イベント業界はやめとくべき?業界の実態と向いている人の特徴などを解説
「イベント会社はやめとけ」という声を聞いて、就職や転職を迷っている人は少なくないはずです。長時間労働や休日出勤が多いと言われるイベント業界ですが、その実態はどうなのでしょうか。
2024年のイベント産業全体の市場規模は2兆8,535億円に達し、コロナ前を超える水準まで回復しています。大阪・関西万博やインバウンド需要の拡大により、今後も成長が見込まれる業界です。
本記事では、イベント会社が「やめとけ」と言われる理由から、将来性、向いている人の特徴まで、業界の実態を整理しました。
この記事の内容
イベント会社の仕事内容と主な職種
イベント会社には、企画から実施までの各段階を担う多彩な職種が存在します。各職種は専門知識を活かしながら、チーム全体で大規模なイベントを成功に導く役割を果たしています。ここでは、イベント業界で代表的な5つの職種について、具体的な仕事内容を整理しました。
イベントプランナー
イベントプランナーはクライアントのニーズをヒアリングし、イベントの企画立案を行う職種です。展示会、カンファレンス、セミナー、企業イベントなど、様々なタイプのイベント企画に携わります。予算設定、日程調整、会場選定、予想来場者数の試算といった企画初期段階の準備が主な業務です。
プランナーはクライアントとの折衝を通じ、イベントのコンセプトや目的を明確にします。年収は経験や企業規模によって異なりますが、一般的に350〜500万円程度が相場です。大手イベント会社や広告代理店系列であれば、さらに高い水準も期待できます。イベントプランナーの仕事内容や必要なスキルについては「イベントプランナーとは?仕事内容・年収・なり方をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
イベントプロデューサー
イベントプロデューサーは企画段階から本番まで、イベント全体の責任者として統括する職種です。プランナーが立案した企画を実現するため、予算管理、スケジュール管理、スタッフ配置、各部門との調整を行います。複数のイベント案件を同時進行で管理することも珍しくありません。
プロデューサーには経営的視点が求められ、利益率を意識しながら効率的なリソース配分を判断します。年収は500〜800万円程度で、大規模案件を任されるようになると1,000万円を超えるケースもあります。10年以上の経験を持つベテランが多い職種です。
イベントディレクター
イベントディレクターはイベントの現場統括を担い、本番当日の運営全体を指揮する職種です。会場設営、音声・映像機器の手配、照明・演出の実行、スタッフ配置、時間管理など、イベント実施に必要な細部の調整を現場で行います。本番の緊急事態に対応する実行力と冷静さが必須条件です。
ディレクターはプロデューサーの意思決定を受け、それを現場で実現する橋渡し役として機能します。会場内の状況を俯瞰的に把握し、問題が生じた際には即座に判断して対応する能力が不可欠です。年収は400〜600万円程度が相場で、経験を積んでチーフディレクターになると700万円以上も狙えます。現場統括に役立つ資格については「イベントディレクターに役立つ資格は?現場統括に必要な安全管理の知識を解説」で解説しています。
制作進行・運営スタッフ
制作進行スタッフはプロデューサーやディレクターの指示を受け、実際の業務を執行する職種です。会場の準備や片付け、スタッフの誘導、機器の配置、来場者対応、トラブル時の初期対応などを担当します。アシスタント的な立場から、経験を積むことで専門知識を深めることができる職種です。
運営スタッフとしてのキャリアを通じ、イベント全体の流れを理解することで、将来的にはプランナーやプロデューサーへのキャリアアップの基盤を築けます。年収は250〜350万円程度からスタートし、経験を積むと400万円台も見込めます。未経験からでも挑戦しやすい職種です。
営業職
イベント会社の営業職はクライアント開拓と案件獲得を担当する職種です。既存顧客への定期訪問による追加案件の提案、新規企業への営業活動を通じ、イベント企画への相談をもたらします。業界知識やイベント企画のトレンド理解が営業提案の説得力につながります。
営業職はクライアントの潜在ニーズを引き出し、提案型営業によって受注につなげるスキルが求められます。また案件獲得後も関係管理を継続し、リピート受注や紹介案件の創出を実現することで、会社の売上安定化に貢献します。年収は350〜550万円程度が相場で、インセンティブ制度がある企業では成績次第で700万円以上も可能です。
