テレビ局への就職・転職はやめとけ? 7つの理由と向き不向きを解説
テレビ局への就職を調べると、やめとけという声が必ず目に入ります。
かつては就活生の憧れだったテレビ局が、なぜ今そう言われるのか。高収入・社会的影響力・番組制作の喜びという魅力がありながら、現場で働く人たちから厳しい声が出てくる理由があります。
この記事では、やめとけと言われる7つの理由と向き不向きの特徴、職種別の仕事内容・年収を確かめていきます。就職・転職を判断する前に、現場の実態を見ておきましょう。
この記事の内容
テレビ局への就職がやめとけと言われる7つの理由
テレビ局は高収入・社会的影響力という魅力を持ちながら、現場では複数の課題が重なっています。やめとけと言われる理由を一つひとつ確認して、自分がどこまで許容できるかを判断しましょう。
テレビ離れが進み業界の先行きが読めないため
2019年、インターネット広告費がテレビ広告費を初めて上回りました。その後も差は広がり続けており、2023年度のデジタル広告費はテレビ広告費の約1.7倍です。
10代・20代のリアルタイム視聴時間は年々減少しており、スポンサーの広告予算のデジタルシフトも止まっていません。局の収入の柱は広告費なので、視聴率が落ちれば制作費も下がり、新卒採用の枠も縮んでいきます。
テレビ局自身もYouTubeやサブスクリプション配信への展開を進めていますが、既存の放送収益を代替するほどの規模にはまだ届いていません。10年後に今と同じビジネスモデルで安定して稼げるかという問いに、業界の内側にいる人間でも答えを出せていないのが現状です。
入社時点では魅力に見えた年収の高さも、業界全体の収益構造が変われば維持されるとは限りません。長い目でキャリアを描くうえで、業界の先行きを冷静に見ておきましょう。
激務・長時間労働が続くため
制作現場では、繁忙期に月100時間を超える残業が珍しくありません。生放送の準備、ロケの移動、深夜の編集と、仕事が就業時間内に収まらない構造です。
深夜放送の番組では深夜2〜3時まで収録が続き、翌朝8時には次の仕事が入ることもあります。働き方改革の波はテレビ局にも届いていますが、撮れ高が出なければ帰れない現場の性質上、書類上のルール整備と実態の乖離は、解消に時間がかかっていきます。
入局1〜3年目のADは先輩ディレクターのスケジュールに合わせて動くため、自分の裁量で休めない状況が続いていきます。月200時間近い残業が続いたという声が複数上がっています。入社前に現場の実態を直接聞いておきましょう。
離職率が高い背景の一つに、入社後に初めてその実態を知るという状況があります。業界を目指す前に、体力と精神力の見極めを正直に行っておきましょう。
縦社会で上下関係が厳しいため
テレビ局は年功序列が根強く残っており、入局後3〜5年は補助業務や雑用が中心になります。自分で企画を出せるようになるには年単位の時間がかかり、若手にとって、ここが乗り越えるべき最初の壁になっていきます。
プロデューサーや先輩ディレクターの意向が現場に色濃く出ています。業界全体のヒエラルキーの中でテレビ局員は発注側に立っており、対外的な立場は強い反面、社内では序列を意識した動き方が前提になっていきます。
フラットな組織に慣れている人には窮屈さを感じる環境です。
若手が意見を言いやすい文化があるかどうかは局や部署によって差が大きくなっています。配属先の雰囲気は入社前のOB・OG訪問で確かめておくと、ミスマッチを防ぐ手段になっていきます。
華やかなイメージと現実にギャップがあるため
テレビ局の仕事は表に出る部分が目立ちますが、実際の業務は書類仕事・スポンサーとの調整・出演者のスケジュール管理といった地味な作業が大半を占めます。
局員がカメラの前に立つことはほぼなく、テレビの世界で輝いているというイメージは入社前に持ちやすい分、現実とのギャップが大きくなっています。特に入局1〜2年目は企画書を書く機会もほとんどなく、先輩のサポートに徹する期間が続いていきます。
女性社員の管理職比率はテレビ局全体で10〜15%程度と低く、裁量が広がるまでに時間がかかる実態もあります。こうしたギャップを知らずに飛び込むと、入社後のモチベーション低下を招きます。
働き方改革が進まず古い体質が残るため
先輩の仕事を見て覚えるという徒弟制的な文化が、制作現場の一部にいまも残っています。マニュアルや研修制度が整っている職場ばかりではなく、何を聞けばいいかわからないまま現場に放り込まれる新入りも出てきます。
