映像編集者

映像編集者の年収はいくら?所属先・働き方別の収入実態を解説

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映像編集者の年収を調べると、求人サイトによって出てくる数字が変わります。求人ボックスでは正社員平均425万円、job tag では映像クリエイター全国平均551.4万円と、126万円の差があります。

差が生まれるのは、集計する職種の範囲が違うためです。求人ボックスは映像編集求人から算出し、job tag は動画制作を広く含みます。どちらが自分のレンジに近いかは、所属先と働き方しだいです。

所属先と働き方を自分のケースに当てはめれば、今の年収が妥当かどうかの判断基準が見えてきます。転職を検討している方は、自分のいるレンジと照らし合わせてみてください。

この記事の内容

映像編集者の平均年収

映像編集者の正社員平均年収は、集計元によって大きく変わります。求人ボックス(2026年5月集計)では425万円、job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))では映像クリエイター全国平均が551.4万円と、126万円の差があります。

求人ボックスのボリュームゾーンは386〜440万円で、全体の幅は333〜763万円。令和5年度の給与所得者全体平均(約460万円)より低い水準です。

そのため、この425万円は映像編集求人に絞った数字と理解するのが正確です。なお、job tagの551.4万円は映像制作・動画制作を広く含む集計で、求人ボックスとは対象範囲が異なります。どちらが自分のレンジに近いかは、勤務先と働き方で変わります。

勤務先・業界別の年収

同じ30代前半でも、テレビ局の大手キー局なら600〜900万円、映像制作会社なら500万円前後にとどまります。勤務先がどこかで、年収のレンジは倍近く開きます。

テレビ局は大手キー局で600〜900万円

テレビ局なら高給とは限りません。大手キー局の30代前半はディレクターや主任クラスで600〜900万円ですが、地方局やケーブルテレビになると400〜600万円まで下がります。放送エリアの規模が変わるだけで、テレビ局のなかでも200万円以上の開き。

ただし、この金額は月30〜50時間の残業代を含んだ数字です。基本給は600万円台より低く、残業代が上乗せされて表示されている水準です。

テレビ業界で残業がないディレクターはいません。放送に間に合わせる編集作業は深夜まで及び、納期前は拘束時間が一気に伸びます。

たとえばテレビ局で生放送やスポーツ中継が絡む場合、収録から放送までの時間が短く、編集者は限られた時間でテロップ入れまで仕上げます。深夜まで席を立てない日が続けば、月30〜50時間の残業はすぐにたまります。表示される年収の高さは、その残業前提の働き方とセットになっています。

映像制作会社は30代前半で500万円前後

映像制作会社の30代前半は、500万円前後が中心のレンジです。テレビ局と同じ番組やCMの編集を手がけても、所属が制作会社というだけで100万円単位の差がつきます。

若手の入り口はさらに低くなります。専門卒2年目で大阪から東京の制作会社へ移った人の手取りは17.2万円、総支給で21万円。1日の拘束時間は15時間程度にのぼっていました。総支給を拘束時間で割れば、月給ベースでも深夜のコンビニバイトと時給が逆転しかねない水準です。

映像制作会社の若手の多くが最初の数年で辞めていく背景には、この入り口の薄給があります。

YouTube系の動画運営会社は500万円が上限ライン

YouTube動画の運営会社で映像編集を担当する場合、30代前半で500万円いけば良い方です。テレビ局や制作会社のように、600万円台を狙えるレンジは見えにくくなります。

天井が低いのは、扱う動画そのものが低単価だからです。1件あたりの制作費は小さく、編集者の人件費もその枠内に収まります。たとえばクラウドソーシングのYouTube動画編集は1件2,000〜8,000円で動く相場で、社内の給与水準もそこから大きくは離れません。本数をこなしても単価は上がりにくく、年収500万円が事実上の上限ラインです。

企業広報は事業会社で500〜600万円

事業会社の広報部で社内映像を編集する場合、中小で500万円以上、大手で600万円前後が目安です。テレビ局の地方局や映像制作会社と並べると、勤務先の業種が違うだけで同じか少し上のレンジに乗ります。

差を生むのは、下請けの位置から外れている点です。制作会社は番組やCMの発注を受ける側で、予算は元請けの取り分を引いた残りから出ます。

一方、事業会社の社内映像担当は元請けの値切りを通さず、自社の人件費として給与が決まります。たとえば製品紹介動画や採用ムービーを内製する担当者は、外からの発注額に収入を左右されません。誰の財布から給料が出るかで、映像編集の水準は変わってきます。

経験年数・年代別の年収

20代のヒラ社員は、テレビ局でも映像制作会社でもYouTube系の運営会社でも、年収はおおむね300〜450万円に収まります。所属する会社の規模やジャンルが違っても、若手のうちは年収のレンジが似通うのがこの仕事の入口です。

差がはっきり開いてくるのは30代に入ってからで、ディレクターに上がる頃から勤務先しだいで年収のひらきが目立ってきます。

20代ヒラ社員はどの所属でも300〜450万円

20代のヒラ社員の年収は、どの所属先でも300〜450万円程度。テレビ局・映像制作会社・YouTube系の運営会社のいずれに入っても、若手のうちはこの幅から大きく外れません。