イベント会社は「やめとけ」と言われる理由
イベント会社への就職や転職を検討する際に、「やめとけ」という声を耳にすることは少なくありません。こうした警告には、業界特有の労働環境が深く関わっています。ここでは、その実態を具体的に解説します。
長時間労働が常態化しているため
イベント業界では、イベント本番が近づくほど業務時間が延びていく傾向が顕著です。繁忙期の残業時間は月60〜100時間に達することも珍しくなく、閑散期でも月30時間程度の残業が発生します。大型イベント前は終電帰りが続くこともあり、24時間働き詰めといった声も聞かれます。
給与体系の多くは月給制で、みなし残業代が含まれているケースが多いです。みなし残業を超えた分が支払われない企業もあり、実際の労働時間に見合う対価が得られにくい状況が生じやすいのです。
土日祝日の出勤が避けられないため
イベントは土日や祝日に開催されることが圧倒的多数派です。結婚式、企業イベント、コンサート、展示会など、顧客が参加しやすい日程が優先されるため、スタッフも当然その日程に合わせることになります。月に3〜4回の土日出勤は当たり前で、ゴールデンウィークや年末年始も稼働するケースが多いです。
代休は取れるものの、平日に一人で休むことになるため、家族や友人との時間が取りにくくなります。子どもの運動会や学校行事に参加できない、結婚式の二次会に行けないといった声も聞かれます。長期的に働くことを考えると、この点がストレスになりやすいです。
予定が直前で変わることが多いため
クライアント側の急な要望変更は、イベント業界では珍しくない出来事です。明日9時集合と言われていたのに前日夜に7時に変更される、17時には終わると聞いていた仕事がトラブルで23時まで延びるといったケースが日常的に発生します。
プライベートの予定を入れていても、急な変更で参加できなくなることがあります。来週の土曜日は空いていると約束しても、直前で仕事が入ってキャンセルせざるを得ないことも。計画性を重視する働き方を好む人や、予定を確実に守りたい人にとっては、大きなストレスになる可能性があります。
下請け構造で利益率が低いため
イベント会社の多くは、大手広告代理店やクライアント企業の下請けという立場にあります。電通や博報堂などの大手代理店が元請けとなり、実際の制作・運営はイベント会社が担うという構造です。中間マージンが何層も発生するため、最終的にイベント会社に入る予算は限定的になります。
結果として、スタッフの給与や福利厚生に回す予算が限られている企業が多いのが実情です。博展、乃村工藝社、丹青社などの大手イベント会社であれば待遇は比較的安定していますが、中小規模の会社では厳しい状況が続いています。
体力的・精神的な負担が大きいため
イベント運営には、移動、設営、片付けなど肉体労働が伴うことが多いです。特に大規模イベントでは、連日の労働と移動で体力を消耗します。展示会の設営では10kg以上の機材を何度も運び、コンサート会場では立ちっぱなしで8時間以上の勤務が続くこともあります。
肉体疲労に加え、トラブル対応やクライアント対応のプレッシャーが精神的な負荷を高めます。本番直前に機材が届かない、出演者が体調不良でキャンセル、天候悪化で屋外イベントの判断を迫られるなど、一瞬の判断ミスがイベント全体に影響する場面も少なくありません。
こうした負担の蓄積は、業界内での離職に直結する要因になっています。特に若いうちは体力でカバーできても、年を重ねるごとに負担が増していく傾向が見られます。30代半ばで体力的に続けられないと転職を考える人も多いです。
離職率が高い傾向にあるため
イベント業界の平均離職率は約35%とされており、一般的な産業平均(約15%)と比較して高い水準を示しています。入社3年以内に半数近くが辞めるという企業も珍しくありません。これは、前述した労働環境の厳しさが直接的に影響しているといえます。
離職率が高いという現実は、業界内で育成体制が整わない、若手が定着しないという悪循環を生み出しています。新人が入っても1〜2年で辞めてしまうため、ノウハウの継承が進まず、残った社員に負担が集中するパターンです。
この点が、採用側の企業でも課題として認識されつつあり、労働環境の改善に取り組む企業も増えています。ただし、中小規模の会社では依然として厳しい状況が続いているのが実情です。
イベント業界の将来性
イベント業界は、コロナ禍からの回復を経て、今、大きな転換期を迎えています。2024年の市場規模は2兆8,535億円と、コロナ前の2019年比で109.2%と完全回復を達成し、その先の成長へ向かっています。