採用数が少なく各部署の人員も限られているため、一人あたりの業務量が多い状態が続きやすいです。業務効率化のツール導入も、放送設備や番組フォーマットの慣習が絡むと進めにくく、昔からそうやってきたという判断が優先される場面があります。
残業代の支払いや名目だけの残業規制をめぐる問題も、完全には解消されていません。制度の整備は進んでいるものの、実際の現場がそれに追いついているかどうかは部署ごとに異なります。
地方局の経営が厳しくなっているため
全国に114局あるテレビ局のうち、キー局はわずか5局にすぎません。残りの100局以上は地方局で、その多くが広告収入の減少により収益悪化の局面にあります。
人口減少が進む地域では地元スポンサーの広告予算も縮小しており、赤字に転落する局が後を絶ちません。地方局への就職を考えている場合、給与水準はキー局と比べてかなり低く、年収600〜800万円前後が中心です。
ローカルの情報番組制作に関わる機会や、地域に根ざしたキャリアという魅力はあります。ただし10年単位で見たとき、局そのものの経営が継続しているかどうかも選択の前に確かめておきましょう。
就職難易度が高く競争が激しいため
キー局の総合職採用倍率は300〜500倍が相場です。採用枠が年間20名前後なのに対し、応募者は数千人規模が集まってきます。
アナウンサー職はさらに厳しく、1,000倍を超える選考もあります。
内定者の出身大学を集計したデータを見ると、早慶・東大をはじめとする難関大学出身者への集中が明らかです。書類選考の段階で学歴が評価基準に含まれるケースもあり、中途採用でも実務の実績が、採用の判断基準として重みを持ってきます。
地方局でも採用倍率は数十〜100倍に達する場合があり、一般企業とは競争の水準が大きく違います。選考を突破するには、放送系サークルや映像制作の実績、業界インターンへの参加など、学生時代からの準備が必要です。
テレビ局ならではの魅力
やめとけという声がある一方で、テレビ局の仕事にしかない魅力も確かにあります。収入・達成感・人脈・スキルと、他の業界では得にくいものが揃います。
若いうちから高収入を得られる
キー局に就職すると、20代後半の時点で年収700〜800万円台に達します。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、20代後半の全産業平均年収は約360万円台です。
その倍近い水準に早い段階で届ける業界は多くありません。
30代になると年収1,000万円超えが射程に入り、管理職クラスでは1,500万円を超えるケースも出てきます。新卒から10年かけてその水準に届く道筋が見えており、金銭面でのモチベーションを保てる職場です。
住宅補助・各種手当・退職金制度も整っており、早い段階で高収入を得たいという目標がある人には向いているでしょう。
多様な情報発信のやりがい
テレビ局では、報道・バラエティ・ドキュメンタリー・スポーツ・教育番組と、さまざまなジャンルの情報発信に携われます。報道では社会問題や政策を掘り下げる取材に携われ、バラエティでは流行を生み出す側に立ち、視聴者の笑いや驚きを直接つくれます。
担当番組が変わるたびに自分の興味や強みが広がっていきます。一つの番組が終わっても、次のジャンルで別の経験が積まれていきます。
情報を社会に届けることに意義を感じる人には、テレビ局の仕事は大きな充実感をもたらすでしょう。
特に、若手の段階から大きな情報発信に関われる機会があるのはテレビ局ならではです。他の業界ではなかなか得られない規模での発信体験が、キャリアの早い段階から積まれていきます。
社会的影響力のある仕事に携われる
プライム帯の番組なら、1回の放送で数百万人が視聴します。報道では選挙や社会問題の特集が世論の形成に関わり、バラエティでは流行語や文化的なムードを生み出す側に立てます。
放送後に街の空気が変わるのを肌で感じる体験は、テレビの現場にしかありません。社会に何かを伝えたい、人の意識や行動に変化をもたらしたいという動機を持っている人には、テレビ局という場の力は魅力的に映るでしょう。
企画力・交渉力が身につく
企画書を通し、取材を重ね、撮影・編集で形にする一連の流れをすべてこなす環境は、複数のビジネス能力を同時に磨けます。政治家や企業広報、著名人の事務所との折衝は、他の業界ではなかなか経験できない相手との交渉です。