実績がないうちは、勤め先がどこであっても評価される材料が少ないためです。番組編集を任されるテレビ局でも、CMや企業映像を扱う制作会社でも、20代前半の段階では担当できる仕事の重さがそれほど変わりません。

実際に求人票の月給レンジを見ても、月給22万〜30万円前後の枠に未経験から数年目までがまとめて入ってきます。テレビ番組の編集アシスタントも、企業向けの映像編集も、入口の提示額はこの帯に重なります。

30代前半で所属による差が開き始める

ディレクターを任される頃から、勤務先による年収の幅が一気に広がります。大手キー局のディレクターはキー局水準まで届く一方、映像制作会社では制作会社水準にとどまり、その差は前述の勤務先別の開きどころではありません。

地方局なら400〜600万円、YouTube動画の運営会社では先述の上限ラインに届けば良い方。同じ30代前半のディレクターでも、どこに所属しているかが手取りにそのまま跳ね返ってきます。

管理職に上がると700万円以上も

大手テレビ局でマネジャーやチームリーダー相当の役職に就くと、年収は700万円以上になります。編集の腕で稼ぐ段階から、現場を束ねて成果を出す段階へ役割が変わるためです。

ヒラ社員のまま編集を続けるか、管理職に上がるかで、収入の天井が決まります。役職に就けるかどうかは在籍する会社の規模にも左右され、上の役職と高い年収の枠は大手ほど厚く用意されています。

雇用形態別の年収

正社員・派遣・アルバイトでは、収入の計算軸がそれぞれ違います。時給で動くか月給で動くか、賞与が前提に入るかどうかで、同じ映像編集の仕事でも手元に残る金額の組み立て方は変わります。

派遣社員の時給は1,796円

求人ボックスによると、派遣社員として映像編集に就いた場合の平均時給は1,796円です。アルバイト・パートは1,200円前後にとどまり、時給で500円以上の開きがあります。

派遣の求人で多いのは、Premiere ProやAfter Effectsの実務経験を要件とする募集です。繁忙期のスポット要員や、特定のプロジェクトに合わせた短期雇用が中心。

そのため、番組や案件が動いている間だけ人手を集める働き方になります。時給1,796円で1日8時間・月20日働けば、月収はおよそ28万円。賞与も定期昇給もありません。

未経験の初任給は月給30万円が相場

入社直後の仕事は、素材整理やテロップ作成、簡単なカット編集から始まります。撮影された映像を並べ替えたり、出演者の名前のテロップを入れたりしながら現場の流れを覚えていく時期です。最初から作品全体を任されることはまれです。

未経験から正社員で入る場合、求人ボックスでは初任給が月給30万円程度の案件も見つかります。映像編集ソフトを触ったことがなくても応募できる枠です。

ただし30万円は提示額の上限に近い数字で、月給22万円台から始まる求人も並びます。同じ未経験募集でも、勤務先や任される業務の幅で初任給は動いてきます。

未経験からのルートや必要スキルは、なるには記事で詳しく解説しています。

映像編集者になるにはどうすればいい?必要スキルや就職転職先などを紹介!

フリーランス映像編集者の年収

独立直後からすぐに稼げません。独学で動画編集を始めた場合、年収は1年目80万円、2年目230万円、3年目330万円と段階を踏んで伸びていきます。会社を辞めた直後の数年は、勤めていた頃より収入が落ちる時期がはっきりとあります。

独学フリーランスの3年間の年収推移

独学で始めた1年目の年収は80万円でした。月にすると6〜7万円ほどで、クラウドワークスやランサーズ、ココナラで1本2,000〜8,000円の案件を拾い集めた数字です。この水準では生活費を別の収入で埋めるしかありません。

2年目は230万円まで上がります。ただしこの年は、1案件で無償修正を20回繰り返したり、納品後に報酬が支払われない未払いに遭ったりと、単価以外の負担が重くのしかかった時期でもあります。昼夜が逆転する働き方で件数を積み上げて、ようやく届いた金額です。

3年目で330万円。企業案件が中心になり、1本あたり約2万円、作業時間は約4時間まで縮みました。外注を使わず一人で回してこの数字です。

会社員だった頃の年収には届かないままです。独立して3年が経っても、勤めていた時代の水準には戻っていません。

低スキルでの独立は年収60〜100万円どまり

YouTube編集程度のスキルで独立した場合、年収は60〜100万円にとどまります。1分の編集に1時間かかる作業ペースだと、15分の動画1本に15時間を費やして報酬が5,000円という案件も回ってきます。割に合わない単価でも、断れば次の仕事が来ない不安から受けてしまいます。

そのため、クラウドソーシング以外の集客手段を持たないと、案件の数も単価も上がらないまま。受発注サイトに登録して待っているだけでは、年収100万円の目標にも届きません。仕事を取る経路が一つに限られている限り、ここが頭打ちです。

高スキル層は単価と継続契約で1,000万円も

一方で、フリーランスの年収は技術や能力しだいで300〜1,000万円まで開きます。大手制作会社で経験を積んだ30代なら、年収1,000万円も射程です。下限と上限で3倍以上の差。