市場規模の回復と成長
イベント産業は着実に回復軌道を歩んでいます。2024年の市場規模は前年比108.3%となり、昨年も成長を続けている状況です。これはコロナ禍による落ち込みからの単なる回復ではなく、産業全体のポテンシャルが高まっていることを示しています。
グローバル市場の成長予測はさらに躍動的です。2035年のイベント業界市場規模は4,486億ドルに達すると見込まれており、年平均成長率(CAGR)は12.15%と極めて高い伸びが期待されています。
広告・マーケティング分野でもイベント関連の投資は増加傾向にあります。電通の「2024年 日本の広告費」調査では、イベント・展示・映像ほかが4,269億円で、前年比111.0%の成長を記録しました。
大阪・関西万博などの大型イベント需要
2025年に開催された大阪・関西万博は、イベント業界に大きな需要をもたらしました。万博のような大規模イベントは、単に開催期間の需要だけでなく、準備段階での企画立案、施設管理、セキュリティ、運営サポートなど、多方面の業務を生み出します。
万博で培われた経験やノウハウは、今後の地域活性化イベントや企業主催のイベントにも活かされていきます。2030年代に向けて、国際的なスポーツ大会や博覧会の誘致も続いており、大型イベント需要は今後も継続すると見込まれています。
インバウンド需要の拡大
訪日外国人数の増加は、イベント業界にとって無視できない好材料です。2024年の訪日外客数は3,686万人を記録し、過去最高を更新しました。この数字は、国内だけでなく海外からの参加者向けイベントの需要が急速に増えていることを意味します。
多言語対応、文化的配慮、国際的なセキュリティ基準への対応など、インバウンド対応イベントには様々なスキルが必要です。この拡大は、イベント業界で働く人材の多様化と専門化を同時に促進させるでしょう。
オンライン・ハイブリッドイベントの定着
コロナ禍で急速に進んだオンライン化は、今、産業の一部として定着しつつあります。完全なリアルイベントへの回帰ではなく、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド開催が標準的な選択肢となっています。
ハイブリッド開催には、リアル会場の運営に加え、オンラインプラットフォームの管理、配信技術の手配、オンライン参加者の満足度管理など、従来にない複合的なスキルが求められます。
AI活用と技術革新
AI技術はイベント業界にも急速に浸透しています。参加者の属性分析や行動予測、パーソナライズされたプログラム推奨、自動翻訳システムなど、テクノロジーがイベント体験を高度化させています。
今後は、AIを活用した来場者分析やリアルタイムな需要予測、会場内の混雑管理システムなど、より高度なデータドリブン運営が浸透していくでしょう。イベント業界は、テクノロジーと創造性を融合させた、新しい職種が次々と生まれる産業へと進化していくと考えられます。
イベント会社で働く魅力
イベント会社は、企画段階から本番当日まで、多くの人との関わりの中で仕事を進める業界です。ここでは、イベント業界で働くからこそ感じられる、やりがいと成長の機会を紹介します。
企画が形になる達成感を味わえる
企画会議で出されたアイデアが、実際のイベントとして形になり、観客の笑顔や感動を見ることができます。企画段階では「このコンセプトで本当に集客できるか」と不安もありますが、当日、計画通りに運営が進み、来場者が楽しんでいる光景を目の当たりにするときの充実感は、他の業種では味わいにくいものです。
テレビや雑誌の仕事であれば、作った成果物を客観的に評価できます。一方、イベント業界はその場の雰囲気や参加者の反応をリアルタイムで感じられるため、自分たちの仕事の価値が直に伝わってきます。
多くの人を喜ばせられる
イベントの参加者は、自分たちの企画によって時間を過ごし、新しい経験や思い出を得ます。「このイベントで友人と良い時間を過ごせた」「新しい世界が広がった」といった声を直接聞くと、自分たちの仕事が社会に貢献していることを実感できるのです。
コンサート終了後に感動して泣いている観客を見たり、展示会で来てよかったと言ってもらえたりする瞬間は、長時間労働の疲れを吹き飛ばしてくれます。SNSで最高のイベントだったという投稿を見つけたときの喜びは、この業界ならではの報酬といえます。
幅広いスキルが身につく
イベント企画には、マーケティング・営業・企画力・ロジスティクス・人間関係調整など、多角的なスキルが必要です。1年目は集客施策を担当し、2年目はスポンサー獲得、3年目は企画立案と、段階的にキャリアを広げることができます。
