエージェントを使う
公式サイトを毎週見続けるのは、忙しい人ほど続きません。そこで使えるのが、エンタメ業界に特化した転職エージェントです。一般には出回らない非公開求人を紹介してもらえるうえ、事務所ごとの特徴や働き方の違いまで踏み込んで教えてもらえます。
たとえば、声優マネージャーの求人だけでなく、イベント運営や収録現場のアシスタント職など、表に出にくい入口の案件にたどり着けることもあります。未経験歓迎の枠を扱っていることも多く、前職の段取り経験や接客経験をどう履歴書に落とすか、面接でどう話すかまで一緒に整理してくれます。自分で求人を探しながら、並行して相談先を持っておく形がやりやすいです。
どの会社を選べばいいか迷う場合は、エンタメ業界のエージェントをまとめた記事も参考になります。
▶ 【2026年版】エンタメ業界に強い転職エージェントおすすめ11選!ジャンル別の選び方も解説
声優マネージャーに関するよくある質問
高校生や大学に行かなくても声優マネージャーになれますか
学歴や学校の種類は、声優マネージャーの求人で応募条件になっていないケースがほとんどです。
未経験OKの正社員求人の多くは社会人経験者を想定しており、高校生や在学中の応募を受け付けているかは事務所ごとに異なりますので、各事務所の募集要項で確認するのが確実です。
声優マネージャーは女性でもなれますか
なれます。声優プロダクションのマネージャー職は性別で応募を制限している事務所は少なく、女性マネージャーが在籍している事務所も多くあります。
選考で評価されるのは性別より、スケジュール管理や対人調整といった実務に結びつく経験ですので、前職の職務経験を整理して臨むことが選考対策として有効です。
声優マネージャーは担当する声優と仲良くなれますか
担当声優と信頼関係を築くことはありますが、それは仕事を通じたパートナーとしての関係です。
声優の活動を支える中で日常的にやりとりを重ねていくうちに信頼が生まれるケースはあります。その関係はファンとして近づくものとは前提が違い、仕事として支えられるかどうかが距離感の基準になります。
未経験で異業種からでも声優マネージャーに転職できますか
転職できます。声優プロダクションの求人には未経験歓迎の枠があり、異業種からの入社例も見られます。
一方、選考で効くのは声優への知識より、前職の段取り力・対人調整の経験をどう整理して伝えるかです。表に出ていない求人も多いため、エンタメ系のエージェントに相談すると応募できる求人の幅が広がります。
まとめ
声優マネージャーは、声優に会える憧れの仕事ではなく、担当声優の仕事を取ってくる営業職です。アフレコ現場の段取りから出演料の交渉、SNSの管理まで、表に出ない実務が日々の中心になります。
未経験からでも始められますが、下積みの賃金水準は低く、採用枠も限られた狭き門です。それでも、前職で磨いた段取り力や対人調整の経験を整理して伝えれば、書類の段階で差をつけられます。
求人は非公開で動くことも多いため、公式サイトをこまめに見つつ、エンタメ系のエージェントにも相談しておくと、表に出ない求人にたどり着きやすくなります。まずは自分の前職経験が声優マネージャーの仕事にどうつながるかを書き出すところから始めてみてください。