断られても別のアプローチを探し、限られた時間と予算で最大の成果を出す問題解決のサイクルを繰り返すうちに、実際に使えるプロデュース力が鍛えられていきます。テレビ局出身者がプロデューサーやコンテンツ職として転職市場で引き合いが多い理由は、こうした現場の密度にあります。
幅広い人脈が築ける
取材で政治家・経営者・アーティスト・研究者と直接話す機会があります。局内でも、採用競争率の高い選考を通ってきた人材と日々仕事をします。
担当番組を重ねるうちに外部の制作会社や広告代理店とのつながりが生まれ、局のブランドを超えた関係性が積み上がっていきます。
業界内での評判は思っている以上に広まりやすく、現場での振る舞いが人脈の質を決めます。人と関わることが好きな人には、テレビ局の人脈の広がり方は大きな資産になるでしょう。
作品が形に残る達成感を味わえる
ドキュメンタリー1本が完成するまでに、半年から1年以上かかることがあります。取材の断りが続いたり、深夜の編集が続いたりした末に、放送日にエンドクレジットで自分の名前が流れる瞬間の達成感は言葉では伝わりません。
バラエティや報道でも、放送を見返したときの手応えは消えません。視聴者の反応がSNSに流れてくるのを確認するとき、自分の仕事が人の感情を動かしたことを実感できます。
やめとけという声があることを知りながら、テレビ局を目指す人が毎年一定数いる理由は、この達成感を求めているためです。
テレビ局に向いている人
深夜3時に収録が終わり、翌朝8時には別の番組の編集に入る。そんなスケジュールが続く現場で長く働いている人には、共通した特徴があります。
テレビ局への就職を考える前に、エンタメ業界全体の実態も合わせて確認しておきましょう。
体力・精神面がタフな人
月の残業が100時間を超えることがあり、深夜収録と視聴率プレッシャーが同時に押し寄せる環境です。肉体的に耐えられるかどうかだけでなく、視聴率が低かった翌週にすぐ立て直せるメンタルの回復力も問われます。
疲れていても翌日の収録をこなせる体力と、失敗した後に引きずらない精神的な切り替えの速さがある人が向いているでしょう。身体が強いだけでも、気持ちが強いだけでも続かない仕事なので、両方のタフさを持ち合わせていることが前提です。
現場の先輩に話を聞くと、この「回復の速さ」が特に入社後3年間の生存を分けると言われています。体力より気持ちの回復力を自己評価してから選考に臨みましょう。
エンタメに強い情熱を持つ人
自分の担当番組が放送される瞬間の達成感は、長時間労働を乗り越える原動力になります。この番組を作りたいという強い動機がない人は、激務の中で続けるのが難しくなっていきます。
漠然とした憧れだけでは、最初の2〜3年で燃え尽きるスタッフも多いです。好きなジャンルの番組でどんな役割を受け持ちたいか、イメージできるくらいの熱量があれば、つらい局面でも動き続けられます。
バラエティでも報道でもドキュメンタリーでも、携わるコンテンツへの愛情と誇りが、テレビ局という環境で生き残るための土台になっていきます。
トレンドに敏感な人
今週のSNSのバズを来週の企画に使えるかどうか、それを日常的に考えながら動けるかどうかが、制作現場では評価の分かれ目になります。情報収集の速さよりも、キャッチしたトレンドを企画の言葉に変換できるかどうかが大切です。
プロデューサーから信頼されるスタッフは、この変換が速い人たちでしょう。世の中の空気を読んで、視聴者が見たくなるものを先回りして提案できる人は、制作現場で重宝されていきます。
デジタルの流行をテレビの文脈に組み込む発想ができる人の価値は高まります。SNSや動画プラットフォームの動向に常にアンテナを張っている人は、この業界でのキャリアを積んでいけます。
臨機応変に対応できる人
出演者の急な変更、機材トラブル、天候による撮影中止など、想定外が起きない収録はほとんどありません。マニュアル通りに進めるのが得意な人よりも、突発的な状況を面白がって対応できる人のほうが、現場で重宝されていきます。
10分で代替案を出して動ける判断力と、混乱した状況でも周囲を落ち着かせられるコミュニケーション力を備えていると強いです。予定通りに進まないことを受け入れて、むしろそこから良いものをつくろうとする姿勢がある人に向いている仕事かもしれません。
チームで働くのが好きな人
ディレクター・カメラマン・音声・照明・編集と、一つの番組に10人以上のスタッフが関わります。誰か一人が抜けるだけで収録が止まる仕事なので、チームの一員として自分の役割を全うする意識が必要です。