営業スキルも磨かれます。チケット売上目標を達成するために、企業営業やメディア提携を進める過程で、交渉力やプレゼンテーション能力が自然と向上するからです。
様々な業界の人と関われる
イベントの実現には、会場提供者、スポンサー企業、出演者、メディア、運営スタッフなど、異なる業界・業種の人たちが関わります。これらの関係者と一緒にイベントを作り上げていく過程で、異なる視点や価値観に触れることができます。
運営に携わる中で「こういう業界もあるんだ」「こうやってビジネスが回っているんだ」という気づきが増えていきます。人脈も自然と広がるため、業界横断的なネットワークを築けるのは大きな財産です。
日々異なる仕事で飽きない
イベント業界は、季節・トレンド・クライアントのニーズに応じて、仕事内容が常に変わります。春は新入生向けのイベント企画、夏は大型フェスティバルの運営、秋は展示会・セミナーの実施と、年間を通じて異なるプロジェクトに取り組むことになります。
同じ業務の繰り返しにならないため、ルーチン業務に退屈しやすい人にとって、イベント業界は魅力的な選択肢です。毎回新しい課題が生まれ、その都度、柔軟に対応する力が磨かれていきます。
イベント会社に向いている人の特徴
イベント会社の仕事は、現場での体力的な負担が大きいだけでなく、臨機応変な対応力を求められる環境です。ここでは、イベント会社で活躍できる人の共通点を紹介します。
イベントが好きな人
音楽ライブ、企業のセミナー、結婚式など、形は様々ですがイベント開催の瞬間に立ち会える仕事です。企画段階での細かい打ち合わせから、本番時の緊張感、終了後の達成感まで、イベント全体を楽しめる素質がある人ほど、長く続けられる傾向にあります。
「やらされている」という感覚ではなく、「イベントを作り上げるプロセス自体が好き」という姿勢が、困難な場面での踏ん張りにつながります。イベントプランナーに向いている人の特徴も併せて確認しておくとよいです。
体力に自信がある人
イベント開催日には、朝から晩まで現場に張り付く必要があります。立ち仕事が基本で、搬入・搬出時は重い物を運ぶこともあり、3日間連続のイベント現場に対応できる体力は不可欠です。夏場の野外フェスでは炎天下での作業、冬場は寒さの中での長時間待機など、環境の厳しさも加わります。
体調管理が上手で、疲労時でも判断ミスを起こさない人は、スタッフ間での信頼が厚くなり、より重要な役割を任されるようになります。体力には自信がある、学生時代は運動部だったという人は、現場で重宝される傾向にあります。
臨機応変に対応できる人
天候の急変で急きょ屋外会場から屋内に変更する、来場者数の予想外の増減への対応、機材トラブルの即座の解決といった場面は珍しくありません。マニュアル通りに進まない状況で、限られた時間内に最善策を判断できる柔軟性が求められます。
スピーカーが壊れたから代替機を手配して、開場時間を30分早めてといった指示に即座に動ける人は、現場で高く評価されます。完璧さよりも「今、何ができるか」という現実的な思考が重視される環境では、状況判断が素早い人ほど重宝されます。
逆に、それは聞いていない、マニュアルにないと硬直的に対応してしまうタイプは、イベント現場では苦労する傾向があります。
チームで働くのが好きな人
イベント制作は決して一人では成り立たず、営業、企画、音響、照明、舞台設営など様々な職種が力を合わせて初めて成功します。相手の立場を理解し、コミュニケーションを取りながら目標に向かえる人材は、現場での信頼関係を築きやすくなります。
運営途中に照明チームの要望が生じた際、迅速に対応できる営業や企画チームがいると、全体がスムーズに機能するのです。
人を喜ばせることにやりがいを感じる人
イベント参加者の笑顔、クライアントからの感謝の言葉、スタッフとの一体感など、携わった人々が満足する瞬間を経験できるのがこの仕事の大きな魅力です。成果が数字や報酬ではなく「人の反応」で測られるため、他者の喜びを自分の喜びに変えられる人は、モチベーションを保ちやすくなります。
金銭的な報酬以上に、イベントを通じた人間関係の構築や貢献を実感できる人が、この業界で長く活躍できます。
イベント会社で後悔しやすい人のパターン
イベント会社に入社して後悔する人には、いくつかの共通点があります。ここでは、実際に転職後にミスマッチを感じやすいパターンを紹介します。
「華やかなイメージ」だけで入社した人
