映像編集者

動画編集の資格は必要?転職と副業で効くものを取る順に解説

映像編集者に有利な資格は?

動画編集の資格一覧を開き、Adobe認定から色彩検定まで並ぶ名前を前に、今夜どれを取るか決めかねている人がいます。制作会社への転職を狙うのか、副業で初案件を取りたいのかで、資格に使う3か月の価値は変わります。

厚生労働省の職業情報にも、動画編集の免許・資格欄に必須の記載はありません。それでもAdobe認定プロフェッショナルと映像音響処理技術者の2つなら、合わせて2万円弱で書類に残る手がかりになります。

転職なら2つの資格で書類の手がかりが増え、副業ならその時間を作品に回したほうが早く案件に近づきます。受ける資格の中身と、選考で実際に見られるものまで確認すれば、来月からの動き方を決められます。

この記事の内容

動画編集に資格は必要か

応募条件に資格の名前が出てこないことは、求人票で確かめられます。

Indeedの求人で「動画編集 実務経験なし」と検索すると、一覧が開きます。

並んだ求人票の条件欄には Premiere Pro の使用経験、作品、実務半年〜1年、そして1分程度の編集トライアルが書かれていて、検定名や資格名を必須条件にした求人は見当たりません。

求人票が求めているのはソフトの操作と作品で、検定の合否ではありません。動画編集検定という名前の検定はあるものの、運営団体の公式サイトは2026年9月20日時点で登録期限を超過した表示に変わっています。

それでも未経験者には検定の話が残ります。制作会社に出す書類で実績を書けないなら、取得した検定が書類の空欄を埋める数少ない項目になります。資格をどこまで重視すべきかは、仕事内容や年収、なり方の全体像を見てから判断できます。

映像編集者とは?仕事内容・年収・なり方などくわしく解説!

転職か副業かで資格の価値はどう変わるか

転職と副業で動画編集の資格の価値がどう変わるかの対比図
出典: Indeed 求人票(動画編集 実務経験なし) Indeed 求人検索

制作会社に出す履歴書には資格欄があります。個人から受ける案件に履歴書はなく、動画を提出するだけです。

制作会社への転職

アデコの派遣求人は、資格の欄に検定の名前ではなく、動画編集の実務経験がある方と書いています。履歴書に書ける実績がまだ無い段階では、使えるソフトの名前と資格の欄しか書類に残りません。

Creator’s X の正社員求人は年俸360〜480万円で、有資格者歓迎の表示はあるものの、必須に並ぶのは Character Animator の実務使用経験とポートフォリオで、特定の検定名は指定されていません。

Sync Creative Management は年俸400〜600万円で、動画編集の実務経験を半年から1年以上と、ディレクター経験を必須にしています。

受ける候補は Adobe認定プロフェッショナルと映像音響処理技術者の2つです。Adobe認定は、求人の条件欄に並ぶ Premiere Pro の操作を問う試験です。映像音響処理技術者は、日本ポストプロダクション協会が認定する資格です。

個人で受ける副業案件

ソウジの報酬は1案件20,000〜40,000円で、完成尺1分あたりにすると2,000円前後です。コトイズムの切り抜き動画は月1〜3万円で、募集は動画編集の実務経験を条件に置いていません。

発注側は提出した動画そのもので判断します。検定の勉強に回す時間を、同じだけ作品に使ったほうが手元の本数が増えます。副業で案件を取りたいなら、検定の話はここで終わりにして構いません。

ただし企業から継続で受ける案件は別で、使う素材の権利を自分で確かめる場面が出ます。その場面ではビジネス著作権検定の知識が効きます。

動画編集におすすめの資格

動画編集に関わる5つの資格の受験料を比べた横棒グラフ
出典: 各運営団体の公式ページ(2026年9月時点) 日本ポストプロダクション協会ほか各団体

試験ごとに申し込める時期が違い、年1回しか受けられないものと随時受けられるものが混ざっています。下の表の受験料と回数は、5団体それぞれの公式ページの値です。

試験費用形式と回数
Adobe認定プロフェッショナル12,980円(学割9,680円)CBT・随時
映像音響処理技術者資格認定試験5,500円会場・年1回
ビジネス著作権検定初級5,800円/上級8,700円在宅Web
CGクリエイター検定6,050円/7,150円会場・年2回
色彩検定3級7,000円ほか会場・年2回