差を分けるのは、1案件あたりの単価と、継続して仕事をくれる取引先の有無です。大手テレビ局から直接依頼を受けられる映像編集者は一握りで、そこに食い込めるかどうかで上限が変わります。安い案件を数でこなす層とは、同じフリーランスでも到達する金額がまるで違ってきます。

単価と受注量のどちらを取るかで年収が決まる

単価の高い案件を少なく受けるか、安い案件を数でこなすか。フリーランスの年収はこの選び方で動きます。

たとえば1本2,000〜8,000円の案件を昼夜逆転で積み上げて230万円に届いた働き方と、1件約2万円を4時間でこなす働き方。手元に残る金額が近くても、消耗の度合いはまるで違います。単価が上がらないうちは、受注量を増やすほど作業時間だけが膨らみます。

では、どちらを先に固めるべきか。受注量で食いつなぎながら、単価を上げてくれる取引先を1社ずつ増やす。そこが年収を押し上げる入口です。

映像編集者が年収を上げるには?

テレビ局や大手広告系の制作会社では、経験年数が同じでも提示される年収が高くなります。映像編集者の年収を上げる道は、何を編集できるか以上に、どこに所属して何の役割を持つかで開きます。所属先と役割をどう動かすかが、収入の伸びを決める軸です。

高単価ジャンルの編集スキルを身につける

映画やドラマの現場で色補正までこなせる編集者は、通常の編集単価より2〜3割高い報酬で動くケースがあります。カラーグレーディングやモーショングラフィックスといった高単価ジャンルのスキルが、編集単価そのものを押し上げます。

まずは編集ソフトを使い分けられる状態を作ること。色補正ならDaVinci Resolve、テロップやエフェクトを動かすモーショングラフィックスならAfter Effects、合成や加工を伴うVFXまで触れられると守備範囲が一段広がります。

そのため、カット編集だけで止めず、色とモーションのどちらかを深掘りするところが出発点。1件の納品に色補正とモーショングラフィックスの両方を載せられる編集者は、そもそも代わりが見つかりません。

どんな仕事を担当しているかの全体像は、とは記事で確認できます。

映像編集者とは?仕事内容・年収・なり方などくわしく解説!

年収水準の高い会社に転職する

経験3〜5年で制作会社水準、10年以上なら700万円超。テレビCMや劇場作品を手がける会社では、この水準に届く人も出てきます。どの会社に在籍しているかで、編集者として到達できる上限が変わるからです。

選考で要るのは、担当作品と役割を細かく説明できるポートフォリオ。何という作品の、どの工程を、どこまで一人で仕上げたのか。この答えが曖昧な人から、年収水準の高い会社の選考では落ちていきます。

フリーランスとして案件を増やす

会社に属さず請ける場合、年収は受注した本数と単価の掛け算で決まります。1本2万円の企業案件を月に何本積めるか。それがそのまま手取りに跳ね返ります。

単価を保ったまま本数を増やすなら、継続して発注してくれる取引先を太くするのが先。単発の安い案件を数多く取るより、企業の定期案件を1社受注できると月の見通しが立ちます。

本数を増やすほど作業時間も膨らみます。1案件あたりの作業時間を短くできる編集の段取りがなければ、本数だけ増えて時給は上がりません。

上流のディレクターやプロデューサーに上がる

編集の腕を上げるのとは別の道が、企画や進行を握る側へ回る上げ方です。大手キー局のディレクターなら、編集専任では届かないキー局水準が射程に入ります。

実際には、入り口は編集を担当しながらディレクターのアシスタントに付きます。企画会議に出て、撮影の進行を回し、編集以外の判断にも関わるうちに、現場全体を動かす役割へ移っていきます。

編集者として手の速さを磨いても、年収の伸びには上限があります。上流に回れば、編集専任のまま続けるより高い水準に届きます。それが映像業界の相場です。

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よくある質問(映像編集者の年収に関して)

映像編集者と動画編集者で年収は違う?

呼び名の違いであり、年収の差は生みません。

求人や業界によって「映像編集者」「動画編集者」のどちらを使うかは異なりますが、実際の仕事内容と勤務先が年収を決める要素です。テレビ局向けの編集か、YouTube系の運営会社向けの編集かという仕事の性質と所属先の違いが、収入の差に直結します。

年収1,000万円は達成できる?

大手制作会社での実務経験を積んだうえで、高単価の取引先から直接継続案件を受けられる状態になれば、射程に入る水準です。

カラーグレーディングやVFXなど替えが利かない専門スキルを持ち、発注元と直接の信頼関係を築いている編集者に届く水準です。そこに至るまでには相応の年数と実績の積み上げが必要です。

未経験から高年収は目指せる?

目指せますが、最初の数年は年収が低く抑えられる時期が続きます。

どの雇用形態・所属先で経験を積むかが、その後の年収の伸びを大きく左右します。入り口の選び方と、どのスキルを優先して深めるかを早い段階で整理しておくと、遠回りが少なくなります。

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