イベント業界には、コンサートや展示会など華やかなイメージがあります。しかし実際の業務は、地道な準備作業や調整業務が大半を占めます。有名アーティストのライブに関われると期待して入社したものの、搬入作業や書類整理ばかりで幻滅したという声は少なくありません。
裏方仕事の連続に耐えられるかどうかが、この業界で続けられるかの分かれ目になります。
ワークライフバランスを最優先にしたい人
イベント業界では、繁忙期と閑散期の差が激しく、繁忙期は連日深夜帰りになることもあります。今月は落ち着いているから来月は旅行に行こうと思っていても、急な案件が入れば予定変更を余儀なくされます。
飛行機のチケットを取っていたのにキャンセルせざるを得なかった、友人の結婚式を欠席することになったという話は業界内でよく聞きます。プライベートの予定を確実に守りたい人、毎週決まった曜日に休みたい人には、ストレスが蓄積しやすい環境です。
年収アップを期待していた人
イベント業界の年収は、同じ労働時間の他業界と比較すると低めの傾向があります。クリエイティブな仕事だから給料も良いはずと期待して入社した人が、実際の給与明細を見てがっかりするケースは多いです。
特に20代〜30代前半は年収300〜400万円台が一般的で、残業時間を考慮すると時給換算で厳しい数字になることもあります。
一人で黙々と作業したい人
イベント制作は、常に複数の関係者とのコミュニケーションが発生します。クライアント、会場、協力会社、社内の他部署など、1日に何十件もの電話やメールをこなすことになります。会議も多く、1日の大半が打ち合わせで終わることも珍しくありません。
人と話すのが苦手、一人で集中して作業したいという人には、精神的に消耗しやすい環境です。デスクで黙々と作業できる時間は限られており、常に誰かとのやり取りが発生する仕事だと理解しておく必要があります。
イベント会社を目指すなら
イベント会社への転職を検討するなら、事前準備が欠かせません。労働環境の実態を把握した上で、転職活動を進めることで、入社後のギャップを減らせます。
企業の労働環境を事前に調べる
イベント会社の実態を知らないまま転職すると、激務や長時間労働に驚くことになります。求人票に書かれていない情報は、口コミサイトやSNS、業界ニュースを活用して集めましょう。
OpenWorkなどの口コミサイトでは、現職・元職の社員が給与や労働環境について投稿しています。特に繁忙期の残業時間、有給休暇の取得率、休日出勤の頻度といった具体的な情報は、判断の参考になります。
大手と中小の違いを理解する
イベント会社は、企業規模によって待遇や働き方が大きく異なります。博展、乃村工藝社、丹青社などの大手は、福利厚生が整っており、大規模案件に携われる機会が多いです。一方で、競争率が高く、入社難易度も上がります。
中小のイベント会社は、若手でも裁量を持って働ける反面、福利厚生や給与面では大手に劣ることが多いです。自分が何を優先するかを明確にした上で、企業選びを進めることが大切です。
未経験から目指す場合のルート
イベント業界は未経験でも挑戦できる業界です。制作進行やアシスタントからスタートし、経験を積んでプランナーやディレクターへ昇進していくのが一般的な流れです。
派遣社員やアルバイトとしてイベント運営に携わり、業界の雰囲気を掴んでから正社員を目指す方法もあります。いきなり正社員として入社するよりも、ミスマッチを防ぎやすいルートといえます。
転職エージェントを活用する
一般的な求人サイトには載っていない情報を持っているのが、転職エージェントです。キャリアコンサルタントはイベント業界の人事とつながっており、その企業の実情や採用方針について詳しく把握しています。
エンタメ・クリエイティブ業界に強いエージェントであれば、イベント会社の求人を多く扱っています。繁忙期の実態、離職率、社風など、求人票には載らない情報を聞き出せるのが大きなメリットです。複数のエージェントに登録して、異なる視点での情報を収集することをお勧めします。
まとめ
イベント会社は「やめとけ」と言われることが多い業界ですが、その理由を正しく理解した上で判断することが大切です。
長時間労働や休日出勤、下請け構造による収入の低さなど、厳しい面があるのは事実です。一方で、市場規模は2兆8,535億円に達し、大阪・関西万博やインバウンド需要の拡大により、今後も成長が見込まれる業界でもあります。
イベントが好きで、体力があり、臨機応変に対応できる人にとっては、大きなやりがいを感じられる仕事です。逆に、華やかなイメージだけで入社した人や、ワークライフバランスを最優先にしたい人は後悔しやすい傾向があります。
自分の適性と業界の実態を照らし合わせ、後悔のない選択をしてください。