Adobe認定プロフェッショナル

申し込みは随時受け付けていて、年齢も国籍も問われません。空いている席を予約し、当日は会場のパソコンでそのまま受験します。受験料は一般12,980円、学割9,680円で、2024版と2025版とも同額です(2026年9月時点)。

試験名はDigital Video using Adobe Premiere Pro 2024と同2025です。CBT形式で、問題数は30問前後、試験時間は50分に収まります。選択・ドロップダウン・クリック・ドラッグ&ドロップに加えて、実際にアプリケーションを操作する操作問題が出ます。

同じ科目を受け直すなら待ち時間があり、2回目は前回から24時間、3回目以降は120時間空けます。学割で申し込んだ人は、当日に会場で学生証を見せる決まりです。

映像音響処理技術者資格認定試験

申請受付は3月2日から4月30日までで、この期間を逃すと次は翌年になります。

試験日は6月7日の10時15分から11時30分までの75分で、年1回しか実施されません。会場は全国およそ40会場あり、受けられる日はこの1日に絞られます。出題はマークシート四者択一50問で、合格基準は原則60%以上です。運営する日本ポストプロダクション協会は問題集を発行していて、出題はそのおよそ300問の範囲とレベルから作られます。

もっとも、出題は編集の手順に閉じていません。ビデオ編集技術者と録音技術者に共通の資格という位置づけで、音の扱いまで範囲に入ります。

払った5,500円は、当日に行けなくても戻らず、翌年へ繰り越すこともできません。

ビジネス著作権検定

編集で使う画像や音源の権利は、納品前に自分で確認しておく必要があります。ビジネス著作権検定はそれを問う検定で、初級と上級に分かれます。初級は60分30問で合格基準65%以上、上級は90分40問で70%以上に上がり、受験料も初級5,800円、上級8,700円と差がつきます。

運営はサーティファイで、公開試験は在宅で受けるリモートWebテストです。2025年度の平均合格率は70.5%です。

出題内容は年度で更新され、2026年4月から2027年3月までの試験は1月1日施行の法令に基づきます。上級の合格者は、国家資格である知的財産管理技能士の1級・2級の受験資格を得られます。

CGクリエイター検定

2024年の合格率はベーシック70%、エキスパート24%で、3倍近い開きがあるので、最初に受けるならベーシックです。受験料はベーシック6,050円、エキスパート7,150円です。出題はマークシート大問10問のおよそ40設問で、100点満点の70点が合格ラインに置かれています。運営は画像情報教育振興協会で、試験は年2回しかなく、前期が7月12日、後期が11月29日です。

併願もでき、1日に最大4検定まで受けられ、午前にベーシック2つ・午後にエキスパート2つを並べられます。出題範囲には構図やカメラワークといった映像制作の基本と、モデリング・アニメーションが入ります。エキスパートは3Dの制作寄りの内容です。

構図やカメラワークは、実写の素材を切って並べるときの判断にそのまま重なります。モーショングラフィックスや3DCG映像制作も出題に含まれ、活用分野として映画・アニメーション・ゲーム・CM・MVが示されています。

色彩検定

色彩検定は受検資格がなく、何級からでも受けられ、併願もできます。

検定料時間と合格ライン
3級7,000円60分・200点満点の140点前後
2級10,000円70分・140点前後
1級15,000円2次は記述式
UC級6,000円60分・160点前後

運営する色彩検定協会は、夏期6月28日に3級・2級・UC級、冬期11月8日に全級を実施します。

3級で扱う配色や色彩調和は、テロップと背景をどの色で重ねるかを決めるときに効きます。UC級の色のユニバーサルデザインを学べば、赤と緑の見分けがつきにくい視聴者にも字幕を読み取れるように整えられます。