個人の成果よりも、チームで一本の番組を作り上げることに喜びを感じられる人が向いているでしょう。人と関わること自体が苦にならない人のほうが、長く続けられるかもしれません。
テレビ局に向いていない人
向いている人の特徴が揃っていても、環境との相性が合わないタイプがいます。熱量があっても続けにくい場合があるので、自分がどのタイプに近いかを確かめておきましょう。
プライベートの時間や生活リズムを大切にしたい人
早朝の情報番組なら深夜2〜3時起きが当たり前で、スポーツ中継や特番が入れば終電後まで局内に残ることもよくあります。テレビ局の放送は24時間365日止まらないため、担当する番組が切り替われば、生活リズムが丸ごと一変します。
このサイクルは、入局から退職まで続いていきます。家族との時間や趣味・体調管理を守りたい人にとって、このリズムの不安定さは心身に重くのしかかっていきます。
特に子育てや介護と仕事を両立したい人には、現状のテレビ局の労働環境は合わない面があります。入社前にライフプランとのすり合わせをしておくことが大切です。
成果が数字で可視化されることに抵抗がある人
視聴率は毎朝公開され、局内でも制作会社でも即座に共有されます。自分の担当番組の結果が翌日には話題になる環境が続きます。
視聴率が低迷すれば番組打ち切りになることもあり、プロセスより結果が先に見えやすい文化になっていきます。担当した回の視聴率が下がれば、翌週の打ち合わせの空気が一変します。
数値の上がり下がりを受け止めて次の改善に向かえる人は続けられますが、結果に感情が強く引きずられるタイプには消耗が大きくなります。
深く考えすぎてマイナス思考になってしまう人
業界の将来に不安を感じ、自分のキャリアに価値があるのかと考え込む時間が長くなると、日常の仕事に支障が出てきます。テレビ離れや業界縮小のニュースは頻繁に出てくるので、それを見るたびに暗くなる人には消耗しやすい環境です。
視聴率が下がった翌日、企画が通らなかった翌週に立ち止まって考え込む時間が長い人は、テンポが速い現場のリズムに乗り遅れます。物事をじっくり深く考えることは別の環境では強みになりますが、テレビ局の制作現場では速さと切り替えが重要になっていきます。
変化やイレギュラーが苦手な人
テレビの現場では、番組の改編・出演者変更・急な特番差し込みなど、計画通りに進まないことが日常的になっていきます。突然の変更に柔軟に対応することが前提の職場なので、スケジュール通りに動くことが好きな人には合わない面があります。
毎週同じルーティンで仕事を進めたい人や、変化が起きると強いストレスを感じる人は、テレビ局の現場の速さについていくのが難しい環境かもしれません。変化を楽しめる人やイレギュラーを成長の機会として受け取れる人には向いていますが、安定した環境で力を出すタイプの人には向いていません。
テレビ局の仕事内容
テレビ番組は、視聴者の目に映る以上に多くの職種が分業して成り立っています。担当する職種によって勤務時間も報酬体系も大きく違うため、志望職種を絞ってから選考に臨みましょう。
ディレクター・AD(アシスタントディレクター)
入局後まずADとして番組の下準備全般を受け持ちます。ロケハン・台本の読み合わせ調整・収録当日の進行サポートと、ディレクターの指示のもとで現場の基礎を積む期間は3〜5年かかっていきます。
ADの仕事はアイデアより体力と段取り力で成り立っています。出演者のお弁当の手配から機材の搬入・搬出、編集室の予約まで、番組が動くために必要な作業を一手に引き受けていきます。
地味に見えますが、ここで現場の流れを覚えた人が、後にディレクターとして強い判断力を持てるようになります。
ディレクターになると企画の立案から編集の最終判断まで自分で動かせるようになっていきます。長時間労働は避けられませんが、制作の裁量を持ちたい人には向いている職種です。
プロデューサー
番組全体の予算を管理し、スポンサーとの窓口も受け持つのがプロデューサーです。キャスティングの最終決定権もこのポジションにあります。
ディレクターが演出を固める側なら、プロデューサーは予算・スケジュール・外部交渉の全体を見る立場になっていきます。
局の中では管理職に近い立場になるため、現場のクリエイティブ作業から離れていきます。制作の実務を続けたいのか、プロジェクト全体を動かしたいのか、早い段階で自分の志向を確かめておきましょう。
アナウンサー
アナウンサーは採用倍率が1,000倍を超えることがあります。キー局では毎年数名しか採用しないため、学歴・見た目・話し方・メンタルの安定感まで、多岐にわたる要素が選考の対象になっていきます。