3か月で資格と作品を仕上げる順番

資格と作品を三か月で仕上げる順番の手順図
出典: 日本ポストプロダクション協会・Adobe 公式ページ 日本ポストプロダクション協会

映像音響処理技術者は申請が春に締まり、試験は初夏の年1回しかありません。ここから逆算すると、1か月目は申請を済ませてAdobe認定の勉強に入る月です。出題範囲は5大項目で、映像業界で働く、プロジェクトの環境設定とインターフェース、ビデオプロジェクトを整える、視覚的要素の作成と変更、デジタルメディアの公開の順に並びます。

2か月目は、この並びの後半にあたる視覚的要素の作成と変更とデジタルメディアの公開を手元で試し、1つ学んだら1つ作品を仕上げます。ビジネス著作権検定 初級も公式の学習時間目安が15時間なので、この月の編集作業の合間に収まります。

3か月目は試験の直前確認と作品の仕上げに絞ります。Adobe認定は空いている席を予約すればいつでも受けられるので、日程が固定の映像音響処理技術者を先に受け、Adobe認定は空いた週に回せます。

春の申請を過ぎて読んだ場合は、Adobe認定と作品づくりから始め、映像音響処理技術者は次の春の受付に回します。

採用選考で資格はどこまで評価されるか

使ってきたソフトが応募の入口で切られる求人があります。メドエックスは、商用利用できない無料ツールだけの経験を不可としています。Creator’s X は業務か個人制作かを問わずポートフォリオの提出を求め、ソウジはポートフォリオ未提出を選考対象外と明記しています。

映像編集者の有効求人倍率は0.39(令和7年度・厚生労働省 job tag)で、求人より応募する側の人数が多く、書類の段階で絞られます。

書類を抜けた先は編集トライアルです。ソウジの選考は応募のあとに1分程度の編集トライアルを挟み、合否を経て本契約に進みます。書類でもトライアルでも検定は作品の代わりになりません。応募前に、提出できる作品とトライアルで使うソフトの操作を用意しておきます。

書類とトライアルで何を見られるかは、求人を扱うエージェントに聞くと応募前に分かります。

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よくある質問

動画編集の資格は独学でも取れますか

記事で挙げた検定はいずれも受験資格に制限がなく、通学や講座の受講を申込条件にしていないため、独学だけでも受験そのものは可能です。

映像音響処理技術者は運営協会が発行する問題集が出題範囲になっており、ビジネス著作権検定も公式が学習時間の目安を公開しているため、市販の教材に沿って進める選択肢があります。

動画編集に国家資格はありますか

動画編集そのものに国家資格はなく、記事で扱った検定はすべて民間団体が運営する検定です。資格の有無で応募先が変わる職種ではありません。

動画編集検定は今でも受けられますか

2026年9月20日時点で申込ページに到達できないため、おすすめの5つには入れていません。

閉鎖の経緯や再開の予定は公表されておらず、名称の似た動画制作検定は別団体である日本動画制作協会が運営しているため、申し込む前に運営団体の名前を確かめてください。

資格の取得にはどのくらいの費用がかかりますか

制作会社への転職を狙うなら、受験料は Adobe認定の一般12,980円と映像音響処理技術者の5,500円で足ります。

企業案件を狙う副業側は、ここにビジネス著作権検定の初級(5,800円)を足す程度です。受験料は返金も翌年への繰り越しもできない団体があるので、申込時期を確かめてから払ってください。

まとめ

資格に時間とお金を回すかどうかの答えは、制作会社に応募する側と、個人で案件を取る側とで別になります。会社に出すなら2つを受け、個人で取るなら試験に払う分をゼロにして、同じ3か月を制作に充てられます。

今夜やる作業は、自分が転職側か副業側かで1つに決まります。転職側なら気になる求人を1件開いて応募条件を読みます。副業側なら手元の編集を1本仕上げます。転職側の進み方は、職種の全体像から確かめられます。

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