入社後はニュース読みや番組MCから始まり、数年後にタレント活動に移る人もいます。SNSでの個人発信が評価される時代になり、アナウンサーとしての表現力だけでなくメディア対応力の重要性も増していきます。
他の職種と比べて注目度が高い分、プレッシャーも大きいポジションです。
技術職(カメラマン・音声・照明)
カメラマンは映像の画角と光量を管理する専門職で、ロケ現場から生放送スタジオまで機材の設置・操作を受け持っていきます。収録後の映像確認にも関わるため、編集スタッフとの連携が日常的な仕事です。
音声は収録音のレベル調整からMA(アフレコ・音の仕上げ)のサポートまで、映像と音のクオリティを支えていきます。放送技術に興味があれば、音響エンジニアの仕事内容と合わせて確認してみてください。
照明はスタジオの雰囲気をつくる上で大きな役割を持ちます。放送局での照明キャリアに興味があれば、照明エンジニアの解説も合わせて読んでみてください。
技術職はスキルの範囲がはっきりしており、長期にわたって転職市場での需要が保たれています。
営業職
テレビ局の営業職は広告枠を販売するのが主な仕事です。スポンサー企業やCM代理店に出稿を提案していきます。
制作職と比べると勤務時間のコントロールがきき、残業が月20〜40時間台に収まる局もあります。
収入は制作職より安定しており、賞与の水準も局の業績に連動して変わっていきます。営業成績が数字で出るため、評価の透明性を求める人には合う職種です。
制作職一択に絞らず営業の求人も確認したうえで、自分の働き方に合うポジションを選んでみましょう。
事務職
経理・人事・総務などのバックオフィス系職種です。制作や営業と比べると業務の時間管理がしやすく、残業時間も抑えやすくなっていきます。
テレビ局という職場のブランドを持ちながら、働き方を整えられるポジションになっていきます。スポンサーとの折衝や番組出演の交渉といった最前線の仕事ではありませんが、局全体の運営を支える役割として安定した立場です。
テレビ業界で働きたいが制作の激務は避けたいという人には、事務職が一つの入り口になるかもしれません。
キー局・地方局・制作会社の年収と待遇
同じテレビ関係の仕事でも、就職先によって年収が3倍以上違います。キー局と番組制作会社の差は想像以上に大きく、どこで働くかの選択が生涯収入に直接響きます。
キー局の年収と働き方
在京5局(日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日・テレビ東京)の平均年収は1,200〜1,500万円です。30代で年収1,000万円を超える人も出てきて、新卒から10年かけてその水準に届きます。
住宅補助や各種手当も充実しており、福利厚生の手厚さはキー局の大きな利点になっていきます。番組の改編期や大型生放送が重なる時期は月80〜100時間を超える残業が続くことがあり、年収の高さとのトレードオフが生じる面もあります。
採用倍率が300〜500倍と高く、狭き門を通ったメンバーが揃う環境になっていきます。仕事の密度と給与水準はセットなので、入社後のパフォーマンスへの期待値も高い職場になっていきます。
地方局の年収と待遇
地方テレビ局の平均年収は600〜900万円で、キー局と比べると低い水準ですが、地元での安定した雇用と知名度は入社後のメリットです。
1人のスタッフが撮影・編集・取材対応をまとめてこなすことが多く、キー局よりさまざまなスキルが身につきます。地域に根ざしたコンテンツを手がける機会も多く、地元密着型のキャリアを求める人には向いているでしょう。経営状況は局によって差があるので、就職前に財務状況や放送エリアの人口動態を調べておきましょう。
番組制作会社の年収と実態
年収300〜500万円が番組制作会社の平均で、キー局の3分の1以下です。テレビ局から発注を受ける立場上、制作費は圧縮されやすい構造になっていきます。
収入の低さはスタッフ全体に響き、特に20代の若手には生活費との兼ね合いが厳しくなりがちです。それでも、若手が早い段階からディレクターの補佐に入れる現場は多く、裁量の大きさはキー局より上になっていきます。
番組制作会社で実績を積んでからキー局の中途採用に挑む、というキャリアの道筋は十分に取れます。制作会社の待遇をさらに詳しく知りたい方は、番組制作会社やめとけの記事で実態を確認してみてください。
テレビ局に転職するには?
中途採用の間口は狭く、募集があっても応募者が殺到します。ルートを絞って動かないと、何年経っても前に進まないのが現状です。
制作会社で経験を積む
キー局の中途採用で最も多いのは、制作会社出身者の採用です。テレビ局は外部の制作会社と分業して番組を完成させる構造で動いており、現場経験を持つ人材が採用側から重宝されていきます。
現場で実績を積んだ人材を局員として迎え入れる形が中途採用の主流です。視聴率が上がった回の担当エピソード、賞を受けた作品への関与、予算管理の実績など、面接で数字と事例を添えて語れる材料が採用担当者の判断基準になっていきます。
制作会社でテレビ局のプロデューサーやディレクターと直接仕事する機会を大切にして、そこで積み上げた評価と人間関係が転職の入口を開くことがあります。
転職エージェントを活用する
マスコミ・エンタメを専門にするエージェントを使うと、一般公開されていない非公開求人を紹介してもらえます。テレビ局の中途採用は、求人サイトに出ない段階でクローズするケースも多く、エージェントを経由するかどうかで見られる選択肢の数がまったく違います。
書類作成や面接対策も、業界採用の傾向を知っているアドバイザーに見てもらうと精度が上がっていきます。複数のエージェントに登録して、紹介可能な求人と担当者の肌感を比べながら進めましょう。
テレビ局への転職を考えているなら、まず下記で選択肢を確認してみてください。
業界人脈を広げる
テレビ業界では、紹介や縁故を起点に採用が動きます。オープンな求人に応募する前に、内部の人間から話が届いているケースが多く、業界全体が狭いコミュニティで動いています。
業界イベントやセミナー、SNSでの発信を続けることで、局の社員や制作会社のスタッフとつながる機会を作りましょう。現職の仕事内容や局内の案件を外部でほのめかすのは厳禁です。
業界が狭いぶん、人脈の速さと情報漏洩リスクは常に表裏一体に働いていきます。
自分の仕事や作品の実績を地道に発信し続けることが、人脈を広げる近道です。SNSでの映像コンテンツ発信や業界メディアへの寄稿が、思わぬつながりを生むことがあります。
テレビ局就職のよくある質問
テレビ局への就職はやめとけと言われるのは本当ですか?
激務・縦社会・業界縮小への不安は確かです。ただ、高収入・社会的影響力・成長機会という魅力も実際にあるため、やめとけかどうかは自分が何を優先するかで、判断は変わってきます。
激務を許容できる体力と精神力があり、テレビというメディアへの強い情熱を持っている人には、今でもチャレンジする価値があります。収入・安定・ライフバランスを重視する人には、合わない側面が多くなります。
この記事で紹介した向き不向きの特徴と照らし合わせて、どちらに近いかを判断してください。
テレビ局の仕事はどんな人に向いていますか?
体力・精神面がタフで、エンタメへの強い情熱を持ち、臨機応変に対応できる人に向いています。トレンドへの感度が高く、チームで仕事を進めることを自然に楽しめる人も、テレビ局の現場で力を出せます。
反対に、プライベートの時間を守りたい人・数値評価にストレスを感じる人・変化が苦手な人には向いていない環境かもしれません。詳しくは、この記事の「テレビ局に向いている人」「テレビ局に向いていない人」のセクションで確認してみてください。
テレビ局以外にどんな選択肢がありますか?
エンタメ業界で働きたいなら、テレビ局以外にも映像制作会社・広告代理店・動画配信プラットフォーム・ゲーム会社・音楽プロダクションなど、コンテンツに関わる職場が多くあります。
テレビ局にこだわらず業界全体で選択肢を広げたい場合は、エンタメ業界全般の転職情報を確認してみてください。転職エージェントに相談すると、自分のスキルと志向に合った非公開求人を紹介してもらえる場合があります。
まとめ
テレビ局は、高収入・社会的影響力・成長機会という魅力を持ちながら、長時間労働・縦社会・業界の先行き不透明さという課題が重なる職場です。
やめとけと言われる理由は確かにありますが、体力と情熱と臨機応変さを持っている人には、今でもチャレンジする価値があります。
キー局・地方局・番組制作会社で年収と労働環境は大きく変わってきます。就職先を決める前に、職種ごとの実態と自分の向き不向きを確かめておくと、入社後のギャップを減らせます。
テレビ局への転職を本気で考えているなら、エンタメ特化の転職エージェントへの登録から始めてみてください。非公開求人の紹介を受けながら、自分の選択肢を広げていけます。